【つながる旅行記#207】宇和民具館で伝統文化を学ぶ
前回は宇和米博物館で米について学び、卒業した。
では、引き続き卯之町にある博物館系を巡っていこう。
なお、看板が見えた愛媛県歴史文化博物館はラストに取っておく。
なんだか調べた感じ結構大きそうな博物館だったので。(あと遠い)
しかしなんだか歴史を感じる建物が増えてきたぞ……?
実はこのあたりは重要伝統的建造物群保存地区らしく、江戸中期から昭和初期の建物が残されているのだ。
そんなわけで、目的地の開明学校・宇和民具館に到着。
500円で2つ楽しめるというお得感。(2017年)
中に入るとスリッパに履き替える形式だった。
今までに美術館などでたまに靴を脱ぐゾーンがあったりはしたが、ここでもスリッパになるとは。
いや実は前回の宇和米博物館でもスリッパだったのだ。
この辺りはそういうスリッパ文化があるのか……?
凄まじい鼻毛の牛鬼が展示されていた。
なんだか展示では獅子舞みたいな雰囲気があるが、牛鬼が実際に使用されるときは獅子舞を遥かに越える威圧感を持つ物体になる↓
首がめっちゃ長いし体もでかい。
獅子舞の強化版みたいなものが牛鬼なのだ。
このあたりでは「牛鬼(うしおに)」が訛って「オショーニン」なんて呼ばれることもあるとか。
その起源は秀吉の朝鮮征伐で加藤清正が敵を威圧するために考案したとか、朝鮮半島に生息する虎を回避するためだったとか色々あるらしい。
とはいえ史料上では牛鬼は江戸時代中期の出現なので、朝鮮征伐云々の話は微妙ともいわれる。
まあ由来というのはそうやってブレていくものなのかもしれない。
こんなふうにこの地域に関連する伝統的なあれこれが展示されているのがこの民具館だ。
青森の博物館にあった民具ゾーンもそうだが、こういうのは個人的に興味が湧いてかなり楽しい。
この五ツ鹿は、宇和島に仙台の伊達家がやってきたことで伝わってきた文化が由来らしい。
過去の宇和島回で伊達家のあれこれやロイズについて触れたが、こうやって地域の文化にもしっかり影響を与えているのだ。
仙台の鹿踊り(ししおどり)から独自の改変が加えられたのが5ツ鹿踊りだという。
確かに動画で見た感じでは仙台の方が荒々しさがあり、宇和の方は布で太鼓を隠すという不思議な慎ましさがある。
どちらも独自の良さを持っているようだ。
またなんとも不思議なものを発見。
これは無病息災や子孫繁栄を祈る『亥の子』という行事に使う道具らしい。
地域の子供達が家々を回り、亥の子唄を歌いながら地面にこの石亥の子を何度も叩きつけるのだ。
なかなかパワフルな行事である。
しかしこういう行事ってどんなきっかけがあって生まれるのだろう。
なぜロープで繋いだ石を10数人で叩きつけることが祈りにつながるのか。
民俗学に興味が湧いてくるのを感じる。
素晴らしい……!!
やっぱりこういう模型やジオラマは最高だな!
いやはや、思いの外ジオラマ成分を摂取できてかなりの満足感だ。
やっぱりなんでも寄ってみるものである。
そんなわけで、宇和民具館はなかなか学びのある場所だった。
こういう各地の伝統文化について知るのはやっぱり楽しいな。
……それでは次の場所へ向かおう。
といっても向かいにあるのだが。
次はこの開明学校を見ていく。
学校は前回の米博物館で見たばかりだが、
こちらは完全に馴染みのない時代の学校である。
一体どんな感じなのか。
次回へ続く……!
この記事が参加している募集
サポートには感謝のコメントをお返しします!