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【cinema】アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場

2017年20本目。

タイトルがもうアカン。原題そのままカタカナ表記は良し悪しの差が激しい。何かを伝えたいのはわかるけど、この長ったらしいタイトルで、見たさが半減してしまう。すごくいい映画なのに。あと日本版チラシがダメやね。私、このチラシ見ても全く見たいとは思わず、スルーしていました。

とにかくそこらへんの流行りの映画より、余程かいい映画なんです。キャサリン・ビグローの「ハート・ロッカー」や「ゼロ・ダーク・サーティ」をイメージしてもらえばいいかと思う。ヘレン・ミレンに、今は亡きアラン・リックマンなんてイギリス映画界の重鎮が揃っている映画で、もっと評価されるべきなのに、宣伝が上手くないのか、そもそも宣伝できない内容だからか。

イギリス軍の諜報機関で働くキャサリン・パウエル大佐(ヘレン・ミレン)は国防相のベンソン中将(アラン・リックマン)と協力し、ナイロビ上空を飛ぶドローンを駆使してロンドンから英米合同軍事作戦を指揮している。そんな中、大規模な自爆テロ計画の存在を突き止めた彼らは、アメリカ国内の米軍基地にいるドローン・パイロットのスティーブに攻撃命令を下すが、殺傷圏内に幼い少女がいることが判明。キャサリンは、少女を犠牲にしてでもテロリスト殺害を優先させようとするが……。(映画.comより転記)

終始、身を乗り出して、息を呑みながら観続けた。まず思うのは、現場で実際に動く者たちの苦悩と、机上で指揮を執る者たちの葛藤をうまく表しているなぁということ。

いや、実際にドローンを操作し、テロリストたちに肉薄し、ひたすら上からの指示を仰ぎ、任務を遂行する現場の辛さと言ったら、もうどう言葉で表したらいいのかわからない。責任の所在は、あなたにない、といくら言われても、操縦したのも、命を奪ったのも、紛れもなく、自分たちなのだから。前線で戦い、精神に異常をきたす人々が絶えないという事実を改めて認識させられた。

テロリストたちのアジトの傍でパンを売っている一人の少女の命と、これから自爆テロで奪われるであろう80人もの人々の命を、天秤にかけること。

英米の政府高官や軍部トップは決して安易に行動しているわけではない。慎重すぎるくらいに、あらゆるリスクを考慮して決断を下す。法的に、政治的に、軍事的に見て、問題がないかどうか。しかし、現場にその全てが伝わるわけではない。時には互いに責任逃れをするようなやりとりまで見受けられる。私たち観客は、それに歯痒さを感じてしまう。

Eye in the Sky;空の目。昆虫や鳥を模した精緻なドローンから、ミサイル攻撃をしかけるドローンまで、この映画では現代の戦争のあり方についても描かれている。もはや誰が正義で、そうでないのかさえ疑いたくなってくる。

長くなりすぎました。最後に、エンドロールを見ていたら、2人の日本人の名前を見つけました。

environmental designer/ Minoru Sasaki
多分この人だと思う。

Lightning artist/ Daisuke Nagae
こちらは多分本人のサイトを見つけた。

こういう発見があると、すごく嬉しくなります。日本人、頑張ってるな!って。映画館で映画を観る醍醐味かなとも思います。

まとまりのない感想になりましたが、見て損はしません。すごくすごく考えさせられる映画です。

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