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ネバー、ネバー、ネバー、サレンダー!

ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男

チャーチルは、政界でも嫌われ者、「過激な男」として名を轟かせていたようだ。しかし、タダの口だけ男ではない。彼の口から、キケロやホラティウスの名が出てきたように、古代の知識人の言葉を引用しながら、大きな決断をし、道を切り拓いてきたと感じた。それは、映画という媒体だからこそ、ドラマチックに仕上げているだけかもしれないけれど、それでも今こんな政治家がどれほどいるのだろうかと思う。

日本の今の政治なんて、私たち一般市民に聞こえてくるのは、クソ(失礼)みたいな応酬ばかりだ。(そうでない政治家もいるということを切に願う。いや、それともメディアに煽られているだけなんだろうか)

そんな話はさておき。話題になったのは、ゲーリー・オールドマンが念願のオスカーを本作でゲットし、その一端を担ったのが、日本人アーティスト辻一弘氏のメイキャップによるものだということ。辻氏もこの作品でメイキャップ賞を受賞した。それも勿論映画を見ることになったキッカケの一つだ。

第2次世界大戦初期、ナチスドイツによってフランスが陥落寸前にまで追い込まれ、イギリスにも侵略の脅威が迫っていた。連合軍が北フランスの港町ダンケルクの浜辺で窮地に陥る中、就任したばかりの英国首相ウィンストン・チャーチルの手にヨーロッパ中の運命が委ねられることに。ヒトラーとの和平交渉か徹底抗戦か、究極の選択を迫られるチャーチルだったが……。(映画.comより転記)

正直に言うと、予告編だけで、この映画の「見せ場」は、押さえられていると思う。彼が、決断するその時を予告編は切り取っているからだ。だから、予告編以上の盛り上がりを求めると、うーむ、となるのかもしれない。

というわけで、私はこれから見ようとしていた母には思い留まらせた。(全然オススメしてないですね)

いや、良い作品なんです。チャーチルの人となりを、あの当時のイギリスの立場を知るにはもってこいの作品。世界史を勉強している高校生も見たらいいんじゃないかな。でも「娯楽作品」として味わうには、もっとこうパンチが必要というか、歴史的なバックグラウンドを知っておけば味わい深くなるものの、話題性だけで追いかけたら期待外れになっちゃうのかな、と。いや、ゲーリー・オールドマンの迫真の演技は素晴らしいんですが。

この映画を見る前に知っておいた方がいい人たち、キーワード(Wikiとリンクさせておきます)

ネヴィル・チェンバレン

英国王ジョージ6世

ダイナモ作戦

ガリポリの戦い
←第一次大戦の話だけど、チャーチルが指揮をとっていて、これが失敗に終わり、失脚。首相就任前後は、この事で首相不適格ではないかとやたらと責め立てられ、何度もこの言葉が出てくる。

とはいえ、一人の政治家の約1ヶ月の決断に至るまでをつぶさに描く作品となれば、素晴らしくて、こういうのも含めてエンターテインメントなんだろうなぁと思う。英国議会の様子が映し出されるシーンなんかは、絵画か演劇を見ているかのような感覚だった。

それにやっぱりフィクションのシーンといえども、市井の人々の思いに鼓舞され、チャーチル自身も奮起するシーン、「Never! Never!」のところは観客も奮い立たされるものがありました。

その後、順風満帆に事が進んだかというと、戦勝するまでには多難の道のりだったわけだけども。それでも屈するのとそうでないのとでは、全く世界は変わっていただろうなと。

で、また副題に「ヒトラー」様々のお名前が出てきていますが…。もう出さなくても皆がその作品を見たいと思ってもらえる日が来るといいなぁと思います。

2018年32本目。TOHOシネマズ西宮OSにて。

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