たった2年滞在したあの地の思い出が蘇るたび、 声をあげて「わーん!」と泣き叫びたくなる。 幸せだった。 幸せすぎた。 しかし運命は逆行し、 瞬く間に幸せが崩れていった。 誰も悪くはない。 誰のせいでもない。 みんなが自分の運命に翻弄されているから。 運命に流れがあるのなら、 逆らうことなどできないのだろう。 私には力がなく、流れていくしかなかった。 流れの中で必死にしがみつき、 大切な者を守り、 自分の使命を果たすのに必死になった。 もし自分がどんな運命
「今日は自分が生きる最後の日」 いつからか、そんな風に思い この文字が部屋の壁に貼ってある。 急に旅立つ時がくるかもしれない。 でも一方で、旅立ちたくてもそれが出来ない時があるかもしれない。 「立つ鳥跡を濁さず」 できたら人に迷惑を掛けたくないが 人は生まれた時から誰かのお世話になっている。 人に迷惑をかけたらいけない、なんて きっと出来ないんだろう。 「神様、いつでもどうぞ私を迎えに来てください。」 自分があの世に旅立つ日は、自分で決めていると聞いたことがあ
「もう会わない」と決めても、 また会ってしまう。 別れた後の空虚感が、心を締めつける。 一人で帰る家は、やっぱり淋しい。 でも、これ以上好きになったら、 もっと苦しくなるに違いない。 間違ってはいけない。 彼は他の人のもの。 大切な家族がいる。 決して私のものにはならないのだ。 人の家庭を壊すなんて、私にはできない。 彼の家族の涙を見せるわけにはいかない。 彼が大事にしているのは、彼の家族なのだから。 そう、これはただの私の妄想に過ぎない。 彼が私を愛するはずがな
今日は「嘘」で乾杯だ。 私は本当に騙されやすい。 これもまた学びだ。 人をすぐに信じてしまう。 素直で正直者、嘘がつけない自分。 ビジネスパートナーだと思っていた人から、 一方的な別れを宣告された。 「愛」だの「社会貢献」だの、 素晴らしい言葉が並んでいた。 私は彼女を尊敬していたし、 これからもずっと繋がるつもりだった。 だが、突然の別れだった。 信じられなかった。 結局、彼女はお金のために、 私の周りを狙っていたのだ。 私は用済みになった。 久しぶりに落ち込ん
取調室の壁は白だった・・・ 警察に保護され、署の中を「こちらへ」と案内され、 たどり着いたところは、入り口の壁に「取調室」と書かれてあった。 ここか・・・ 少しだけ部屋の中をぐるりと見まわす。 窓は高く、壁は白。白のおかげで、部屋の中は暗いイメージはない。 机と向かい合った2つのパイプ椅子。 冷たく寂しさで溢れ、温かみが全くない部屋。 通常、悪いことをして捉えられ、送り込まれる先は まずこの部屋なんだな。 そう思った。 ここで色々と事情聴取されるんだ。 まさか
弁護士事務所の帰りに 空を見上げる。 空は広い。 世界中どこまでも繋がっている、 空は世界のどの地上から見ても同じ空だ。 「あー、この空は故郷で見る空と一緒なんだよなー。」 ふーっと、空に向かって大きく息を吐く。 「この息は母に届いてしまうのかな。だとすると、今の私の状況が母にバレてしまう・・・。」 母は、都会で頑張っている娘がこんな状態でいることなんて想像もしていないだろう。 母はいつも、100%私のことを信用してくれている。いつでも私を応援してくれている。
8年前、 生きていく意味を見失った私は もう命なんかいらない、死んでしまった方がましだ、 一人になって生きる価値なんてどこにもない、 と保護された部屋の片隅で、 ずっと目を瞑り 「なんでこうなったんだろう」と自分に問いかけていた。 普通に真面目に、家族の為に、会社の為に、 それらを必死に守り続け、どの方面にも抜かりが無いように、 完璧にこなしてきたつもりだった。 自分でいうのも何だが、私は元来、真面目で素直で誠実で、 嘘もつけなくて、頑張り屋で努力家、 そんな自分が
問題行動をおこした子供がいたら、起こした問題を追及するのではなく、 必ずその後ろにある、その子の背景を見てあげる事。 そこが重要です。 多くの人が、目の前の問題だけを取り上げて追及していきますが、 教育者はそれでは失格です。 「すべての問題行動は、愛の欠乏」 これは子どもだけでなく、大人も一緒。 妻の愛が不足したら、キャバクラに走る夫たち。 夫の愛が不足したら、買い物三昧する妻たち。 足りない愛を、お金やモノで埋めようとする大人たち。 もっと言えば、植物も動
真実はこれだけ。 私は4人の子供たちを全力で愛し、全力で守ってきた。 今もその気持ちは、この数年間どんな状況にあっても何も変わらないし、 私が死んでも変わらない。 ずっとずっと続いていく。 そして私は、あなたたちがいつも無事で健康で笑顔でいられるように毎日祈っている。 真実は変わらない。 真実はそれだけ。 ミイちゃんには幸せな結婚をしてほしい。 どうやったら幸せな結婚ができるか? それは相手の背景まで愛すること。 相手の両親・家族はもちろん、相手の生まれた土