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Xiaomi 14 Ultraの写真、本当はどうなの?

(上の写真はメインカメラで絞りをf4まで絞って太陽の光芒を出してデジカメライクな表現ができる例)

Xiaomi14ultraのスペック


今更ですが先ずはスペックを見てみましょう。
どれも十分な性能です。

メインカメラ 23mm
LYT-900 1/0.98型 ビニング対応
約5,000万画素3.2µmスーパーピクセル
14EVダイナミックレンジ
F1.6~F値4.08Pレンズ (絞りが選べるので被写界深度と光芒がコントロールできる)
光学式手ブレ補正(OIS)

広角カメラ 12mm
IMX858 1/2.51型 ビニング対応
約5,000万画素
122˚FOV
F値1.8
7Pレンズ
5cmマクロ撮影  

望遠カメラ  75mm
IMX858 1/2.51型 ビニング対応
約5,000万画素
F値1.8
6Pレンズ
光学式手ブレ補正(OIS)
フローティング望遠レンズ
10cmマクロ撮影

望遠カメラ 120mm
IMX858 1/2.51型 ビニング対応
約5,000万画素
F値2.5
光学式手ブレ補正(OIS)
30cmマクロ撮影

他の機種は

iphone15 proMAX  IMX803   1/1.3inch ビニング対応 48M Pixel  
ワイド IMX633  1/2.55 ビニング非対応 12M Pixel
望遠 IMX913 1/3.06 ビニング非対応 12M Pixel

SONY RX100M7 1インチ20M Pixel
となっています。

概論

今どきのスマフォは小さなセンサーの中に一億とか5000万とかの素子を詰め込んしまうような高画素機が主流です。
画素が小さければ取り込む光の量も少なくなりノイズが発生し易くなります。その対策としていくつかの素子をまとめて解像度を犠牲にしたビニングという処理をしてノイズを減らしています。
それなら画素数を減らせば良いのですが、消費者は何万画素というスペックに弱いですからメーカーは競って高画素化に走らざるを得ないのでしょうか?

高画素は高性能という間違った認識がはびこっているのは、ある意味メーカーの責任でもあるのでしょうがありません。
御多分に漏れずXiaomi14Ultraも4つのカメラはすべて5000万画素です。
凄いですね~。
しかし、みんなが使う写真モードでは1200万画素での記録になってしまいます。
5000÷4=1250
4画素を一つにまとめるビニング処理をされている写真なのです。

実際のデータ

写真モード 12M pixel

スーパーワイド、ワイド、標準、中望遠、望遠の5種類のレンズが選べます。また、まるでズームレンズのようにスクリーンをピンチすることでシームレスにズームが出来ます。
凄いですね~。

12mm
23mm
46mm
75mm
120mm


PROモード 50M pixel

絞り、シャッタースピード、ISO感度、ホワイトバランスetc..など色々な設定を自由に決められるProモードというものがあります。
使えるレンズはハードで備わっている4つ・・・つまりスーパーワイド、ワイド、中望遠、望遠の4本です。
JPGモードは写真モード同様にシームレスにズームが出来ます。
RAWモードではズームが出来ず4本のレンズの焦点距離になります。
使えるプロファイルはオーセンティック、バイブラントの両方です。
50M Pixelにするとバイブラントのみしか使えなくなります。

12mm
23mm
75mm
120mm


SONY RX100M7   20M pixel RAW

24mm
46mm
110mm
200mm


拡大比較

ISO感度が上がるような場合は50Mモードではノイズが増えてしまいビニング処理をした12Mで撮影した方がきれいに仕上がります。
SONYは画素数を2000万に抑えてあるので処理に無理がなくなめらかな仕上がりです。

メインカメラでの写真モード12M PixelとPROモードの50M Pixelの比較

12Mの写真モードは4画素を一つにするビニング処理をしてノイズを減らしているので解像感はバランスの良い仕上がりになっています。ノイズ処理の他にも解像感もアップしているので単なるビニング処理だけでなく色々な処理をしていて、この辺がライカ監修と言うことなのでしょう。

12M Pixelの方がきれいです


カメラの色再現がこんなに違う

明暗差が激しいシチュエーションではスマフォでは勝手にHDR処理をしてくれるので目で見た感じに写ります。実に楽ちんです。
Xiaomiは現場で見た感じに一番近い。
iphoneはがっつりHDR効かせていますが、家に帰って見ると記憶が一番再現されていると感じさせるあざとい処理。
デジカメのSONYはそんなことはしてくれないので明るい空は白く飛んで暗いシャドーは潰れ気味です。

