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CFexpress Type-B選びでお困りの方へ・・・その2 徹底比較 DelkinDevice Powerシリーズ

『HSGインフォメーション株式会社様からクーポンを頂きました!!』

この記事を見たHSGiのご担当者様からお得なクーポンを配布したいとの申し入れがありました。今回のテスト結果を踏まえ快くお受けすることにしました。
全品10%OFFのクーポンは記事の最後に載せましたのでご利用していただければと思います。

※※実際の撮影を考えて検証をしました※※

Youtubeの検証ビデオは、ほとんどカメラでの限界性能については行っていません。PCの転送速度は使うリーダーとPCのデータ転送速度に依頼しますのでスペックを見ればある程度は想像できます。
一番知りたいのは撮影での限界状態ではどうなるのか?です。
実際の撮影現場は過酷なことが多いです。ひょっとしたら熱でメディアが壊れるかもしれないけど、撮らなきゃ仕事になりません。
忖度などしてられません。
使う機材はニコンZ9とZ8です。
他のメーカーで同じ結果になるとは思えませんので、傾向として捉えていただければと思います。

昨年は東京で過去最高気温記録の日、ビルの屋上で丸一日太陽にあぶられながら撮影をしていました。使うカードの順番は自分が考える信頼性からDelkinDeviceBlack325GB、ProGrade Cobalt325GB、SUNEAST ULTIMATE PRO 320GB、Angelbird AV PRO MK2 1TB、最後に予備である一番性能の低いDelkinDevice power512GBと決めてあります。
炎天下でも動画の長回しさえしなければ落ちることはありません。
(この考えは改める必要があることが判明しました!)

データ量は写っている物で違います。色々なものが写っている方がデータ量が大きくなりますので、写っている物を変えてしまうとテストになりません。
例えば空抜けの鳥と森を背景に飛んでいる鳥の写真だったら、森背景の方がデータ量は大きくなります。この辺にも注意をしてテストをしています。

飛んでいる鳥は連写が基本です。


連射テストではカメラ温度が出来るだけ同じになるように心がけました。
動画では実際の撮影場面を想定して冷却はしていません。
テスト前のカードフォーマットはディープフォーマットをかけました。

静止画連写テストではファンで風を当てながらカメラの発熱を防いだ

今時はデジタルカメラの記録メディアがCFexpressカードになっている機種が増えました。
また8K動画が撮れるV90規格だとSDカードはCFexpressカードよりもコスト高で性能も劣ってしまいますので、デジタルカメラはCFexpressカードが主流になっています。
悩ましいのはカードを変えても撮れる写真には何の影響もありません。記録さえしっかりと出来れば良いのです。
が・・・しかし撮影方法に合わないカードを選ぶと、そもそもの撮影ができないと言うことになります。自分が撮影する物や方法に見合った速度、容量のカードを選べば良いと思います。
前回同様に選定基準は8K60PのRAW動画が撮影出来ること&連写性能が高いという条件です。
ですから、全くこのテストを参考にできない方も多いと思います。
そうでない方は参考になると思います。

新しくランナップされたCFexpress4.0に対応したシリーズ
写真、動画共に高い性能だった低容量低価格帯のPower256GB

2年前にCFexpressカードのテストをやりましたが、絶対量の不足から今回新しいカードNextorage B1Pro330GBDelkinDevice Power256GBとUSB4.0のPower1Tの3枚を導入したので、もう一度更に突っ込んだテストをしました。
CFexpress4.0のカードは従来のカードの倍の速さを誇ります。
ところが・・・実際に使用する過酷な環境でのテストではスペックでは見えてこない隠された性能があることが解りました。

今回テストしたCFexpressカード

上段
SUNEAST ULTIMATE PRO 320GB
ProGrade Cobalt325GB
Nextorage  B1 PRO330GB
Angelbird AV PRO MK2 1TB
下段
DelkinDevice Black325GB
DelkinDevice power512GB
DelkinDevice power256GB
DelkinDevice power1TB
各製品にリンクを貼っています

カタログスペック

スペックを見てみます。

カタログスペック

ウェブサイトから調べたカタログスペック一覧です。
連写と動画を撮影するので書き込みが速いカードだけをピックアップしています。
一般消費者はスペックか製品レビューを参考に値段も含め検討をして、どれを買うか選ぶのが普通です。
出来れば価格も信頼性も大事にしたい・・・悩ましいです

