【cinema】最高の花婿
わー、2週間も前に見た映画の感想を書かなきゃだ。先々週の日曜日、3本見たうちの最後の1本です。わりとシリアスなのを立て続けに見たため、最後はマイルドに締めくくりたいと思い、コメディを選んだのだけど、そのマイルドな中に辛辣さがあって、なかなか面白かったです。
ロワール地方の町シノンに暮らすヴェルヌイユ夫妻は信心深いカトリック教徒で、3人の娘がそれぞれユダヤ人、アラブ人、中国人と結婚。これから結婚する末娘には、せめてカトリック教徒と結婚してほしいと願っていた。そんな末娘のボーイフレンドは、カトリック教徒だと聞いて安心していた夫妻だったが……。(映画.comより転記)
これ、当事者じゃないから笑って見ていられるのかなとまず思いました。よほどリベラルな思想の持ち主でないと、自分の子どもたちが全員異なる宗教を信仰する相手と結婚なんて許せないだろうと。でも今の時代ならもしかしたら自分の身にもあり得ること、だからフランス本国では1200万人もの動員数になったんでしょう。
この映画のいいところは、最初は許せないながらもお互い文句を言いながら、思いを吐き出しながら、歩み寄っていく様が描かれているということです。これ、日本人ならとても難しい。これに限らず、文句を言うなら本人に言えよっていうこと多いし、私たち日本人。
そして、頼みの綱の四女の相手はカトリック教徒だけど、コートジボワール人のシャルル(名前はフランス風)…。とうとう母親はセラピーを受けるまでになるし、父親も自暴自棄になってしまう。また面白いのが、そのシャルルの父親がフランス嫌い(植民地時代からの恨み)で、母親と妹がわりとリベラルな思想の持ち主ということです。
まぁここからが映画ならではで、組んず解れつしながら最終的には父親同士が誤解を解くことでめでたしめでたしなんですが、ともすればタブーになりがちな偏見で埋め尽くされているこの映画。いや、憮然とする人いるんじゃないですかね、実際。コメディタッチだから許されるのであって、シリアス調であればこんなふうに見られることもなかったかもしれない。それくらい今のフランスのイタイところを突いていると思うのです。
って長々と書いたけど、誰でも楽しめる、わかりやすい映画なので、ぜひ見てほしい。フランス映画は難しいからと決めつけている方もこんなのあるんだって思ってもらえると思います。
あと、四人姉妹が超絶美人揃いで、目の保養になります。ご両親、こんな素敵な四人の娘に恵まれて、ホントに幸せだよって言いたいです。
とにもかくにも女性はどの世代も現実的で前を見据えてるけど、男性はそうはいかず子どもっぽいところがあって、ウダウダするけど、いざ腹を割って打ち解けると、その関係は女が思うよりも強固になるのね。
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