恋の妄想
「もう会わない」と決めても、
また会ってしまう。
別れた後の空虚感が、心を締めつける。
一人で帰る家は、やっぱり淋しい。
でも、これ以上好きになったら、
もっと苦しくなるに違いない。
間違ってはいけない。
彼は他の人のもの。
大切な家族がいる。
決して私のものにはならないのだ。
人の家庭を壊すなんて、私にはできない。
彼の家族の涙を見せるわけにはいかない。
彼が大事にしているのは、彼の家族なのだから。
そう、これはただの私の妄想に過ぎない。
彼が私を愛するはずがない。
私はただ遊ばれていただけ。
結局、私がいい気になって、恋の幻想を描いていたのだ。
思えば、私は昔から、退屈な時に妄想をしていた。
妄想は私をいろんな場所に連れて行く。
一時の不安や無感情も、どこかへ消えてしまう。
妄想が終わると、現実に戻る。
今回もそれと同じなのだろう。
でも、時々考える。
この彼への気持ちは本当か?それとも嘘か?
こんなにも彼を忘れられない。
彼は優しいし、心遣いがある。
私の話をよく聞いてくれる。
彼の声のトーンは低く、落ち着いていて、
私にはとても心地よい。
この経験の先には、何が待っているのだろう?
何が私を待ち受けているのだろう?
彼を苦しませてはいけない。
もう彼を求めるのはやめよう。
忘れよう。
できるだけ連絡を取らず、
会わないようにしよう。
遠くから見守ることにしよう。
大きな愛で彼を包もう。
私は神だけを愛する。
大いなる者だけを愛する。
神様、どうかそうさせてください。