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くり返しじゃなく、一度で全てを感じろ「神のみぞ知る」復讐物語。

レヴェナント 蘇りし者

これは、自分から見ようと思って見たものではありません。とある事情から、オススメだと言われて見ることになったものですが、本当に夢中になって見ました。何をもってして、私はこれをスクリーンで見ないという選択をしてしまったんだろう…。

そもそもディカプリオの映画を見るのが、これで2回目なんです。あんなにたくさんの映画を見てきているのに。しかも「タイタニック」や「ギルバート・グレイプ」という有名作品でもなく、超インディーズの「あのころ僕らは」とかいう映画だよ、前に見たの。15年以上前ちゃうか。

ということはさておき。この作品はディカプリオが念願のアカデミー賞主演男優賞を受賞したもの。アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督作品。っていう前振りも置いといて。

私がこの映画をなぜ観に行かなかったのかを、ずっと考えていたんですけど、予告編も何度も見ていたし、ホントに思い込みで、息子を殺された父親の復讐物語なんでしょう?くらいだったんです。それが間違いだったのか。

でもたしかに他のレビューを見れば、復讐物語に157分は長い、と書かれていたりもする。

それでも公開時に見ておらず、悔しく思ったのは、この大自然の迫力をテレビ画面でしか見れなかったことです。これこそスクリーンで見るべきだったと。

それと、これが単なる復讐物語というよりは、様々な背景がかさなり、ストーリーを重厚に仕立てているということです。

舞台は1800年代のアメリカ。アイルランドやフランスからの入植者たちは徒党を組み、ネイティブ・アメリカンの土地を荒らしながら、カネになるバイソンの毛皮狩りに勤しんでいた。その一団のガイド役になっているのが、レオ扮するハンター、ヒュー・グラス。彼にはネイティブ・アメリカンの女性との間に息子が一人いて、その息子と共にガイドしていたが、彼をよく思わない輩もいた。それがトムハ扮するフィッツジェラルド。グラスは道中、熊に襲われ、大怪我を負ったことから、その一団を離れることになり、彼の看取り役を買って出た一人がフィッツジェラルドだったが、彼の狙いは報奨金とグラスの命で…。

ホントはベジタリアンなのに、生魚や動物の臓物をバクバク食らったり、生暖かい毛皮の中に身を潜めて暖をとるレオもすごいと思ったんだけど、レオの敵役になるトム・ハーディがそれを上回るほどのゴツさ、憎らしさで一杯で。彼なくしてこの物語はあり得なかったかと。

また、このトムハと行動を共にし、レオを看取ろうとする下っ端っぽいブリジャー役のウィル・ポールターがいい。彼は「デトロイト」で憎っくき白人警官をこれでもかと演じてますが、このレヴェナントでは、心やさしき青年なんですな。先にデトロイト見てるから、そのギャップが、何とも言えない。

それと、見ながら思ったのは、単にネイティブアメリカン対白人入植者っていう構図も違ってて、部族の争いもあるし、入植者同士の諍いもある。そもそもグラスとネイティブアメリカンの妻の馴れ初めは語られていない(と思ったけど見逃した?)から、そこもっとツッコんでほしかったよ。それに、もっと近代アメリカ史を知っていたら、面白さも倍増なんだろうなと思いつつ、知識欲はかき立てられ、色々調べたりしました。

よくわからなかったのが、狩猟部隊がまだ元気な頃から、何度かフィッツジェラルドがグラスに向かって、お前、あん時こうしただろ?お前のせいだろ的なことを言うんですね。で、フィッツジェラルドはグラスが信用ならない。その辺りがちゃんと理解できてなくて。

もう一度見たら、わかるんだろうけど、もう一度見る心構えが、ない。すっごいド迫力なんだけど、何度も何度も見たい映画ではないかな…。でもすぐに思い返せる、あの広大かつ荒涼とした雪景色。こちらにまで伝わってくる凍てつくような寒さ。

で、「復讐物語」のことを語っておくと、レオはその復讐心だけで、死にそうになりながら蘇り、蘇りを繰り返してきたと思うんですが、最後に、あらっ、そーなの、そゆこと?という感じなのです。

あんなにも復讐の炎でメラメラだったのに、いとも簡単に自分で納得させてしまうの、と。自然に、神に委ねることこそ意味がある、とでも言うのか。てか、グラス、あの時助けといて、よかったね!と言いたい。最終的には、それに尽きる…。

あれ、この映画を褒めたかったのに、ディスってる?いえいえ、そんなことはございません。できることなら大画面で見たかった。

で、この映画にひき続き、私が選びもしない作品をちょいちょい見ていくのには、ワケあってのことなんですが、たまにはそういうのもアリだと思いました。えー、イヤだ、私そういうの見ないし、って毛嫌いせずに、オススメされたものを見るのって、逆にあまりない経験なので面白かったです。映画フリーク歴約20年でありながら、今更ですけど、私にとっては、自身の映画ライフをより充実させるキッカケとなったのもこの作品かなと。

この映画ばりに長いレビューになりましたが、アラ、中身がない。拙い文となりましたが、一見の価値アリな作品です!!!

2018年31本目。Netflixにて。

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