【入院】もう全部オムツでいいんじゃないか…?【効率厨】
入院するにあたって、自分は衣服やタオルのレンタルサービスを使用した。
これは金額にすると月に1万5000円くらいかかる高額サービスで、保険なども一切効かない。
とはいえなんの用意もしていない突然の入院だった自分にとっては、非常にありがたいサービスではあった。
しかしこのサービス、下着はついてこないのだ。
……いやまあわからんでもない。
誰かが使った病衣やタオルを洗濯して使い回すのはOKでも、下着を使い回すのはいくら完璧な洗濯がされていたとしてもハードルが高いだろう。
だから入院生活というものは、下着は自分でどうにかしなければならない。
大半の人が入院後に家族なりに下着を持ってきてもらう流れになるだろう。
ちなみに自分の場合は、オムツを使用した。
なぜかといえば、そもそも足に工事現場の足場が装着された状態なので、普通の下着を履くのは不可能だったからである。
……いや、そういえばあの足場の名称は『創外固定』ということを最近知ったんだったか。
ちゃんとした名称を使用するのは大事なことだ。
なお自分の場合は脛骨高原骨折だったので、上の画像のような感じではなく、膝上の太ももの骨と脛骨の根本の骨で固定されていた。
要するに、もう完全に太ももから下は曲げられない状態である。
常に足はまっすぐ。下着なんてもちろん履けるはずもない。
そんなときに役立ったのが紙テープ式のオムツだ。
これならば足を通さなくても尻さえ浮かせれば脱着ができる。
なので創外固定中はこのオムツにとてもお世話になった。
(いやお世話になったと言っても、別にオムツの中に排泄していたわけじゃなく、あくまでも下着として使っていただけだが)
なおこれは以前記事にした尿道カテーテルを着けていた際も使用していたが、カテーテル洗浄時にお湯をかけるとき、このオムツでお湯を吸収できるのが最高に都合が良かった。
まったく便利なものを開発してくれたものである。
そんなこんなで次の手術が終わって創外固定も外れ、リハビリで微妙に足が曲げられるようにもなったある日。
そこで看護師さんによく言われたのが、「良かったね!これでオムツじゃなくなるよ!!」という言葉である。
なにやら看護師さんたちの間では、オムツは脱却すべきものというイメージでもあるのか、あるいは自分が歯を食いしばって耐えながらオムツ生活を送っているように見えたのかは知らないが、しきりにそう言われた。
だがしかし、
自分は正直なところ「入院中はオムツでいいんじゃないか…?」と思っていたのだ。
いや、変な癖に目覚めたとかいうわけではなく、オムツってめちゃくちゃ入院生活においてメリットがある気がしていたのである。
なお、自分は手術後しばらくは一人では動けない上に、サポートしてくれる家族も遠方なので頻繁に来れるわけではなかった。
なので下着を着用可能な状態になったとしても、使用した下着を洗濯するとなると、看護師さん頼りになってしまう。
自分は人に頼るのがド下手な人間なので、もちろん洗濯まで看護師さんに頼るなんて気は毛頭なく、下着代わりにリハビリパンツを使用することにした。
リハビリパンツとは、テープ式の紙オムツとは違って普通のパンツみたいに履ける紙オムツである。
それではリハビリパンツの入院生活における様々なメリットを解説していこう。
(需要があるかはともかくとして)
【履きやすいし脱ぎやすい】
リハビリパンツのメリットその1は、履きやすくて脱ぎやすいことだ。
リハビリパンツはそりゃもうよく伸びるので、手術の影響で腫れたうえに装具まで付けている自分の足でも問題なく着用可能だった。(左足を通すまでがしんどいが)
なお普通のオムツと違って吸水性能などは劣るものの、それが薄さに寄与して違和感少なめな履き心地になっているのも特徴だ。
そして腹回りも緩やかに支えてくれるので、そこらへんの下着のゴムによるきつい締め付けがないのも非常によろしい。
そしてなんと、リハビリパンツは紙でできているので、横から破ることが可能である。
これがもし普通の下着だったら、足の痛みに耐えながらどうにか足の先端まで下着を持っていって脱がなければいけないが、リハビリパンツは脱ぐときは破って外せるのだ。
もう本当に足を曲げられないときはこの仕様に感謝しかなかった……!
