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激情と、憐憫と、兄弟の血のつながりと。

ベルヒカ」ベルギー🇧🇪

どうしてこんなに感想が追いつかないのか考えてみたけれど、そりゃ見て3ヶ月以上も経てば、その時の感動は薄れてますよね。それでも私は書き続ける。記憶の限り…。

カフェを改装しナイトクラブをオープンさせた兄フランクと弟のジョー。やがて町一番の人気スポットとなったそのナイトクラブの存在が、2人の絆に思わぬ影響を落とすことに。(イベント公式サイトより転記、名前等加筆)

こちらは、ベルギー映画で、テンションの高低でいうと、始終ナイトクラブで流れる音楽のせいもあって、高め。だけど、そこから落ちる時の落ちようが激しくて、見ている者は、躁鬱状態にでも陥ったかのようになる。

物語の最初は、気ままな根無し草の弟ジョーに、妻の要望に応え、堅実に自営の仕事に専念する兄フランクと、兄の方が冷静かと思いきや、いざナイトクラブの経営が成功し始めると、兄の方が振り切れて、見ていられなくなる。弟はいつだって、そんな兄を見つめながら、冷静だ。

暴走する兄を諌める弟。いつのまにか立場が逆転している。境遇は違えど、既視感がある。どこで聞いたことのあるような話だ。

私は三人姉妹の長女なんだが、この(一番)上という立場は、少なからず何かを抑えて生きてきたと思うのだ。だからと言って、兄フランクに共感できるかと言うと、全くできないのだけど。

それでも、こんな風にフランクが振り切れてしまったワケは、わかるような気がする。もう何しても大丈夫だろー!みたいな気持ちになっちゃうよね。

ところで、弟ジョーは、片目が不自由で、そのせいもあるのか、女運がない。さっきも書いたけど、昔から根無し草状態で、下の子特有のかわいがられ方もしていて、そうであっても仕方ない、と周りから思われている。全てがフランクとは正反対なのだ。

だけど、内に秘めているものは強くて、いざという時に決断できるのは、弟の方で。

うまくいっていたかと思われたナイトクラブの経営は、好き勝手やってきた兄のせいもあり、綻びを見せ始めて…。

厳しい眼差しの弟や仲間たちに、感情を爆発させる兄。

それを憐れみながらも厳しく制した弟。

それでもこの兄弟の良いところは、互いに見捨てはしないということだ。血の繋がりって、そんなものなのかな。

あとキーポイントは、フランクの奥さんだったかも。弟ジョーは、セフレみたいな彼女にはフラれてしまうけど、フランクの妻は、どんなに夫が暴走しても最終的には赦していた。

全然レビューになってないけど、一言で言うと、実は「普通」。可もなく不可もなく。

そう言えば、この映画に使われている音楽はソウルワックスというアーティストの書き下ろしばかりで、音楽がカッコイイと評判だったらしいのですが、私にはイマイチ響かず…。多分、音楽シーンに明るい人なら響くはず。

さー、次々書かなきゃ。この二日間、なら国際映画祭で6本観たもので…。全く追いつかず…。

2018年65本目。EUフィルムデーズ、京都文化博物館にて。

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