父よ、あなたは強かった。
「アポカリプト」
まず全編マヤ語ってとこがなんかもうすごい。
けど、主人公の彼の通称「ジャガーパウ」もそうなの?英語なんじゃないのって思ったけど、ま、いいのか。
最近立て続けに、自分の興味の対象から外れている映画を見る機会が増え、なんだかそれはそれで、新しい世界を見つめることになり、自分にとってプラスだなと思っている。だからと言って、めっちゃそれぞれの作品がスキかと言うと、そうでもないんだけど。
これは、メル・ギブソン監督作品で、公開当時は多分少し話題になったもの。「パッション」と同じく。今からもう10年も前の作品なのか。何となく、何となくだけど、避けていた。
マヤ文明を舞台にひとりの若者の決死の逃走劇を描いたアクション・アドベンチャー。マヤ文明後期、中央アメリカのジャングルで妻や仲間たちと平和な暮らしを送っていたジャガー・パウは、ある日マヤ帝国の傭兵の襲撃を受ける。都会に連れて行かれた彼らは、干ばつを鎮めるため生け贄にされそうになったところを何とか逃れるが……。(映画.comより転記)
とにかく色々な面で、グロくて、敢えてその表現で強調したいんだろうけど、血を見るのが嫌いな方はやめた方がいいかと。今まで見た戦争シーンのどれよりもえぐいです、ハイ。
で、この物語の主題は何なのか、考えてみる。(ネタバレになります)
マヤ族の残虐さなのか。様々な部族同士の争いや共存からの繁栄、そして白人襲来による破滅への一途を描いているのか。でも主人公は、一部族の若者だ。彼は謂わば帝国の「生け贄」=「被害者」だ。彼にとって、白人襲来は一つの助けでもあったかのように見えた。
主人公ジャガー・パウはかなり最初のシーンで、父から言われる言葉がある。「恐怖を見せるな」と。一言一句同じ内容じゃないけど、恐怖は、人の心を蝕む病で、それは伝染するから、いずれ長になるお前は、その恐怖を表に出すな、というようなことを伝えられるんですね。
恐怖を少しでも見せてしまった時、一番大事な人を失ってしまうことも思い知らされる。そして、彼は自分の恐怖に打ち克つために、逃げに逃げた。時には仲間を犠牲にしながらも。
主人公の彼の眼差しの強さが良かった。目で演技しとった。しかし、名前だけに、個人的にはあの子ジャガーを従えてほしかった。それで、少女の預言どおり、帝国を滅ぼしてほしかった。そうなると、また別の物語だけど。
時代考証やら文化的考察からしても色々ツッコミどころはある映画らしいけど、スピード感や登場人物それぞれのキャラが際立っていて、それだけで惹き込まれる話だったと思います。
そして、何より、父よ、貴方は本当に強かった。あの言葉があるのとないのとでは全然違ったな。
2018年34本目。Netflixにて。
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