屋敷娘、つづき。

こんにちは。
また少し秋が深まりましたね。
屋敷娘の説明を続けます。

前回は『色香含みて愛らしき』で下がるところまででしたね。かわいい娘がここにいる、とお伝えしたところで、ここからは、娘が恋をしていることをご覧いただきます。

曲調が変わります。
内省的な雰囲気です。
もの思いに耽る風情で登場します。

過ぎし弥生の桜時

今は秋ですが、あれは春のことでした、と。
あの日あの時あの人に出会った。
可愛らしさから一転しっとりと心の内を語りはじめます。

…ここはたった一節ですが、かなりつらいところです。練習ではいつもインナーマッスルを働かせようとプルプルしています。
顔に水気があるのは、思いの丈が涙となって滲み出たと見ておいてください。

花見の幕の垣間見に

お花見に行きましたところ、幕を張り巡らせた一角を見つけました。
どんな人がいるのだろうと、好奇心にまかせて幕の隙間を覗きこみます。
なんということでしょう。

ふっと目につく殿振に

素敵な殿方がいるではありませんか。
二本差しのお侍さまです。
あまりにも美しすぎて息が止まりそう。思わず立ち上がってしまいました。

…というように、思いの丈を訴えて、また一区切りです。

この部分は、わたしが今たいへん苦戦しているところです。振りは多くないのですが、ひとつひとつ美しい形を作るのがとても難しくて。
日本舞踊は、形が感情を表現するように思います。能の面のようなものでしょうか。
なんとか良い形を作れるように、お稽古を続けます。きっと見にきてくださいね。

発表会は、11月28日土曜日、東京都江東区の江戸資料館で行われます。今のところどなたでも事前予約不要でお越しいただけます。

きょうも読んでくださりありがとうございました。
また明日。

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