【cinema】ハートストーン
2017年61本目。アイスランド映画🇮🇸
わわわー、これ見たのいつだ?
昔すぎてストーリーうろ覚え。というのは半分冗談ですが、最近見る本数が加速しすぎて、全く処理できていない。とうとうレビュー残が30本を超えた…。
思春期をむかえた少年少女たちの繊細な感情を描いたアイスランド製作の青春映画。東アイスランドの漁村に暮らすソールとクリスティアン。幼なじみの彼らは、何をするにも一緒という大親友だ。思春期にさしかかり、ソールは大人びた美少女ベータに夢中になる。そんなソールの気持ちを知ったクリスティアンは、ベータとの仲がうまくいくよう後押しするが、内に秘めたソールへの特別な感情に気づき当惑する。ソール役に本作で俳優デビューを果たしたバルドル・エイナルソン。クリスティアン役にブラーイル・ヒンリクソン。(映画.comより転記)
とにかく映像がとても綺麗。アイスランドの自然が少年たちの目を通して描かれていて、残酷だけど詩的なシーンもあったりして(特にカサゴが泳いでるシーン)、そこだけは救い。というのは、このド田舎とも言えるアイスランドの自然が、少年たちにとっても長くそこに住む大人たちにとっても閉鎖的で窮屈でしかないから。
都会に住んでいたり、異国に住む私たちからすると、何とも牧歌的で、平和な感じなんだけど、彼らにとってはそうではない、ということが映画を見ていたら伝わってくる。とにかく子どもにしても大人にしても、周りからの「目」=視線を必要以上に気にして過ごしている。これは、どこの田舎でも同じなのかも。
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思春期の恋のめざめをテーマにした映画なんて、今まで幾度となく見てきたけれど、この映画のポイントは、主人公ソールの気持ちはもちろん、彼中心で表されているけど、ソールを好きになってしまうクリスティアンの目線で、ソールが描かれるところ、何かドキドキしてしまうんだよね。人を好きになるってこういうことなんだなって改めて思う。誰にも言えないその気持ちを、周りが見抜いてしまった時。知られてしまった時。ソールの姉たちは「理解」した。クリスティアンの父は、息子を遠ざけようとした。絶望に打ちひしがれたクリスティアンのとった行動は必然でもあった…。
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ハートストーンってどういう意味なんだろうと、ネットサーフィンして調べてみた。
アイスランド語の原題”Hjartasteinn”を直訳すると”Heart Stone”で、Hjartaには”温かい感情”、steinnには”厳しい環境”という原義から派生した意味があることに着想を得て、監督が生み出した造語なんだそう。
色んな意味に捉えることができると思うけど、敢えてこうだと決めつけたくなくて、でもソールの心には刻み込まれて、忘れられない瞬間を切り取ったんだと。苦しくて、切なくて、やるせない気持ちになるけど、見てよかったなと思える映画でした。
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