メーカーについて

DelkinDevice
カリフォルニア州サンディエゴに本社 
アプリケーション固有の組み込み型産業用OEMのフラッシュストレージソリューションに特化

Nextorage
神奈川県川崎市に本社 
ストレージメディア機器の開発、設計、製造、販売

ProGrade Digital
カリフォルニア州サンノゼに本社
イメージング市場向けのメモリーカード、カードリーダー、ワークフローソフトウェアの開発・販売に特化

SunEast(株式会社 旭東エレクトロニクス)
大阪府大阪市に本社
メモリ・ストレージ等のPCパーツ及び周辺機器の開発、製造、販売

AngelBird
オーストリア ドルンビンに本社
メモリ・ストレージ機器の開発、設計、製造、販売

以下の2社は候補から外れました

  • SunDiskはWesternDigitalに買収されてからコスパが悪く製品も少ない

  • Lexarは親会社の米Micronが中国のLongsysに売却して一時期市場から姿を消したが、また安価路線で日本市場に復活した。しかし8K60P RAW動画を記録出来るメディアがない。軽いデータを扱う人には良いかも知れません。(追加情報:知り合いの情報で8K60Pで使えるようですが、最低維持書込速度が記載されていないので連写性能は不明です)

企業規模や得意分野などを調べ信頼できる会社かどうか検討するのも良いと思います。

reed write 比較

速さで重要なのは最低維持書込速度、下のグラフでは赤の部分です。
連写でデータが途切れなく書き込まれている時に、ここの数値が低いとカメラのバッファが一杯になって連写が途切れることになります。
カードを選ぶときの目安のひとつになります。

カタログスペック
赤のバーが最低維持書込速度

最低維持書込速度が低いDelkinDevice POWER256GB でも8.3K60P N-Rawがカード一杯まで書き込めました。

GB単価

最終的に気になるのは値段です。コスパが高いカードの方がお得ですね。値段割る容量=@GB単価を出しました。
赤の線は大体中央値です。
アマゾンで調べていますが割引イベントの時はもっと安くなる製品があるので今現在の値段で作ってあります。

2024月8月時点のアマゾン価格

半導体価格は年々下がっていますので最新機種の方が安い傾向です。世代交代が激しいですからディスコン製品は流通数に応じて値引率は下がってしまいます。

実測データ ベンチマーク

AngelBird USB3.2リーダー10Gb/sec+MacBookPro Thunderbolt3でのベンチマークThunderbolt3と4は基本的に40Gb/secですがMacBookPro2019/16インチのUSB 3.1 Gen 2の上限速度は10Gb/secなのでどのカードを使っても大体同じ速度でした。
Thunderbolt4はUSB4.0との互換性が規格上求められますがUSB4.0はThunderbolt3との互換性を求められていませんのでUSB4.0規格のカードリーダーを使っても接続はUSB3.1接続でUSB 3.1 Gen 2の上限速度10Gb/secで運用されます。Thunderbolt3で転送速度を上げるためにはThunderbolt3対応のリーダーが必要となりますが市販はされていないようです。ですのでUSB4の恩恵を受けるためにはThunderbolt4またはUSB4.0の対応したポートを持つPCが必要になります。
PCのシステムレポートではUSB4となっていたので正規速度でUSB4リーダーが使えると思ってしまいましたが基本のポートがthunderbolt3なのでUSB4装置をつけるとPCはUSB3.1gen2として認識してしまうようです
ですのでProGrade USB4リーダーでも似たような結果でした。
カードが持っている性能を使うとなるとUSB3.2gan2X2の20Gb/secかThunderbolt4もしくはUSB4のポートを持つPCが必要です。
同じUSB3.2でしたらWindowsPCの方が10%ほど速いという結果になりました。

USB3.2で使う限りカード速度の違いはAngelbird AV proを除きそんなに差はありません。
MacBookPro2019のシステムレポート

USB4端子を持ったPCに接続した場合、USB4のカードはほぼカタログ通りの速さが出ていると言うことです。撮影ではカメラ自体が対応していないので恩恵には預かれませんが、多量のデータをPCにコピーする時間は大幅に短縮できデータ量の多い映像関係者には良い選択かと思います。

今回導入した新しいカードDelkinDevice Power256GBとUSB4のPower1TBは圧倒的なコスパが魅力でDelkinDeviceのメディアが過去の使用で問題が無かったという信頼性もあります。特にBlack325GBは安定した書き込みで撮影が出来ます。
Nextorage B1Pro330GBはCFexpress2.0で最高スペックであること、日本の会社であること、セールで安くなっていたので選びました。