ライフリー以外のリハビリパンツにこの機能が搭載されているかは不明だが、これを考えた人には心からの拍手を送りたい。
実に使用者のことを考えている仕様だ。
リハビリパンツ、優秀である。
【消臭抗菌効果がある】
リハビリパンツの利点として、消臭抗菌効果があることが挙げられる。
そりゃもうオムツなのでこれに関しては否定する人は少ないだろう。
ライフリーの場合は「Ag+配合!パワー消臭のトリプル効果でアンモニア・硫化水素・ジメチルアミンについての消臭効果があります!!」とのこと。
そして実際確かにその効果はあると思う。
自分はリハビリパンツの上に短パンを履いているわけだが、その短パンが全然臭くならないのである。
なんだかんだでベッドの上で過ごせば尻が蒸れるし、リハビリをやれば汗だってかく。
しかしそれでも毎日リハビリパンツを交換してボディシートで体を拭いてさえいれば、「もしかして洗濯いらないんじゃないか…?」と思ってしまうほど短パンに匂いがつかない。(さすがに洗濯はするけど)
これは布1枚の下着では出来ない芸当なんじゃないかと思う。
なにせ下着は汗やらなんやらを普通に通してしまうものだからね……。
やはりリハビリパンツ、優秀である。
【洗濯しなくてもいい】
オムツの何が優秀かといえば、使ったら捨てられることである。
まあ「入院のときは100円の下着を買いまくって使い捨ててました!」なんて意見もネット上にあったが……
だが正直ここまでに挙げた利点だけでも、どう考えてもオムツ(リハビリパンツ)で良いと思う。
そもそも洗濯すればいいというのは、そう単純な話ではないのだ。
洗濯を家族に頼るとなれば、家族に洗濯時間と洗濯したものを渡しに来る移動時間を強いることになる。
そして看護師に頼むにしても、看護師は基本超忙しいことを忘れてはならない。
ナースコールは看護師の携帯と連動しているのだが、もうひっきりなしにピロピロ鳴りまくりでかわいそうになってくるレベルだ。
「〇〇さん、今ちょっと忙しいから待っててー!」なんて電話越しに返すのは日常茶飯事である。
そこに「あ、洗濯頼んますわ^^」なんて言えるか?
僕にはとても出来ない。
なお、病院にはオムツ専用ゴミ箱があったりするので、オムツ系を捨てる場所は聞いておこう。
まあ別に中に排泄しているわけでもないので燃えるゴミでも良さそうな気もするが、ルールはルールである。従おう。
【洗濯費用がかからない】
忘れてはいけないのが、洗濯はタダではないということだ。
家族に頼った場合は置いといて、病院のランドリーを自分で使用する場合を考えよう。
自分の病院では洗濯するのにテレビカードを使うことになるわけだが、これは1枚1000円だ。
そして1回の洗濯に400円、1時間の乾燥に200円の料金がかかる。
つまりは週1で洗濯するとしたら、月に2400円かかるのである。
もちろんこれはリハビリパンツを毎日買うよりは安い。
自分は病院の売店でリハビリパンツを購入したが、16枚で2500円だったので、月にしたら5000円となる。
(1日100円以下になるようなものもネットで探せばあるけど…)↓
そして洗濯には相応の手間がかかることを忘れてはならない。
洗濯場までの移動もそうだし、洗濯が終わる時間にちゃんと取りに行って乾燥機に入れなくちゃいけないし、今度は乾燥が終わる時間にも忘れず取りに行かなければ、次に使う人の迷惑になってしまうのだ。
またリハビリや突然の検査のタイミングと被らないように注意しないと、洗濯物を回収できないまま長時間放置することになってしまうので常にタイミングを図らねばならない。
そもそも洗濯機や乾燥機が十分にある病院なのかという問題もある。
自分の今いるフロアでは30人の患者に対して洗濯機2台と乾燥機1台という設置状況だ。(いやみんなが洗濯しようとしたら絶対ムリだろ……)
もうなんだか考えるだけで余計なタスクが増えすぎて頭がパンクしそうな病院での洗濯。
これを月2500円の負担増で無しに出来るなら、自分は喜んで払うことだろう。
……もうオムツで良くないか?
【まとめと悪あがき】
そんなわけで、いかにオムツにメリットが有るかをわかっていただけただろうか?
多種多様な利便性により、自分の負担を減らし、看護師の負担を減らし、家族の負担を減らす事ができるのが、オムツ(リハビリパンツ)なのである。
やっぱり下着をわざわざ洗濯するよりこっちの方が良くない?
……まあ結局は「オムツは恥ずかしいもの」という世間のイメージでこれらのメリットは全て台無しになってしまうのはわかっているのだが、なんだかもったいない話だなと。
いやもちろん問題もないのにオムツを普段の生活で履こうとは思わないが、少なくとも入院時においては率先して使うことを勧めるべきアイテムじゃないかと思えてならない。
うーむ、やはり『リハビリパンツ』というネーミングが悪いのだろうか……?
よし、こういうときはChatGPTに無理強いするに限る。
そこで挙がったものが以下のような感じである。
ふむ……?
ええやん……!!
そんなわけで、気兼ねなくリハビリパンツで済ませられる世界になったら良いなと思う自分なのだった。
「手ぶらで入院」を達成するにはもう一押し必要なのだ。
起こそう、オムツへの意識改革……!
しかしまさか自分がオムツ記事を書くことになるとは。
入院というのは本当に視野を広げてくれるなあ……!