探索4:街中にある珍しい名前のお地蔵様「高麗犬地蔵尊」
こんにちは、ツキです。今回は福岡県福岡市東区箱崎にあります「高麗犬地蔵尊」について紹介いたします。
箱崎の街の中、ふれあい通りと呼ばれる通り沿いにこのお堂は佇んでいます。また。同じ通りには「車僧観音堂」というお堂もあります。人通りは少なくないものの、その雰囲気からか立ち寄る人はあまりいなさそうでした。
境内はお堂と説明看板のみといたってシンプルな構造になっています。ただ、行った時は草木が結構茂っていたため頻繁にお手入れされているわけではないようです。
また、ご本尊は高麗犬地蔵尊となっています。なんじゃそりゃという感じですが、それについては後でご説明いたしますね。
さてこのお堂、なんといっても特徴的なのはやはり「高麗犬」という名前だと思います。読みは「こまいぬ」、すなわち神社で見かけるあの「狛犬」ですね。ではなぜそのような名前かというと、次のような少し面白い由来があるのです。
昔、この周辺は白砂青松の「千代の松原」という松原でした。そこには小高い盛土の古墳があり、無銘の地蔵堂が建っていました。(本堂前の博多方面行きの線路上に位置するそうです。)
大正13年、西鉄電車開通に伴いこの地蔵堂を移転することになりました。その際に、地蔵堂跡を発掘していると約2mのところに平らな大石、さらに2m余りのところに狛犬に似た異様にして巨大な頭骨が焼きわら灰とともに出土したといわれています。
出土したこの巨大な頭骨は丁重な壺に入れ、新しい地蔵堂の地中深くに埋葬しました。その時に、名僧某により高麗犬地蔵の御尊名を献上、改めてご奉仕したそうです。
このように、こちらの地蔵尊は狛犬のように大きな頭骨が出てきたというにわかには信じがたい由来のスポットでした。実際のところ真偽のほどは定かではありませんが、このような由来が残っているくらいですからなにかしらはあったことは確かでしょう。何よりもお堂の下にそのような物が埋まっていると考えると少しワクワクしますね。
また、こちらのお堂は夢野久作の「犬神博士」という小説のきっかけとなった犬神の祠だとも言われているそうです。こちらも真偽のほどは定かではありませんが、夢野久作の出身が福岡県福岡市ということ、「犬神博士」は「福岡日日新聞」に連載されていたということもありなにかしら関係があってもおかしくはないような気がしますね。
さて、それでは今回は狛犬のような謎の頭骨が由来のお地蔵様「高麗犬地蔵尊」の紹介でした。ここ周辺には筥崎宮が近いということもあり、神社や仏堂も色々あるので参拝ついでに足を伸ばしてみるのも面白いかもしれないですね。
今回もご覧いただきありがとうございました。ここのことが少しでも記憶に残っていただければ幸いです。また次回もよろしくお願いします。