一卵性双生児あれこれ その1

自分は一卵性双生児として生まれたのだけど、今思うと「アレは特殊だったのかもしれないな」と感じることがあるので、
箇条書きみたいな感じで、書いておこう。

・生年月日は当然ながら同じ。戸籍上、兄が長男、俺が次男。

・生まれた日のことを小学生の頃に母に聞いたら「兄が1時に、次男の俺が2時に生まれた」と言っていた。たぶん昼だと思う。

・この「先に生まれた方を長男にするのか?」というのは今は医学的な答えが出てるのかは分からないが、「俺の方が後ってことは…俺の方が先に受精したのではないか?」と生物学的なことを考えた。
「生物学的すぎる」という理由であまり考えてないが、事実として、陰毛が生えたのは俺が兄より1日だけ早かった。脇毛も同じ。1日早かった。

・「生えた陰毛を見せ合う」くらい、今考えると仲が良かった。
「友達が欲しい」と切実に思ったことがない。この「友達が欲しい」が男女差であったり、人によって違ったりするとは思うが、「友達が欲しい。友達を作ろう」と真面目に考えたことが無い。
いや、「友達を作る努力、友達と友達関係を継続する努力」というものを本気でしたことが無いのかもしれない。
同じ環境の、同じ嗜好の、同じ思考の同年齢の同性が生まれた時から居たから。
「全く何も気を遣わなくてよい友達」としてデフォルトでいた、という事実が、俺の「友達」という感覚をバグらせていたのかも。
小中学校、高校と友達はいた。最初から兄と俺の共通の友達という形でもいたし、俺の友達が兄と仲良くなったり、その逆のパターンもあった。
今現在、俺は小中学校、高校、それ以降に友達になった人とLINEなどの連絡は取っていない。

・子どもの時から嗜好が似ていた、というか「ほぼ同じ」だったのではないか?と思う。
物心ついた時からテレビで見ていた仮面ライダー、ウルトラマン、あしたのジョー等のアニメの再放送、特撮の再放送、プロレス、歌番組…
先日書いた「洋楽に目覚めたきっかけ」等、全て省いてるが、子どもの頃の、今も覚えている思い出の時、いつも隣に兄がいた。

カルチャークラブの「カーマは気まぐれ」で洋楽に衝撃を受けた時も、
タイガーマスク(佐山サトル)のデビュー戦も、
長州力が初めて藤波に歯向かった試合も、
猪木と国際軍団3対1の試合も、
猪木がホーガンに失神KOされた試合も、
ビートルズ「ラバーソウル」の1曲目を聴いた時も、
ブルーハーツのデビュービデオを見て衝撃を受けた時も、
ある土曜日の昼、学校から帰ってテレビを付けたらレッドツェッペリンがコンサートやってて、それがライブエイドだと知った時も、

全て兄が横にいた。
一緒に住んでるので後日感想を言い合う、みたいなことはなく、
その場で呆気に取られてる、2人一緒に呆気に取られてる、この「感想」は言語化する必要がなかった。

・兄弟間の平等感について。
ネトフリ版「阿修羅のごとく」などを見る度に思うのだが、きょうだい間特有のアレコレ、嫉妬であったり軋轢であったりするのだろうか、そういうのが無かった。
おそらく、親(母と祖母)は双子の2人を平等に扱っていた。
少なくとも小学校を卒業するまで、親は俺たち2人に「全く同じもの」を買い与えていた。本とか漫画とかレコードとか、共有できるものは2人で1つでよいのだけど、
幼少期〜小学校の時期の玩具とか、文房具とか。全く同じものが多数、家に2つ存在した。
小学校までの俺たち2人の写真が実家にあるのだが、その写真がかなり今見ると狂っていて、
双子で全く同じ服を着ている。
身長・体重・顔・骨格、髪型(中学校は校則で男子はみんな坊主頭の時代)ぜんぶ同じ、そのクローン人間に、クローン子どもに同じ服を着せている。本当に同じ、色や柄まで同じ服を着ている。
親は楽しんでいたのかな?と思う。
楽しかったらOKです。

