「自己破産」と言う名のスタートライン
弁護士事務所の帰りに
空を見上げる。
空は広い。
世界中どこまでも繋がっている、
空は世界のどの地上から見ても同じ空だ。
「あー、この空は故郷で見る空と一緒なんだよなー。」
ふーっと、空に向かって大きく息を吐く。
「この息は母に届いてしまうのかな。だとすると、今の私の状況が母にバレてしまう・・・。」
母は、都会で頑張っている娘がこんな状態でいることなんて想像もしていないだろう。
母はいつも、100%私のことを信用してくれている。いつでも私を応援してくれている。
私は口ではうまく言う。
「大丈夫だよ。心配しないで。」
とんでもない!
いい歳をして、今、社会の底辺、人様に迷惑をかけている。
どこまで私は親不孝なんだろう。
この8年間を清算しよう、
私は結局、全てを無くさないと分からない人なんだ。
また1からやり直そう、
もう一度人生をやり直そう、
何回やり直せば気が済むんだろうか・・・。
私が生きる意味は何なんだろうか・・・。
早く天に昇りたい。
早くあなたのそばに行きたい・・・