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『大怪獣のあとしまつ』鑑賞

※ネタバレややあり

奥さんがどしても見たいというのでしぶしぶ鑑賞。。
酷評の嵐なのは知っていたので覚悟して挑みました。

★1.8

正直そこまで酷評されるほどつまらなくはないという感じでした。
面白くなりそうな要素も所々にあり、うまくすればそこそこ面白い映画にはなったのではという予感を感じさせる映画でした。
ただお勧めできるかと言うと、明確にNO。
2時間(とても長い)の映画が3時間に感じるほどには退屈でした。

肝心のあとしまつ

あまり腑に落ちませんでした。だったら最初からそうすれば?という感じ。
コメディ映画だからなんでも適当にやればよいというものではn……(タイトルでググるだけで酷評の嵐なのでこれ以上は何も言うまい)

良かったところ

ダムの下り

ダムのあたりは非常に面白かったです。あからさまな『アルマゲドン』のパロディは、パロディ元の良さが後押しして見ごたえのあるものになってました。(もっと露骨にパロディしまくればよかったのに)
作戦の立案、メンバー集め、実行までのプロセスが非常に良かったです。
このあたりは編集のテンポも良く、人の英知を集結して大自然にあらがうプロジェクトXみたいになっていて一番見ごたえがありました。

うんこゲロ

政治家の方々は非常に言葉遣いに気を使ってると思います。
それを皮肉って、腐敗臭の表現を「うんこ」「ゲロ」のどちらかでもめていたのは、少しだけ面白いと感じました。

国防軍という設定

特撮では大人の事情で「自衛隊」という名称は避けて「国防軍」などと名称を変えることが多々あります。
その設定を逆に利用して権力に貪欲な国防軍を描こうとしていたのは非常に斬新でした。怪獣映画に出てくる軍人はみな利他的な方々ばかりでしたので、ポリティカルフィクションとして権力に貪欲な軍人が現代日本を舞台にした映画に登場するのは個人的に好きなところでした。

怪獣との戦後

怪獣との戦いの後を「戦後」として描いているのは良かったです。
日本において「戦後」とは敗戦を意味し、重く暗い雰囲気が漂う言葉になっていますが、明るい戦後ってあったんだなという感じが映像で見られたのは非常に珍しいような気がしました。
もし日本が勝っていたらなんて考えてはいけないと分かっていますが、暗くない戦後と言うのは想像しがたいものではありました。

怪獣あとしまつものおすすめ

最後に怪獣あとしまつもののおすすめを紹介します。

『パシフィックリム』

この映画はもともと、怪獣を神と崇めて死体を建築や薬などに再利用する文化をもつ民族を描こうというコンセプトから始まっています(メイキング参照)。もちろん本編にもその断片がそこかしこにあり、あとしまつものとして非常に良いです。

『空挺ドラゴンズ』

ドラゴンという架空の生物が実在する世界。
捕鯨船のような飛空艇で空飛ぶ巨大なドラゴンを狩猟し、解体、卸売り業者に売却して生計を立てている人々を題材にした漫画。王道のあとしまつものと言っていい作品です。
ドラゴンを骨から皮まで余すところなく解体し分別して売却する様が非常に丁寧に描かれており、あとしまつものとして最高に面白いです。

ポリティカルコメディーおすすめ

スターリンの葬送狂騒曲

実在の国家、人物を題材にした権力争いのコメディー。
スターリンの死後、誰が権力を手にするのかという争いをコミカルにブラックユーモアたっぷりで描いていて非常に面白かったです。
「そんなばかな!www………いや、でもソ連ならありえたのかも…」という笑いとともに背筋が凍るような恐ろしい時代に思いをはせることのできる素晴らしい映画です。

以上

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