携帯端末におけるフリッカーについて

日本語だとなかなか検索に引っかかりにくく情報も少ないけれど、逆に英語など海外の言語だと検索に割と出てきて情報も多く出てくる場合がある。携帯端末におけるフリッカー関連もそれに含まれるものの1つである。

※フリッカーとは
フリッカーは画面上に出てくる斜めに黒く走る帯状のものを指し、画面輝度を下げるほど強めに太く現れる傾向にある。有機ELの場合は焼き付き防止を行う関係上、黒い帯状のものを挿入することが多く、そのことがフリッカーが出る原因となっている。

●画面の前で動画機能を起ち上げてみよう(その際には撮影はしない状態にする)。そうすると斜めに走る黒い帯が見えてくるはず。それがフリッカーである。

少し見えづらいが、黄色い丸で囲ったような黒い帯状のものがフリッカー。明るさを下げると強めに出やすくなる。

このフリッカー、敏感に感じる人もいるそうで、そのような人にとっては眼を痛めたり眼精疲労を起こしたりなどの目にダメージを負うほどの症状が現れやすく、酷い時には眼科通いを余儀なくされることさえあるらしい(1)。実際にそのような書き込みがyoutube上では割と見られる(当然ながら日本語での検索だと全くと言っていいほど引っかからないので、英語で検索しなければならない。その場合、「flicker」や「PWM(*)」[それに関係することは後に述べることとする]といった単語を検索欄に入力するようにしよう)。

(*)有機ELにはフリッカーが出ないDC調光もあるが、ここではPWM調光の関わりのみを取り扱うこととする。

フリッカー対策としては液晶ディスプレイを採用した端末を使うのが一番だけれども、最近はタブレットを除き低スペック機にしか採用されない傾向にあるため、フリッカーに敏感な方にとってはこの点が悩みの種になっていると思われる(実際にそういう書き込みも見られる)。

しかし、そのフリッカーへの対策を採っているメーカーも存在し、その多くがxiaomiをはじめとした数多の中華メーカーとなっている。中華ではフリッカー絡みの問題に関心のある人が多いそうで、そのこともあって多くの中華メーカーが対策に乗り出している。その対策というのがPWM調光の周波数を大きく引き上げるというものである。PWM調光の周波数を引き上げることで完全にフリッカーを消し去るということはできないものの、人間の目では簡単にフリッカーを感知できない程度に調整をしているという。多くの中華メーカーはPWM調光の周波数を端末スペックの1つとして載せている場合がほとんど(2)で、その点において中華メーカーがいかにフリッカーの問題に対して大きな関心を抱いているかがうかがい知れるというものである。

例として、日本にも販売されているxiaomiの14 Ultraは1920Hzの、POCO F6 Proは3840HzのPWM調光に対応していると謳い、フリッカーフリーの認証も取得し目に優しいとアピールしている。

実際にフリッカーに悩まされている方からの中華メーカーへの評価は高い傾向にあり、その点だけでもフリッカー対策として中華メーカーの製品を選ぶだけの価値はあると言えるだろう。

端末を選ぶ際にはPWM調光の高いものを軸に置くことは目の健康に関わることのため本当に大事なことで、処理能力の高さ以上に無視できる要素ではないだろう。機種紹介でのホームページ上やカタログにも絶対に載せるべきだと思う。

(1)フリッカーに悩まされている方のコメントを見てみると、その多くがGalaxyやiPhoneシリーズ(有機EL搭載モデル)を利用していることが分かる内容となっている。ちなみにgalaxyシリーズに搭載されている有機ELディスプレイは当然ながら自社のサムスン製となっていて、そのサムスン製の有機ELはPWM調光がとても低いものが多く※、それが原因となって強めのフリッカーを引き起こしやすくなっているという。ちなみにiPhoneシリーズは有機ELディスプレイに関してサムスンから調達を受けているため、当然ながらディスプレイのPWM調光が低い仕様となっているのでgalaxyシリーズと同様にフリッカーが強く出やすくなっている。

●ちなみにサムスン製の有機ELディスプレイを携帯端末に使っているメーカーはサムスン、アップル、グーグル、ソニーの4社が挙げられるシャープもR9からサムスン製のディスプレイを採用しているという噂あり、ただ自社製の有機ELも評判が芳しくなく、中には目が酔うという書き込みが価格.com上で散見されるので恐らくPWM調光が低い仕様にしていると考えられる)。フリッカーに敏感な方は以上の4社とシャープは避けた方が賢明だろう。

また、上記に挙げたメーカーの共通点は本拠となる国や地域がいずれも西側陣営に属しているというところにあり、しかもシェアの高さなど世界的な影響力が非常に大きいものとなっている。そのことは西側陣営側が中華と比較して携帯端末でのフリッカーに対する問題の大きさを深刻にとらえていないことを物語る結果となっていて、そこだけを見てみると使う側の健康よりも自社の儲けを重視していると表現できるほどである。

日本の場合は上記5社のシェアがとても大きく(既に公表されている数字を全て足して少なくとも8割前後ぐらいはあると思う)、それだけにフリッカーに悩まされている人は割と多いのではないかと思っている。ブルーライトに関することは色々言われているのに、フリッカーに関しては何も言わないところが多すぎるし日本語での検索でもなかなか引っかからないほどなので、何かしらの闇を感じずにはいられないのである。

※大体240~480Hzほど。中華メーカーの端末の多くが1440Hz以上のPWM調光に対応していることを考えると、明らかに周波数帯が低く、目の健康を損なわせるほどの被害を世界各地で多く出すには十分すぎる数値である。
youtube上で検索してみると、フリッカーの出方を比較している動画がいくつかあり、PWM調光が低い端末は画面上に黒帯が大きめに走っていたりなどちらつきが非常に多くなるような構造となっている。

(2)中華メーカーはここ最近は有機ELディスプレイをBOEなどの自国製を積極的に使っていて、逆にサムスン製のものは一部を除きほぼ使用していない。その理由として考えられるのは自国製のものを積極使用することで世界的なシェアを拡大しようというところにあるだろうが、PWM調光の周波数が低いサムスン製のものを使わないようにすることでフリッカーへの対処をしやすくして長期使用でも目に問題が起きないようにする配慮もおこなうことの目的もあると思われる。

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