【つながる旅行記#314】戦艦大和が造られたドックを最後に見つつ、広島旅行を終える【呉・歴史の見える丘】
前回は厳島神社の素晴らしい光景を記憶に収め、宮島に感謝を告げた。
そんなこんなで今日は旅行の最終日。
このあとフェリーで愛媛県の松山に帰るわけだが、もうちょっとだけ広島県を楽しみたい。
今日は呉で少しだけ過ごしてから帰ることにしよう。
宝橋からの眺めを見る。
思えば前回来たときは水量が全然なくてカニが歩いてるのが見えるくらいだったこの川だが、今はそんな姿が想像できないくらいの水量で満たされている。
↓(この前の様子)
だがこれも厳島神社での干満差を経験した今では、全然あり得ることなんだなと素直に理解できる。
どうやら旅のおかげでまた新たな視点を得られたようだ。
やはり旅は良い!!
では今日の目的地へ向かって歩いていくとしよう。
まずは宝橋を渡り、海上自衛隊ゾーンを突っ切っていく。
そういえば自分の会社にも自衛隊出身の子がいるが、なかなかのオラオラ系ながらも、やる気に満ちていて非常に頼もしい存在だ。
「自衛隊に比べりゃ楽っすよ!!」というのが彼の口癖だが、一度ドギツい環境で耐え抜くと、楽なところに移ったときにイージーモードで大活躍できるのかもなと思う。
キツイ経験と体力って大事なんだな……。
そんなわけで、ジャパンマリンユナイテッド株式会社に到着である。
なんとここは歴史を辿ると、戦艦大和を作った旧呉海軍工廠造船部造船船渠なのだという。
……いや、漢字が連続しすぎるとわけがわからんな。
旧呉海軍工廠 造船部 造船船渠だとわかりやすいか。
まあ要するに、戦艦大和や戦艦長門を造ったすごい場所ということである。
なお別になんのアポイントも取ってるわけがないので、もちろん遠くからドック内を眺めるだけである。
それじゃあ高いところへGO!!
おや、なにやら目立つ物体が見えてきた。
これはなんだろう?
これは『噫戦艦大和之塔』。
大和を造り上げた造船ドックが見下ろせる高台に、先人の業績や慰霊、そして平和を願って作られたものだそうだ。
いやしかし250m越えの巨大船で27ノット(時速50km)も出せていたとは!
普通に今のコンテナ船よりも速いので、流石は当時の技術力の結晶である。
なお残念ながら戦艦大和の辿った運命は華々しいものではなかった。
大和ミュージアムの館長が言っていた「大和を有効活用出来るオペレーション能力が日本にはなかった…」という言葉が思い出される。
あの戦争は大和1隻でどうにかなるものではなかったとはいえ、色々と考えさせられるな……。
まあそれはそれとして、早速ドックを見てみよう。
海無し県出身としては、造船ドックなんてもう珍しすぎてワクワクである。
道路を挟んだ向こう側には乾ドックが2つ見えた。
1つは空っぽだが、もう一つではなにかの船を造っているようだ。
いやもうなんだかスケールが違いすぎて凄いな!!
周囲の車やクレーンがミニチュアのおもちゃに見えるデカさである。
いやしかしこれは一体何なんだろう……?
船ってこんな形だったか……?
!!!
そうか、これは上下が逆になっているのだ!
はぁ~~。船ってこんな感じにひっくり返して造るんだなぁ。
(でもこんな巨大なものをどうやってまたひっくり返すんだろう……?)
ベルマウス(引き上げたアンカーが収まるところ)の構造もこうやって見るとなかなか複雑だ。
丸い部分はなんとも言い表せない形だし、広がった部分は何枚もの鋼材を組み合わせているのがわかる。
こりゃすごい仕事だなあ……!
なお、さっきの看板を見るに、大和を造ったドックがあったのはここから左手側の領域である。
いやなんかもう建物に隠れてここからでは全く見えない。
ま、まあ上下逆になった珍しい船の姿が見れたし良いか……?
では見るものも見たし、帰るとしようか。
生もみじでも食べつつ。
いやしかし広島旅行、想像以上に楽しむことが出来た。
自分にとって遠い場所だった広島だが、今ではなんだか身近に思える。
きっとこれからは広島のニュースが流れたら、自然とそれが耳に入ってくる状態になることだろう。
自分の広島アンテナが起動したのを感じる。
こうやって自分の認識できる世界が広がっていくのだ。
フェリーを待つ間、先程とは逆側から造船所を眺める。
ん……?
あれは……!
さっき逆になってたやつ!?
いや、もちろんこれはさっきとは違う船のパーツなのだろうが、やはりこの規模まで造り上げても上下逆に出来る凄いクレーン(?)があるようだ。
まさかちゃんと最後に答え合わせまでしてくれるとは……
宮島といい呉といい、サービス精神がすごい。
いつになるかはわからないが、また来たいな。広島。
そんなわけで松山に到着し、自分の広島旅行は終わった。
旅行を決断した過去の自分に賛辞を送ろう。
久々に会ったバリィさんに挨拶をしつつ、次の長期休みを待つ日々が始まる。
ひとまずは長い仕事に耐えていこう。
次の旅行のために……!!(これだけが楽しみ)
次回へ続く!