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【cinema】ボルドーの領事

6月に見た映画の感想…EUフィルムデーズにて。

ドイツのオスカー・シンドラー、日本の杉原千畝と並び、イスラエルから「諸国民の中の正義の人」という称号を与えられたアリスティディス・ソウザ・メンデスは、第二次世界大戦中の在ボルドー ポルトガル領事でした。ソウザ・メンデスはポルトガル政府の命に背いて、ユダヤ人その他の人びとにビザを発行し続けた人物です。帰国後は不遇の晩年を送ったソウザ・メンデスでしたが、死後、イスラエルより顕彰され、ポルトガルにおいても正式に名誉が回復されました。 そのソウザ・メンデスが迷いの末にビザを発行する決断を下し、次々と襲う困難に立ち向かう姿を描いた映画。(何かポルトガル領事館かどこかが紹介しているあらすじを一部修正し、転記)

杉原千畝さんと同じく、彼の末路は悲しい。1954年極貧の中、死んでしまう。領事の職を解任させられた後は不遇の人生を送ったのでしょう。名誉回復が1988年てどういうことよ。でも日本政府も同じようなことしてきたからな…。

ポルトガルの第二次大戦時の立ち位置。スペインと同盟を結んでいて、中立の立場をとる。あくまで、中立。だからこそなのか、ユダヤ人やフランスを出たいという人々にビザを発行することは禁じられていた。それを何とかしようと奮闘したのがこのソウザ・メンデス領事でした。

とはいえ、この映画、彼がメインの話かと思いきや、ユダヤ人少年アーロンとの交流だったり、そのアーロン少年が80才近くなった今、生き別れの姉との再会するとかいうエピソードが加えてあって、あまり彼の偉業にフォーカスされているわけでもなくて、少し主題がボヤけたかなぁと思います。え、主人公はアーロンだったっけ、みたいな。行方知れずになった姉を捜す辺りは、何か別のサスペンスストーリーを見ているかのようでした。それはそれで興味深かったけれど。

それでもこういう事実があったことすら知らなかったので、そういう意味で見てよかったなと思いました。きっとあの時代、官僚主義、お役所仕事で物事を片づけるのではなく、彼らのように自身の主義信念を貫いた人々は少なからずいたんだと。同じような状況とはいかずとも、そういう事が起こった時に私もそういうことが当たり前にできるような人になりたいと思ったのでした。

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