ダサ・イイ曲たち

ここで言う「ダサい」とは褒め言葉です。
別の言葉で言い換えると「ベタをやり切る」とも言える。

映画で例を出すとジョン・ウー監督の作品ですね。
「男たちの挽歌」から始まり、ハリウッドに渡ってからの「ハード・ターゲット」「M:I-2」。

最初は「ダサい」「クサい」と言われようとも、王道である「ベタ」をやり切り続けると「美学」のようなものに昇華されてゆく。

音楽でもそうで、ベタをやり切っているものは売れるのです。
それを狙って見事にヒットしたDAPUMPの「U.S.A」は記憶に新しいでしょう。

中高生くらいまでは「うわダッサ!俺はこっち(スタイリッシュで新しい音)を聴くもんね〜」とスカしていても、
「ダサ・イイ」の魅力には抗えないのです。


そんな個人的「ダサ・イイ曲」を並べていきます。


★「夜明けのランナウェイ」ボンジョビ

ボンジョビはクイーンと同様、最初に売れたのは日本です。ボンジョビが世界的に売れ始めたのはサードアルバム以降。
この曲はボンジョビのデビュー曲です。

うわ〜〜………
ダッセぇ………
狙って作れるMVじゃないぞコレは……

日本における「ダサ・イイ曲」の特長として「大映ドラマが飛び付く」というのがあります。
ボニー・タイラーの「HERO」が大映ドラマ「スクールウォーズ」の主題歌になったのが最もたる例ですが、この「夜明けのランナウェイ」も大映ドラマ「乳姉妹」の主題歌に採用されています。(「ちちしまい」ではなく「ちきょうだい」と読むようです)

たまらんですね。特に

夜の海辺でトランペットを吹く松村雄基。只事ではないですよコレは。

ついでに先述した「スクールウォーズ」のOPも。

治安が悪いなあ…


★「反逆のアイドル」ビリー・アイドル

ビリー・アイドルは80年代にデビューしたロックボーカリストで「モニー・モニー」という曲が一番ヒットしたようですが、
このデビュー曲がタマランのですよ。

原題の「Rebel Yell」を全く無視した「反逆のアイドル」という邦題も最高ですね。この曲の歌詞の内容は全く知らないです。
このMV、2分50秒あたりでダサ・イイの極みゾーンに入るのでそこだけでも見て。

ちなみに俺はスマホのアラームにこの曲を設定してます。絶対に起きます。

ダサ・イイ曲の特長として「キーボードから始まるハードロック」が多いですね。

ジャーニーの「セパレイトウェイズ」あたりが顕著でしょうか。

この曲は日本中が熱狂した野球の世界大会、WBCのテーマ曲としても使われているので誰もがイントロだけでも聴いたことあるはず。

このMVは「ダサMV・グランプリ」みたいなのがあったらベスト3には入ると思います。
もう、愛おしくなるほどのダサさ。


★「ミスターロボット」スティクス
スティクスはアメリカのロックバンドですが、この曲は
「ドモ アリガト ミスターロバット」
という日本語で始まります。

この動画の3分過ぎから「日本語ゾーン」に入りますね。
そこだけでも聽いてください。


★「スモーク・オン・ザ・ウォーター」ディープパープル

♪デッ デッ デ〜〜 デデッ デデ〜〜

いや〜!ダサ・イイ!悩みも吹き飛ぶ!

コレは1972年の武道館公演ですね。
この日本ツアーは「ライブインジャパン」としてリリースされ世界的名盤になりましたが、上のライブの観客席にアルフィーの高見沢俊彦(当時18歳)が、います。たぶん。

このレコードのジャケットは観客席を写したものですが、以前、何かのテレビで高見沢俊彦が「オレ、このライブ行ってるからどこかに写ってるはずなんだよ!」と言ってたので。
このライブ盤には東京公演と大阪公演が収録されてるのですが、高見沢俊彦は埼玉出身なのでたぶん東京(武道館)公演の方に行ってるはず。


★「キル・ザ・キング」レインボー
リッチー・ブラックモア繋がりで。

このライブ映像は曲が始まるまでに1分45秒かかるのでそこまで飛ばしてください。

リッチー・ブラックモアはそれまでブルース一辺倒だったロックギターの世界に初めてクラシックの旋律を入れた人です。
B'zの松本さんにも影響を与えた偉大なギタリストですが人格が終わっており、「嫌いなメンバーのカバンに自分のウ〇コを入れた」などの逸話もあるので、自分が中心のバンドを作って他のメンバーをどんどん変えた方がイイ。その合理的理論に基づいて作られたのがレインボーというバンド。
その初代ボーカルのロニージェイムズディオが

ロニー・ジェイムス・ディオ

めっちゃ北島三郎なんですよ。
ルックスだけでなく、歌い方も北島三郎。ビブラートがほぼ演歌。
この「キルザキング」は初期の名曲です。
歌詞の内容は分からんですが、デンジャーとかパワーとかキルとか言ってますね。

上のライブ映像で「ダサ・イイ」が炸裂してるのは4分55秒過ぎ、

ギターソロを終えた直後のリッチー・ブラックモアが「めっちゃ喜んでいる」ところ。
すんごいガッツポーズを繰り返してる。
自分のギターソロが終わった後に?自分で?
早くバッキングに戻った方がいいんじゃないのか?
そんなにギターソロできたことが嬉しかったか?
高校生じゃないんだぞ?


