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美濃太田駅前電線ねぐら

ツバメはヒナたちが巣立つと夜になると通常だと河川敷のヨシ原などに集まって集団で眠るのが通常です。これを「ねぐら」と呼んでいる。
越冬先の東南アジアでは電線でねぐらをとることは知られているが、日本ではあまり聞きかない。しかし、ごく希に沢山のツバメが電線に止まって夜を過ごす所がある。
その一つが岐阜県美濃太田駅前通りで大規模なねぐらとなっている。


いつからここのねぐらが形成されたかはよくわからない。
友人の話では2009年に観察したという報告がある。人に聞いたところ2003年にはあったということだ。そうすると17年は続いていたことになる。
夜車の通行が無くなり街が静かになるとツバメの落とし物が道路に落ちる音が聞こえる。まさかと思ったがよくよく耳を澄ますと微かだが確かに「ポトんポトん」と音がする。
何万羽というツバメだから聞こえてもおかしくないだろう。
住んでいる人にとっては大変かも知れない。商店街の人たちが毎週掃除をしていると聞いて、頭が下がる思いだった。ツバメを受け入れてくれる人たちのおかげで17年もの長い間ねぐらが存続できたのだろう。

2020年に取材に行った年が最後となってしまったようで、2021年以降のねぐら形成の記録が見つからないし、そばに住んでいる人の話しではツバメが来なくなったということだ。
美濃太田駅のそばを木曽川が流れているが周辺には大きなヨシ原は見当たらない。
果たして、ここに集結したツバメたちはどこへ行ってしまったのだろう。

府中四谷橋


東京では府中四谷橋のねぐらが有名だったが、そこも2015年に消滅してしまった。
2014年は3万羽を数えたが台風や大雨の影響でヨシ原が痛み2015年は飛来数が激減して自然消滅した。2002年に発見されて13年は続いたということだ。
四谷橋の動画はこちらから見ていただける。


多摩大橋

ねぐらが消滅してツバメたちはどこへ行ってしまったのだろうと心配をしていたところ、もっと上流の多摩大橋の河川敷にねぐらができたと友人から連絡をもらった。
ここは結構大きい河原でツバメたちは河原内で定期的にねぐらの場所を変えるようだ。
能登の河北潟でもねぐらを変えるようで場所の特定が大変だと言っていた。
ねぐらの場所を変えるのは規模が大きくなると何十キロとかなり離れたところに移動をしてしまうようだ。
2019年に1シーズン通ってその様子をまとめた動画を作った。
カメラ機材が2Kスーパースローモーション、4Kと進歩してより高画質で記録が残せるようになったのが嬉しい。

平城宮跡のねぐら

場所は違うが奈良の平城宮跡に広大なヨシ原があり、そこをねぐらとして利用しているのは有名だ。
やっと取材に行く機会に恵まれ撮影をしてきた。
ここはこれまでに見たこともないくらいに規模が大きく、集まってくるツバメの数が半端なく多い。
夕方の空を埋め尽くす迫力は実際に見ないとわからないかもしれないが映像を記録してきたので是非見て欲しい。


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