DelkinDeviceのサイトから
DelkinDeviceのサイトから

※動画性能 耐熱テスト

今年の夏は外で動画を撮影することが多く、熱で録画できなくなることが多くて本当に困りました。NikonZ8&Z9はバリアングル液晶では無いのでカメラクーラーを付けることが出来ません。背面液晶をあけて携帯ファンの風をあてつつの撮影でしたが、やはり熱で止まることが多かったです。
熱くなったカードを取り替え取り替えして撮影を続けるのは苦痛です。
カードの発熱量や熱耐性、カメラの発熱具合がカードによって違うのは経験からわかっていたので、今回は日本の夏を乗り切るための熱耐性のテストをしました。
熱に弱いNikonZ8を使いカードホットなど警告が出るまでの時間を計測しました。Z9は平気で回っているのにZ8は落ちてしまう。これには本当に困りました。
記録方式は4.1K120P N-RAW。
8.2K60P N-RAWだと記録出来る時間が短すぎて気温の変化の違いを受けやすいので、録画時間が長くなる4.1K120P N-RAWにしました。日陰の気温30度、湿度75%前後で、高温多湿で条件としては日本の夏に則しています。(直接日が当たるとカメラが熱を吸収して、あっという間に録画ストップになってしまいます)
テスト後は28度の室内でファンで風を当て10分間冷却をし5分間外気温になじませてからテストを開始しています。

使用カメラ NikonZ8 4.1K120P N-RAW

気温とアラートとの関係

2~3回テストしてだいたい同じ気温の時の値を採用しています。
テストによってバラツキがあるのは何故だか解りません。

時間と気温の記録ビデオから時間を調べた
カメラ警告から上はカードの容量に依存するので色を薄くしてあります。

カードの温度上昇が少ないのがProGrade Cobalt325GBDelkinDevice power512GBDelkinDevice power512GBは最も古く最低維持書込速度が決められていない下位バージョンです。この辺は全く想像していませんでした。
しかし、落とし穴があってDelkinDevice power512GBはすでにディスコンで最低維持書込速度のスペックが8.3K60Pに対応していないので8.3K60P N-RAWでは17秒で止まってしまいます。よりデータ量が少ない4.1K120P N-RAWを上限で使うのであれば十分使えます。

カメラの温度上昇が少ないのがDelkinDevice Black325GB。
気温が高くても記録時間が一番長いと言うことです。

CFexpress2.0の中で最高スペックのNextorage  B1 PRO330GBはブービー賞になってしまいました。カメラとの相性が悪いのかも知れません。

健闘したのがDelkinDevice power256GBでスペックは低いものの中間の位置になったのが意外でした。

唯一CFexpress4.0のDelkinDevice power1TBは3位になりました。カメラ側が4.0に対応しないと本来の性能は発揮できないのかも知れません。

SUNEAST ULTIMATE PRO 320GBも上位に食い込む健闘ぶりです。
気温が高い状況で使うならDelkinDevice Black325GBと言うことです。

コスパで言うならDelkinDevice power256GBでしょうか。このカードはスペック上は256GBですが実際には録画可能時間から実質330GBであるようです!!シールの貼り間違えかも知れません・・・

コスパ良く長時間録画をするのならDelkinDevice power1TBが良いですね。
Angelbird AV PRO MK2 1TBはスペックは十分ですがホットになりやすく日本の高温多湿な夏向きでは無いようです。冬であれば8.3K60Pでも問題なく使えます。

温度耐性という観点からはカタログスペックとは比例しないのが確認出来ました

テスト時の気温で上位3枚(ProGrade Cobalt325GB/DelkinDevice Black325GB/DelkinDevice power1TB)は高温でも高性能だったのは評価しても良さそうです。

参考までに8.3K60P N-RAWだと

スタートとストップだけを測りました。

ProGrade Cobalt325GBSUNEAST ULTIMATE PRO 320GBはカード一杯まで書き込めました。

他のテストでだらしなかったAngelbird AV PRO MK2 1TBが健闘しています。これも不思議な事です。2TBモデルですが、RED 「V-RAPTOR」でメーカー公認メディアとして指定されているのでデータ量の多い録画に強い設計になっているのでしょうか??