★「ラヴィンユーベイビー」キッス

もはや歌謡曲のようなダサ・良さ。
ダサいを通り越してカワイイですね。
このMVの2分45秒あたりから

「地獄のダサ・ゾーン」に入るのでそこだけでも見てください。

この曲はイエローモンキーがオマージュともいえる曲を作ってますね。

これはダサさを感じない…


★「ブライトンロック」クイーン
映画「ベイビードライバー」のクライマックスに使われた曲です。

カッコイイんですが…
上の動画の3分15秒あたりからのブライアンメイのギターソロが…
津軽三味線なんです。
コレはクイーンのサードアルバムの曲で、クイーンは日本から売れてるので
日本の音楽を取り入れたのか…?
そこは不明ですが、3分15秒からのギターソロは津軽三味線です。
映画「ベイビードライバー」では「あの曲はギターソロが最高だ」みたいなセリフがありましたね。
津軽三味線なのに?
津軽三味線はアメリカ人の心も掴むのか?
…そういう不思議さも含めての「ダサ・イイ曲」に認定しました。



★「MONEY」浜田省吾
説明は要らんでしょう。
ダサ・イイ曲の頂点を極めた曲ですね。

この曲はプロテストソングというか、「いつか金持ち達の足元に札束を叩きつけてやる」という内容ですが、
現代の価値観からみると様々な矛盾点があります。
・(おそらく地方の)駅前の通りに映画館とバーが5、6軒しかない、そのことを嘆いている→恵まれているのでは?
・(自分の貧しさを嘆いている)主人公は車を所有できている→恵まれているのでは?
・出ていった父親の代わりに働いて学費を出してくれているお兄さんの悪口を言っている→甘え過ぎでは?
・金持ちの男に彼女を取られたくらいで「爆破したい」とか言ってる→他人を巻き込むのはいけないのでは?

…という矛盾点はあれど
「最高の女と ベッドでドン・ペリニヨン」
というダサ歌詞を聴くと「まあ…いいよ!」
って思う。

※追記
最近ツイッター等で時々使われている「ほんmoney」という表現を見るたびに浜省マネーが頭の中でイントロから鳴り始めて止まらないという現象が起きてます。


★「からまわり」Char
ここからはあまり有名ではない曲を。
個人的に一番好きなミュージシャンはギタリストのCharさんです。

曲もギターを弾く姿もカッコイイのだけど、
この人…ダサくない?
と、密かに思ってます。

Charさんの曲は歌詞がほとんど英語なのだけど、たまに日本語の歌詞の曲がある。
それがなんか…ダサいんですよ。

あと、コレはアーティスト全般に言えることですが、

「Yeah」の言い方がダサい人は、ダサ・イイ。

イントロと間奏がギターとベースのユニゾンです。
ダサ・イイですね。


★「Stereocaster」布袋寅泰&Char
HOTEIもかなり…「愛され・ダサ」みたいな、キムタクレベルのキャラクターに達していると思います。

有名すぎるMV「BE MY BABY」ですが

スクショして保存したくなる「ダサ・イイ」瞬間の宝庫ですね。

この「背景が白色」をHOTEIが気にいったのか、それをまたやってるのが、
Charさんとの共演です。

このMVも

「HOTEIのイイ瞬間」が散りばめられてますね。

あと関係ないのですが、以前なにかのテレビ番組で(「許せない話」だったかな)バカリズムが

こういう、ギターとボーカル、ギターとギターなど、演者同士がライブで背中合わせをするパフォーマンスに対して

「楽屋でやれ。仲良いのは分かったから。それは楽屋でやれ」
と言ってたのがおもしろくて覚えてます。


追記
「都立家政のブックマート」を忘れていました。
全ての「ダサ・イイ曲」の要素を入れた上に、1度でも聴くと頭の中でずーっと鳴り続ける曲です。

この曲に関しては(一部の)インターネットの人々の方が詳しいかもなので、詳細は省きます。


以上、ダサ・イイ音楽に対して
素直に、その良さを認めようよ!
という内容でした!



では!

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