出発は"あわい"から
両耳にぶら下がったイヤリングは、揺れ動く存在だ。
からだの中心を貫く中枢と、東西の隅っこで揺れ動く両耳。
大地に根を張って動かぬことを誓った彼らのような存在がある一方で、いつまでも揺れている存在もあり続ける。
そのどちらが優れているかって?
そんな話がしたいんじゃなくて。
揺れ動くものと、深く深く根を張ったもの。
その中間に位置するわたし。
そのどちらも受け入れながら、存在を知りながら。
ひとつひとつ確かめるようにして、
片足を一歩踏み出す。
大切なのはただ一つ。
大地から片足を上げたとき、注意深くバランスを保つこと。
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