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テラノヴァ ゲーム体験を損なわないためのリソース点ヴァリアント
よくあるゲーム終了時得点として余ったリソースを点数に変換するというものがある。当然その効率は悪く、ゲーム中にリソースを得点化できるのであれば得点化したほうがよい。
テラノヴァにおいても3金を1点に変換するというゲーム終了時得点がある。
またテラノヴァはパワーという特殊リソースはあるものの、単一リソースによって成り立っているための行動を簡単に点数化出来る。
そして3金1点の終了時得点の点数効率が高く、ゲーム体験を損なうためヴァリアントを入れた方がいいというのが今回の趣旨だ。
ヴァリアント案
10金(=スコップ1つ+住居1つ分)で1点とする
5R目のラウンド点にスコップ2点が出た場合はそれを取り除き残りのラウンドタイルからランダムに1枚を5R目の得点タイルとする
パターン1 マジョリティ争い
以降すべての場合で得点に関わる種族の能力はないと仮定する。
現在以下の状態だとする。
5R目他プレイヤーパス済み
マジョリティ同率1位(同率は1名 = 10点)
後1つ住居を建てればマジョリティ1位
新たな町設立の可能性はない
所持金12金
ラウンド点は住居でもスコップでもない
ここから6金1スコップ+住居(=10金)でマジョリティ1位を獲得した場合
リソース点:4点→0点 (-4点)
マジョリテ点:10点→12点 (+2点)
マジョリティ同率1位から2位になったプレイヤーは-2点なので点差は1点も変わっていない。更にそれ以外のプレイヤーからは2点詰められている。
リソースを湯水のように使ったならともかく、ゲームの基本となる1アクションを行っただけでこの結果は馬鹿げている。
また別パターンを見てみよう。
パターン2 スコップ点
こいつは非常に単純だ。6金1スコップなのだから、差し引きゼロだ。つまりこのラウンド点では、ボーナスタイルかパワーアクションによってスコップを得た(フェアリーがいない場合)最大3プレイヤーのみが点数を伸ばすことができる。しかも4パワーが4金になることを考えれば、4パワー1スコップのアクションについては1点にもなっていない可能性がある。
そしてそれらを逃したプレイヤーはスコップを得るために点数を失わずに地形を変換できるにすぎない。
また、5R目にこのラウンド点が来た場合はより酷い。
パターン1で上げたシチュエーションでのマジョリティ争いでも、順位を上げることがプラスになる点は前向きだ。町設立のためにもプラスに働く。
しかしそうではないプレイヤーは、船舶レベルもすでにMAXであれば、このラウンドは何をしても点数が伸びないラウンドになる。
そうなると、点数が減らないことを活かして、他人の邪魔になるように地形を変換するのが最善になる。これはやる方もやられる方も楽しくはない。
最後にもう一つのパターンを紹介しよう。
パターン3 初手パスが正解
5R目
ラウンド点は住居
居住可能な地形はない(=スコップが必要)
ボーナスタイルはスコップ2金ではない
このラウンドの1手目に4パワー7金のアクションが使えない
新たな町を設立できる可能性はない
分断されマジョリティビリは確定している
船レベルは3
このラウンドは基本何をやっても点数が下がる。
(見逃しがなければ)唯一の例外が、ボーナスタイルで『2金、パス:住居1点』を持った状態で、1手目でパワーアクションでスコップを得て住居を建てることだ。
それ以外は初手パスが正解だ。
最終ラウンドでそれはないだろう。
テラミスティカはどうなのか
テラノヴァの元となったボードゲームであるテラミスティカも同じく3金1点が終了時得点になる。
しかしテラミスティカには3種類のリソース(金、労働者、司祭)があり、右側のリソースほど価値が高く、上位から下位へ一方通行の1対1変換が可能だ。リソースの価値に差があるため、1つの建築物に必要なリソースの『数』はテラノヴァよりも少ない。
さらに、テラノヴァのドルイドや発明家の宮殿右の能力を得られる恩恵タイルというものが存在していたり、マジョリティ点も18-12-6点となっており、得られる点数も基本的に多い。
それらにより、3金1点というのが、リソースはまだ残っているが有効なアクションがなくなってしまった場合の救済措置として成り立っている。
まとめ
上記に上げたパターンはもちろん今回あげるヴァリアントの必要性の説明に都合のよい状況をあげている。しかしパターン1マジョリティ争いで上げた例は普通に訪れるし、スコップ点のラウンドで6金1スコップが1点にもならないのは紛れもない事実だ。
これらは1点=3金というのが安すぎることにより起こる問題だ。3金でできるアクションは何もないのに、1点得られるのはナンセンスだろう。
そこで、このゲームの基本である
「1スコップを使い地形を居住可能な地形へ変換し住居を置く」
という行動を金のみで行った場合に必要な金額10金が余っているが、得点を得られる行動が残っていない場合の救済措置として1点を与える。というのがいい塩梅ではないかと思う。
また、上記のルールを入れることにより、スコップのラウンド点が6金を使った場合でも基本はプラスになるが、5R目に来た場合、前述の通り他人の妨害をするという行動が得点に後押しされてしまう。
5R目の得点がスコップ点だった場合、使用されなかった他のタイルからランダムに1枚引いて交換すべきだろう。
(そもそもテラミスティカではスコップ点は5,6ラウンド目には来なかった。ファミリー向けということでセットアップの簡略化を狙ったのだろうか)
陣取り特化に特化したゲームだからこそマジョリティを目指すことは常に選択肢であって欲しいし、リソースを点に変えるだけである最終ラウンドにおいてラウンド点を取る行動は基本的に正解なのが健全な状態だと思う。