Xiaomi 14 Ultra Licaオーセンティック 現場で見た感じはこれ
iphone15proMax 空が真っ青!帰って見返すと美化された方がよく見える
SONY RX100M7 ごく普通のデジカメデータ

HDRの効き方

Xiaomi 14 UltraのHDRの効き方

RAWで撮ってもJPGでも潜在しているトーンの量はあまり変わらないので、何も考えずにJPGにして処理エンジンにお任せした方が結果が良いと思います。


望遠レンズ比較

Xiaomi 14 Ultra 12M Pixel 120mm Licaオーセンティック
Xiaomi 14 Ultra 50M Pixel 120mm Licaバイブラント
iphone15 proMax  12M Pixel 120mm
SONY RX100M7 20M Pixel   132mm
拡大比較拡大比較

iphoneのセンサーはIMX913 1/3.0一番小さく一番小さくてノイズが乗りやすく望遠に弱いのが露呈してしまいましたが、コントラストが高くてパキパキしています。
自然で落ち着いているのはSONY、流石デジカメです。
Xiaomi14Ultraは柿と背景の木にピントが来すぎですが、シャープです。

Xiaomi14ultraの50M Pixelは必要か?

写真モード 12M
記憶色の鮮やかな色再現です。

12mm
23mm
46mm
75mm
120mm

PROモード ULTRA RAW  12M

色々な処理をしていない、そのままのデータなのでボケた写真になります。後処理を前提にするか、強調されていない色が欲しい時はRAW撮影ができるのは強みです。

12mm
23mm
75mm
120mm

PROモード 50M Pixel

最初に例を挙げた時はISO感度が上がるようなシチュエーションでしたが、光がたっぷりとある場面では小さなセンサーでもノイズが増えず無理な処理をしなくて良いので50M Pixelの本領を発揮するようです。

12mm
23mm
75mm
120mm


拡大比較

面白いことに写真モードとRAWモードにこんな差がありました。
つまり4画素を一つにするビニング処理は解像度感度を上げて感度を上げてノイズを消す処理ですが、同じ12M Pixelの画像を見ると、写真モードはHDRに加え何らかの処理でシャープネスを上げているような感じです。ライカのマエストロの血が入っているのでしょう。
UltraRawはその辺の処理がされていないのか緩い感じに写っています。
明るいときには流石に50M Pixelは細部まで分解して写っています。しかしその差はわずかです。

50M Pixelと12M Pixelの比較

12M Pixelはビニング処理をして解像度が落ちているはずですが、よく見ると確かに少しは甘くなっていますが50M Pixelと解像感ではそんなに差はありません。
彩度が違って見えるのは充てているプロファイルがLeicaオーセンティックかLeicaバイブラントの違いです。
こうやって比較するとJPG撮影の場合、あえて50M Pixelの重たいデータで撮影する必要はないかもしれません。


メインカメラ比較

1インチセンサーの撮ってそのままのデータ比較

SONY RX100M7 1インチ20M Pixel    RAW プロファイルなし

普段見慣れたトーンです。
さてここからどう料理するか考えるデータで、あくまで素材データ。

Xiaomi 14 Ultra 50M Pixel LYT900 1/0.98inch   f1.63 写真モード Leicaオーセンティック 1258万画素

周辺の光量が落ちて中央に行くに従ってコントラストが上がり主題が強調されるようです。彩度が上がりHDRが効きつつも平面的にならずシックな感じがLeica調なのかしら・・でも作りすぎで派手な感じは否めません。

Xiaomi 14 Ultra Proモード UltraRaw オーセンティック 1258万画素

写真モードのオーセンティックと比べてProモードのUltraRawではハイライト&シャドーのコントロールはあまり行われていないようで空が白く飛んでいます。

iphone15 proMAX  IMX803   1/1.3inch 48M Pixel   F1.78 2447万画素

HDRの効き方が強く、均一化されフラットな表現になって立体感に欠けます。
コンピュテーショナル フォトグラフィ臭さが目立ちます。

拡大比較
拡大比較

iphone15はレンズが良いのか処理がキツいのか、カリカリにシャープ(ただしメインカメラのみでワイドと望遠は緩いです)ただ、薄っぺらい。
Xiaomi 14 Ultraはそれなり。プロファイルで違うのでRAWデータをみると以外と素直。
SONYはデジカメらしく素直。

