【cinema】エタニティ 永遠の花たちへ
2017年73本目。
トラン・アン・ユン監督作品。彼の作品を見たのはもう何年前なんだろう。ベトナム系フランス人の彼が切り取ったベトナムの日常はたしかに絵画を見ているようだった。
そして、この「エタニティ」を見て感じたこと。現代から五代前にさかのぼっての19世紀のブルジョワ家庭に生きる女性たちを描いた物語。ほぼナレーションでストーリーは進み、会話らしい会話はほとんどない。こんな映画も久しぶりだ。とにかく絵画(どちらかというと中世の頃のそれ)を見ているかのようなのだ。そして、感覚としては、「時代遅れ」。女性観とか結婚観とか全てが今と違うということ。それを思い知らされる。親が決めた相手を愛し、子供を多く産み、女は男に傅くのが当然だった「古き良き」時代。私にはそれが受け入れられなくて。きっとこの映画が言いたいことはそんなことではないはずなのに、半ばムキになって、何でこんな内容の話なのさ!と思ってしまった。
映像はね、とにかく綺麗。すごーく優雅で、子供たちはみーんないい子で、キラキラしている。イメージは、全体的にパステル調のピンクで彩られている。また、庭の緑が美しい。全体的に暖色の光が心地よくて、その青緑とのコントラストが素晴らしく、映像美としては言うことなし。ですが、ストーリー性をここに求めてはダメなのです。なのに、ラストでグイ!と現代のフランスカップルが映し出され、とても感傷的になってしまう自分がいて。ああ、こうやって今の私たちは在るのかと。
マチルド役のメラニー・ロランがめちゃめちゃ綺麗で、それを見るだけでも満足な人はそうかもしれません。でも何度も書きますが、私はこれに別のものを求めすぎてしまったので、それ以上の評価はできません。俳優陣も多分演技どうこうというより、トラン・アン・ユンの作品に出たかったのかなと。
はい、サッサと次のレビューいきまーす。
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