
【cinema】黒猫・白猫
エミール・クストリッツァ!久しぶり!
と思わず彼に言ってしまいたくなるくらい、その作品は懐かしさを感じてしまうのと、人間臭さと動物愛に満ちあふれていて、それでいてある種の鋭さもあって、私は彼の作品が大好きです。
そして、音楽がいい。一つひとつのカットがいい。登場人物誰もが憎めない。
話は簡単に言えば、ジプシーのドタバタ結婚劇なんだけれども、冗談でしょ?みたいなシーンばかりで、一種のどぎつさもあるし、苦手な人は苦手かもしれない。ドンチャン騒ぎが大好きで、酒やギャンブルに塗れていて、ドラッグにディスコミュージックにもう何でもありの破茶滅茶さだけど、筋は通っていて、全く嫌味がない。その笑いにウケ狙いは一切ないし、ジプシーの人々の自然な姿が描かれているんだなぁと思う。
「アンダーグラウンド」もそうだけど、彼独特のファンタジックな世界観を併せ持っていて、それが観る者を魅了するんだろうなと思う。
初めてアンダーグラウンドを見たときは衝撃だった。ユーゴ紛争をあんなに笑い飛ばして、でもひたすら哀しく描いたドタバタ映画なんて皆無だったから。これから先もそんな作品はないだろうと思う。
この「黒猫・白猫」は一般上映された時はまだ学生だったので時間とお金の都合で見に行けなくて晴れて劇場で観ることができて、とても嬉しい。
彼の作品はやはり愛で溢れていた。
叙情的に見えて、一番エグいシーンがポスターになってる…
ザーレとイーダのカップルがカワイイ。
ただのバカでもないろくでなし親父マトゥコ
コイツなしではこの映画はありえない新興ヤクザ、ダダン
このじいちゃんコンビ大好き!
一緒になれて、ヨカッタネ。