読むこと

私は小説が読めない。
書いてるのに?と言われても理由はわからない。

昔はとにかく小説が好きだった。図書館が私の住家だった。

けれど、いつしか私は小説が読めなくなった。

時間がなかった。
気分じゃなかった。
言い訳ならいくらでもある。

でも、それだけなら不意と本を買って開けば読めるはず。
私は小説が劇物だと知っている。小説の中に登場人物の人生が記されている。価値観、生死、信条。

多くのものを小説にもらった。
泣いて笑って怒って。

それが怖かったのかもしれない。

精神的に弱いことは自分がよくわかっている。
ぐちゃぐちゃになってからうまく歩けない。
そのせいで小説も読めない。

必死に綴って綴って、私は長い青春、途切れた青春を一緒に歩いてきたオルディアと訣別した。
心のどこかでずっと一緒にいてくれた彼は私がもう大丈夫だと思ったから物語として去って行ったのかもしれない。

今日は小説が読めた。

積み上げた小説の山を少しずつ減らせるかもしれない。
そんな気がした。

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