DelkinDevice Black325GB/DelkinDevice power256GB/Nextorage  B1 PRO330GBはカードの途中で止まりました。

DelkinDevice power1TBは18分42秒で止まりました。

ここでも、スペックの劣ったDelkinDevice power256GBDelkinDevice Black325GB/Nextorage  B1 PRO330GBを押さえて頑張っています。
テスト気温が30度以下だったので4.1Kとは違う結果になったのかも知れません。

8.3K60P N-RAW


※静止画性能 連写テスト

前回同様にLossless RAWとJPG FINEの同時記録という高負荷で秒20コマの連続撮影をして少しでも速度が落ちるまでの撮影コマ数を比較しました。
ここでも熱問題が起こるので室温26度でカメラにファンの風を当て、できるだけカメラに熱を溜めないようにして、条件を同じにしてあります。
そうでないと最初にテストしたカードが有利になってしまいます。

サーキュレーターで風を当てつつテストをした

画面右下の「r007」が残りのバッファで000になると連写が崩れてきます。そこまでのコマ数を数えました。これを10回繰り返します。カードにデータが溜まっていくと書き込み速度の低下がありますので、その辺の変化も見たくて10回連続で連射しています。
テストしたカメラはZ9とZ8の2台です。使うカメラによっての差はありませんでした。

前の耐熱テストとは全く違った結果でした。
ビックリした事に一番になったDelkinDevice power256GBです。8.3K60P N-RAWをクリアするカードの中で最低維持書込速が低いのにもかかわらず連写性能が一番良かったのです。

逆に前回の耐熱テストで健闘した古いDelkinDevice power512GBは最低維持書込速度が響いて、全く冴えない結果でXQDと同レベルの低い順位でした。
またカタログ最高スペックのNextorage B1 PRO 330GBも動画同様に性能を発揮できず凡庸な結果でした。

デジタルカメラ御用達の安心ブランドProGrade Cobalt325GBとCFexpress4.0のDelkinDevice power1TBがほぼ同じだったことも意外でした。
DelkinDevice Black325GBは前回同様、高い性能を発揮しました。

SUNEAST ULTIMATE PRO 320GBも高い性能でした。

Angelbird AV PRO MK2はカタログスペックは良いのですがNIKONとの相性が悪いのかそれほど連写が続きませんでした。動画メインとして設計されているのでしょうか?

使用カメラ NikonZ9

テスト結果
テスト10回目の最終撮影枚数
撮影枚数の変化

使用カメラ NikonZ8

もう少しZ9との差が出ると思っていましたが、そんなに変わらず回路的なコストダウンはされていないようで安心しました。

テスト結果
テスト10回目の最終撮影枚数
撮影枚数の変化

シャッターを押しっぱなしにすると、どうなるのかどうなるのか

連写の場合はカードに書き込めなくあぶれたデータがバッファに溜まって行き、バッファが一杯になった時点でオーバーフローして連写が途切れるようになります。しかし、止まるわけでは無く軽く途切れ途切れになる感じです。カードにデータが溜まっていくと書き込み速度の低下がありますので、その辺の変化も見たいと思います。
カードごとに動画を撮りましたのでシャッター音でどうなるのか確認して頂ければ実際の撮影での感じがわかると思います。上位から順に動画リンクを貼ります。
ここまでしつこく連射することは滅多にありませんが鳥が狙ったコース通りに来てくれなくて、押しっぱなしになることがあります。

まとめ

スペックだけでは解らないことばかりですね。
使っているカメラによって結果は違ってくると思います。
ソニー、キャノンはどうなんだろう?興味があります。
ソニーはType-Aのカードを使うのですが、性能がBより劣っていてカメラ側がType-Aに合わせてデータのやり取りを最適化しているのだと想像できます。

最近自分の中で人気が急上昇しているのがDelkinDeviceのカードです。
有名ではありませんがBlack325GBの高速性能と安定性に感心してから手持ちの半分がDelkinDeviceのカードになりました。それを裏付ける様な結果になり、ひと安心しました。

色々なカードがひしめく激戦区のミドルレンジの製品の中、新製品ラインナップのDelkinDevice power256GBシリーズは、なかなか良く出来た製品だと言うことがわかりました。

今回のテストは私が必要とされている条件を満たすカードと項目のテストなので、使い人それぞれにあったテストをしてメーカーなり製品を選ぶことが必要だと思いました。
信じられないほどコスパが高いLexarのカードが、どこまで耐えるのかとても興味がありますね。機会があればテストをしてみたいと思います。

P.S.
カードは安くなるときがあるので、あらかじめ購入するカードを決めてセールが始まったら買うようにすれば予算内で購入できるかも知れません。

『HSGインフォメーション株式会社様からクーポンを頂きました!!』

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