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埼玉・八潮市の道路陥没に心がざわつく

28日午前9時40分頃、埼玉県八潮市で道路が陥没した。

29日になっても穴に転落したトラックの運転手は未だ救助されていない状況なのだが、自分はどうにもこのニュースが気になって仕方がなくて、昨日の深夜は延々ライブ中継を見てしまった。

おそらくこの規模の崩落は、自分が遭遇した博多駅前の道路陥没を想起させるという理由もあったのだろう。


だが、今回のニュースは正直あまり長々と触れるものでもないとも思う。

もし心がざわついて他のことが手につかない人は、この事故のニュースを見ないようにしつつ、この記事も閉じたほうが良いだろう。

こういう気分が続くのはあまりよろしくないからね……。

(自分もこの記事をまとめたら一旦離れようとは思う)


さて、先述した博多駅前の道路陥没事故は今回の八潮市での陥没とは仕組みが全然違うため、比較対象としてはちょっとあれな気もするのだが一応紹介しておこう。(若い人は知らないかもだし)

この博多駅前の事例は地下トンネルの崩落だったわけだが、その規模は幅27m、長さ30m、高さ15mという凄まじい範囲に及んでいた。

だがそんな規模でありながら、トンネル作業員の危険察知による通報と、その後の素早い道路封鎖によって、奇跡的に被害者は出なかったのだ。

そして、その後の7日間での超速道路復旧は今でも語り継がれている。

(道路復旧後も度々メンテしてたという話もあるが)

・道路陥没事故における流動化処理土による早期復旧工事 〜福岡県博多駅前〜
https://www.jcassoc.or.jp/cement/4pdf/kokazai_hc12.pdf


だが、今回の埼玉の陥没では運転手が穴の中にいるのだ。

ゆえに速攻で埋め戻すなんてことは出来ないだろうし、これまでの経過を見ているとかなりの長期戦になりそうだ。

それに下水管の破損による土砂流出だとすると、どれほどの範囲に空洞があるかは謎である。

安全のためにまずその調査が必要だろうし、それもまた対処を長引かせる要因になるだろう。

※(下水管破損による道路陥没の模型実験)↓

いやシンクホール怖すぎだろと上の動画を見て思うわけだが、29日夜の現場を見ると、トラックが落ちた最初の穴よりも何倍も巨大な穴が駐車場側に新たにできているのがわかる。↓

29日夜
(上の穴が新たに出現したもの)

これはトラックの荷台部分を引き上げた際に出来た穴で、それが時間経過で広がったのだが、尋常じゃない規模の土砂が喪失しているのがわかるだろう。

そして恐ろしいことに、1日前の28日の様子を見ると、この穴ができる場所には人が大勢集まっていたのだ。↓

28日夜

土砂の流出はこのとき既に駐車場側の地下でもある程度起こっていたと思われるが、28日時点で駐車場側の崩落が起きなくて本当によかった……。


(なお30日)

そういえば、崩落前の道路の状況はどうだったのかも気になるところだ。

ストリートビューを見てみよう。

2021年

上の画像は2021年のもので、なんだか道路がひび割れている。

とはいえそんな道はよくあることだし、これを見て崩落するなんて考える人はいないだろう。

では、3年後の2024年9月を見てみよう。

2024年9月

こちらはなんだかむしろ道路が綺麗になっているようにすら見える。

そしてニュース情報によると、3年前に下水管を調査した際は「異常なし」との結果が出ていたとのこと。

どんな調査手法なのかは不明だが、まさか4ヶ月後にこんな悲惨な出来事が起きるなんてこの道路を利用していた誰も予想できなかったことだろう。


しかし検査結果が本当に「異常なし」だったとすると、もし下水管が破裂した場合にはそこから3年以内にあのレベルの土砂流出が起きてしまうということになるのでは……?

検査は5年に1回だったそうだが、それだと通常通りに検査していたとしても、今回のような事故が防げない可能性がある。

(一体どうしろと…?)


なんというか、これは「道路」というものに恐怖心を感じる人が一部出てきそうな気がしないでもない。

しっかりした硬い地面というイメージがあった道路だが、実際は10〜20cmのアスファルトが基本であり、今回のように下の土砂が何らかのトラブルでなくなってしまえば、意外に脆い存在に思える。


なお今回の陥没は、このあたりが埋立地で脆弱な地盤だったり、汚水処理場が近いので内径約5mという巨大な下水管だったという悪条件が重なった結果起こったという話がある。

なので老朽化が大変なことになっていると噂の日本全国の下水管で、今回と同じレベルの陥没が起こるかというと、それはまだわからない。

だがこういう事故は個人で防ごうにも、もうどうしようもないような……?

下水管マップでも手に入れて、下水管の上を走らない道を選んで走行するしかないのか?(どう考えても現実的ではない対処法だけど)


なお道路の陥没自体は、大小合わせて年に9000件という尋常じゃない件数起きているらしいので、ホントにどうすんのこれという感じである。

一応、走るだけで陥没を検査できる車も存在するのだが、今の日本は検査後に実際に工事をする人手が足りていないという問題がありそうな気がする。


しかしどうにもこういうニュースを見ると、『』というものを意識してしまう。

トラックの運転手だってまさか急に道路に穴が空いて落ちてしまうなんて思わなかったことだろう。

事故現場の作業員たちだって、自分たちが前日に作業していた場所が次の日には崩落するなんて思わなかったはずだ。


思えば自分が今こうやって入院生活を送れているのも、自転車から転んで車道に体が飛び出たときに、偶然車が走っていなかったから助かっただけなのである。

いつも通りの車の流れだったら、転んだところに即座に車が来て人生が終わっていただろう。

いやまあ事故を起こして入院している時点で不運な気がしないでもないのだが、命が残っただけでもやっぱり幸運だと言えるんじゃないだろうか。


そんなわけで、この事故のニュースに未だに心はざわついているが、自分が生き残ったことにあらためて感謝するきっかけになった。

今はとりあえず生き残れた運に感謝して生きねば。


そして運転手の救助と作業員の安全、なにより周辺住民の生活が早く元通りになることを祈りたいと思う。

……こんな事故はもう起こらないでほしいものだ。


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aosagi
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