設定とカメラの違い

Xiaomi14UltraにはオーセンティックとバイブラントというLeicaプロファイルが用意されています。
JPGで撮影すると「いかにもスマフォ」といった奇麗な写真が出来上がります。

オーセンティックはアンバー系の周辺が落ちて落ち着いた雰囲気の写真仕上がりとなります。
HDRが自動もしくは解除できるようになっていてその場で確認すると見た実際に感じはHDRオンが近いです。
HDRオフはコントラストが上がりパリッとしたトーンになり、空も一段と青く表現されます。
どちらもちょっと派手目な色合いですが、選ぶのであればメリハリのあるHDRオフのオーセンティックが一番好みです。

RAW設定は画像処理をあまり加えていない彩度が抑えぎみのノーマルプロファイルのデジカメで撮ったような落ち着いたトーンが得られます。
カメラ内処理はこのRAWデータから生成されているので、ちゃんとしたデータから作られているのが確認出来ました。
Xiaomi14Ultraの良いところは通常のデジカメのRAWデータのトーンも選択できるところです。派手な色やトーンが必要ない時にも対応してくれる柔軟さは、さすがLeicaが監修しただけはあります。

Xiaomi HDR-on オーセンティック
Xiaomi HDR-on バイブラント
Xiaomi HDR-off オーセンティック
Xiaomi HDR-off バイブラント
Xiaomi RAW  オーセンティック

いかにもRAWデータっぽく素材としては悪くないデータです。

上のRAWデータを現像処理をしたもの

あまりカメラ側でいじっていないRAWを撮っておけば後処理で好きなトーンに仕上げらる。

Xiaomi RAW  バイブラント
iphone15 12M Pixel HEIF

やはりハイライトからシャドーまできっちり仕上げてバランスが良く見えますが、コントラストが低めでHDR臭さが出てしまいコンピュテーショナル フォトグラフィっぽいです。 

SONY RX100M7 RAW

見慣れたごく普通のデータです。
ほぼ、XiaomiのRAWバイブラントと同じです。

室内の灯りがある場面

極端に明暗差がある光源が映り込んでいるシーンは要注意です。
カメラが頑張ってくれる写真モードのHDRオンだとバランス良く写ります。
処理をしていないRAWは白飛び&ダーク背景になってしまいます。
写真モードでは数枚の露出違いのカットをリアルタイムでHDR処理をしているので電灯が白く飛ばないのですが、このRAWデータを処理しても電灯のトーンは再現できません。

写真モード HDR OFF HEIC
写真モード HDR ON HEIC
PROモード ULTRA RAW DNG


一方iphoneはビニング処理をされるRAW12M PixelのみHDR処理がされて照明と背景のバランスをとってくれます。夜景などはRAW12M Pixelが良いですね。機能の切り替えがないので分かりませんが、JPGだとHDRはしてくれないみたいです。
この辺は両機で考えが違い面白いです。

iphone15 RAW 48M Pixel DNG
iphone15 RAW 12M Pixel DNG


ここでもiphoneはがっつりHDRを効かせてフラットな表現になります

まとめ

Xiaomi 14 Ultraの写真は大変優秀である・・・

何も考えずに写真モードで撮れば、ぱっと見た目綺麗な写真が撮れてしまう。それでいてスマフォっぽくなくて以外と素写真なのは流石Leica監修です。オーセンティックかバイブラントの好きなトーンを選んで、あとはスマフォ任せでOK!
iphoneと言えばスマフォ写真の一種の基準となっていますが、今回Xiaomi 14 Ultraと比べて一昔前の絵作りで作りすぎている感はありました。

50M Pixelは必要ない?

センサーがもつ50M Pixelは結局ビニング処理をするための素材で、Laicaが目指すのは12M Pixelの写真モードに集約されているのだと思う。データも軽くてノイズ処理、シャープネスなど最適化され操作性も良い。
それ以上の表現を求めるならRAWデータをいじれば良いというスタンス。


紅葉を撮ってみました

写真モード、PROモード、ポートレートモード、オーセンティック、バイブラントなど色々と変えています。
多少色がキツく出ていますが、SNSで使う分には十分すぎるのでは無いでしょうか。




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