ハロウィンの夜
僕たちの住んでいる地域では、一昨年から子供会でハロウィンの仮装をして近所の家を回ることになっている。ひとつの班に4人、僕はもう6年生なので今年は班長をしなくちゃならない。近所の家やお店にはあらかじめ、お話がついているので僕たちは仮装をしてお菓子を貰いに行けばいいのだ。
「はい、それじゃあスタート! 陽が暮れる前にきちんと公民館へ戻ってきてください!」
お父さんやお母さんたちがニコニコしながら、僕たちに手を振って送り出す。お兄ちゃんはもう中学生なので、一緒にハロウィンに参加はしないらしい。『俺の分もお菓子もらってこいよ』と言っていたので、たくさんの家を回らないといけない。
それぞれの班があちこちに移動をはじめ、僕たちもあらかじめ言われた地域へと歩き出す。貰った地図にはお菓子をくれる家やお店に星印がついていて、そこならどこでも訪れることができる。
最初のお家の前にやってきて、僕は点呼を取った。
「番号〜」
ぴっ、と手を伸ばした僕に習い、下級生たちが並んで声をあげる。
「1!」「にぃ」「さん」「4!」「5!」
あれ?
班はみんなで4人のはず。それなのに、どうして5人いるのか。
「おかしい。ひとり、多いよ」
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