オルディア
彼は私がまだ中学生だった頃から一緒に歩んできた。
その頃はまだオルディアではなく、エメリオという名だった。
彼は虹の城の主にして虹の魔法使い。不老不死で金の髪をなびかせ静かに佇んでいた。
魔法を使うことで記憶や感情を失っていくという難しい設定をアイデンティティにする彼は高校生の私の手には余った。
女神との恋に破れ、幽閉され、あまつさえ愛する少女を守り切れずに死なせてしまった。
若さゆえにそういったものを好んでいたのも否定はできない。
もう一度、彼の物語に取り組んだのは六年前のこと。その時、彼の名をエメリオからオルディアへと改めた。目の色も緑から紫に変えた。
けれど、やっぱり寂しそうな彼をどうしてやることもできなかった。数多くの愛するものを持とうとして彼は失敗した。
そして今回、彼の物語についにピリオドがついた。
私自身の成長もあっただろうが、彼は多くの仲間に囲まれて幸福な青年になった。
物語を終えて、彼は思い出になった。
長く一緒にいたから寂しくもあるのだけど、さようなら、オルディア。
元気でいてね。
こちらで公開していますので、興味を持っていただけたら…
https://novelup.plus/story/357587073
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