中年ダメオヤジの自分探し物語、なのか?
「メイド・イン・イタリー」
やっと!やっと!今年のイタリア映画祭のレビューを書き始めます。
リコは精肉工場で働く中年の労働者。グローバル化の影響で工場を去らざるを得ない同僚が出る中、解雇されることもなく、妻や友人たちとの関係も良好で一見幸せに見えたが、実は心の空虚感を埋められないでいた。心機一転を図ろうと、友人たちとローマへの旅に出るが、ローマでの出来事が思わぬ事態を招く。(公式サイトより転記)
わたし、このリコ役の俳優ステファノ・アッコルジの顔が好きで。彼だから見に行こうと思ったのかもしれない。↓コレね。
ほんでですね、この本作は、唐突にこのリコ役のおっさんが、サタデーナイトフィーバー並みの衣装で歌って踊るところから始まるんですが、全然実際のリコの雰囲気とは違っていて。
何や、このオープニングシーンは⁉︎ と最初から面食らう。
彼の歌っている歌がこの映画の監督であるルチアーノ・リガブエ本人の曲とのこと。彼はイタリア本国では超人気シンガーソングライターで、日本で言うと加山雄三とか桑田佳祐みたいな感じだそうです。(テキトーやけど、そんなイメージ。この真ん中の人がリガブエです)
この映画自体、特殊で、まずそのリガブエのMade in Italyっていうアルバムが出来て、それが元になって出来た映画とのこと。歌詞のところどころにイタリアの地名やら、国の現在を嘆いたり、賛美したりが表れてる。
でも、私はこの映画が、あんまり好きになれなくて。というのが、どこまでも彼の自己満の塊にしか感じなかったから。リコの独りよがりというのか、どこにも共感できなくて。
それとも私がイタリア人じゃないから理解できなかったのかもしれない。よくアメリカ映画を見ていたら感じる、アメリカ人たるものは…みたいな空気を感じたような。いや、イタリア人なら誰もが共感できる…のか? それともオトコなら「理解る」のか…?
妻のサラとはうまく行ってなくて、職場の同僚と浮気しまくりで、息子はいい年して家が大好き人間で離れようとしない、自分もいつリストラされるかわからん、そして信じていた友人にはショッキングなかたちで裏切られて…。
ところどころ楽しそうなシーンが挟まれるのに、めっちゃめちゃ吹っ切れた感じの内容でもないし、どちらかというとウジウジ悩む中年オヤジがひたすら描かれてるんですわ。
で、で、で、何が言いたい⁉︎
と問いたくなる感じの内容。
せっかく、アッコルジやカーシャ・スムトゥニアック(ここ最近のイタリア映画イチオシの女優さん)が出ているのに…何かもったいない。
きっとこのリガブエって人はイタリアがだーいすきなんです。大好きすぎて、イヤな面もたくさん目の当たりにして、そういうのもぜーーんぶ詰め込んで、えい!一人の男の半生をイタリアという国に映し出して、映画にしちゃえ!って感じ。
「イタリアが、スキ、キライ、スキ、キライ…」って、とっ散らかってる感がすごい。
リコに何とか共感したい、けども、私はどうしても現実主義の彼の妻サラにしか共感できなかった。何がどうしたって、彼女の気持ちの方がわかる。彼女の心の叫び声は、「アンタ、いい加減目を覚ませよ!」だったと思う。
イタリア映画祭の出だしがそんな感じでした。
はい、次行かなきゃ20本以上ためてるので!
2018年50本目。イタリア映画祭にて。
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