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ふと酸欠で倒れた話を思い出し、あらためて考える【新幹線】

自分は人混みが得意ではない。

そんなものが得意な人間なんているのかという話でもあるが、これは自分が東京を離れた理由の一つだ。

あれが日常だったころはやっぱりちょっときつかった。
旅行とかで稀に味わうくらいならまだいいのだが……。


なので今年の8月に行った富士登山で人が少ない『御殿場ルート』を選んだのも、そこらへんの事情が関わっている。

古い本でそのルートの登山を読んだからとか、半蔵坊ができたからとか、御殿場ルートができて140周年だからとか色々と他の理由もあったにせよ、『人が少ないルート』という理由はかなり重要な位置を占めていたのだ。


今年はあまりにも人が多すぎる。

メジャールートの大混雑登山は避けたかった。

結果として、自分の利用した御殿場ルートは体力的なキツさを除いて非常に快適で、晴天に恵まれた絶好の登山日和でも混雑なんて無縁の素晴らしい体験ができた。


でもたしか山小屋で横になった際には、かつて酸欠になった体験のことを一瞬思い出したのだ。

2畳もない高さ1mのスペースをカーテンで仕切って、そこで2人の大人が呼吸する環境というのは、色々浮かぶもの。

あらためてしっかり思い出してみよう。



自分が酸欠で倒れたのは、旅行シーズンの新幹線の中だった。

椅子になんてとてもじゃないが座れない状況で、自分は乗り降りをするドアのあるスペースに立っていたのだが、そこも人でどんどん埋まっていく。

次の駅について、何やら子供が何人か入ってきていよいよヤバい。

なんだか息もしにくくなってきた。酸素が薄いのか?


そして、(なんだかちょっと吐き気がするな…)と一瞬思考し、

気づいたら床に倒れていた。


「大丈夫ですか!?」と呼びかける声がだんだんと聞こえるようになり、自分が倒れたことをなんとなく理解する。

でも最初に考えたのはこの状況からくる羞恥心と、「こんな混んでるのに倒れてんじゃねぇよ…」と思われたんじゃないかという申し訳なさだった。

なので、「あぁ大丈夫ですありがとうございます……!!」と言ってすぐに立ち上がり、

気がついたらまた床に倒れていた。


今思えば周囲からしたら「な、なんだこいつ…?」だろう。

「あぁ大丈夫です!!(立ち上がる)」 バターン!!! 


ギャグかな?


そこで流石にこりゃ駄目だわということが自分にもわかったので、混んでいるのにどうにか地面に座らせていただき、次の駅で降りた。

「大丈夫ですか!?」と最初に呼びかけてくれた方はまさかの駅まで降りてきて心配してくださり、(世の中にはこんな親切な方がいるんだなぁ…)と感動した。

しかしなにせ体調が終わっていたので、感謝の言葉を辛うじて述べることくらいしかできなかった。


今思えば本当に素晴らしい人だったなあ……。

もうあらためてお礼を言う手段もないが、未だにあの方には感謝を覚える。


そう考えると、やっぱり他人に優しくするのって大事なのかもしれない。

その人が一生覚えているレベルで優しさの体験を記憶に残す可能性があるのだから。

自分も機会に遭遇したら全力を尽くさねば。



ここまで書いておいてあれだけど、『これ酸欠なのか?』という疑問が湧いてきた。

今までずっと自分は酸欠だと思っていた。
周囲に子供が満たされて、なんかあからさまに呼吸がしにくくなった感があったから。

しかしこの記事を作成するにあたってあれこれ調べてみると、『失神』や『脳貧血』の方が当てはまる気がしてきたのだ。

(校長先生の話のときに倒れる子がいたりするが、あんな感じ)


どうも長時間立っている脱水が組み合わさった可能性が高い。

当時はかなりの長距離移動中で、旅行シーズン故に新幹線に乗る前の工程でも席には座れなかったし、飲み物を買う余裕もなかったのだ。

そこに人混みからのストレスがプラスされ、あんな事になってしまったのかもしれない。


正直自分は失神なんてものとは無縁だと思ってたのだが、これで朝礼で倒れる子の気持ちを理解できるようになった。(使い道は今後多分ないけど)

何事も体験すると新しい視界が広がるものだ。


失神、気をつけよう。


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