親になって初めて思い知ったが、
子どもが小学校に、中学校に、高校に入学する時って「公式では聞いてなかった別のお金」が発生するじゃないですか。
制服とか、体操服とか上履きとか、副教材とか。
全て、同時に2倍かかってたはずなんですよね。
身体の成長に従って制服を買い換えるタイミングも同じだし。
あと、中学時代はあの「道具に金がかかる」ことでお馴染みの野球部に2人とも入ったので、そこも2倍。
そして、全てのものに「お下がり」という概念は通用しない。

・似すぎて困る問題。
マジでクローン人間のように似ていて、小学生まで同じ服を着ていて、中学校では制服、そして田舎、めっちゃ田舎。
田舎をクローン人間2人が歩く。
中学生になった頃から「自我」みたいなものが生まれるので「似てるとジロジロ見られるのは恥ずかしい」みたいな気持ちから「10mほど離れて歩く」という方法をやってた。
でも、田舎だし、行く場所(中学校)も通る道も同じ、人も少ない。
通行人の大人から「えっ?」という顔を、反応をされたことは数え切れない。
たぶん向こう(10m遅れて来るクローン人間を初めて見た人)からすれば「超常現象」かもしれないし、数秒前の体験の再体験、数10秒のタイムリープ、霊障、現代に生きる忍び、仕込みナシのモニタリング、そういうことを昭和の田舎の人にさせていたかも。
まだ駅でキップを買って、改札口でカチカチとキップにハサミを入れていた駅員の人に「あれ?キミさっき、通らなかった?」と聞かれたことはめっちゃあって、「いいえ」と答えるのもアレだし、「ハイ!通りました!」と答えるのも複雑化させるし、「いやあの…双子なんで…」とか言うのがめんどくさかった。

あと、中学校が80年代のマジのヤンキー中学だったので、1年だと3年ってマジの大人の怖い人に見えるし、
その怖いヤンキーから双子案件で遊ばれた。
オッサンみたいなヤンキーから「おい双子!ちょっと来い!」と呼ばれたら面倒臭く、まず、「よし双子!並べ!」とか言われて、
「俺が、どっちが兄ちゃんか当てちゃる。えっと…(ヤンキーはシンナーで脳がバカになってるので1分ほど間が開く)分かった!オマエが弟やな!ということは…(シンナーによる間 30秒)こっちが兄ちゃんか!よし!オマエが兄ちゃんじゃなかったら、俺はオマエをクラす!(クラすというのは「暮らす」という意味ではなく、「殴る」という意味の、めっちゃ怖い福岡地方の方言)」
(いや…俺が兄とか弟とかこのヤンキー、どうでもいいだろ…一刻も早くこの場を去るために、このシンナー・ヤンキーに合わせて…)
(俺が弟だけど)「ハイ、僕が兄ちゃんです」
「アァ?オマエが弟なの、オカシイやろが!オマエをクラす!」
「(話がさっきと違うが)やっぱり僕が弟です!」
「そうやろうが!俺が言った通りたい!よし!弟のオマエ!学校裏の駄菓子屋で、キャベツ太郎買ってこい!ハイ、20円」
「分かりました!(駄菓子屋にパシる)」
…よくこうやって「パシらされ」をオッサンみたいなシンナー・ヤンキーからさせられていたのだけど、必ず駄菓子のお金はヤンキーは出していましたね。


双子のアレコレについて書いてたら、3千文字を超えてしまったので、
続きは後日書きます。

「双子にシンクロニティはあるのか」みたいなことも「あった」し、
「双子タレントのように、めっちゃ仲が良かったり、急に不仲になったりするのか?」とか、
「嗜好が同じってことは…同じ異性を好きになったりするのか?」とか、
「長男は責任感が強いとか、何かをガマンするとか、双子でもあるのか?」とか、
など、また書きます。





デハ!

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