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得意≠好き,苦手≠嫌いの話

高校時代、得意科目は化学、苦手科目は数学だった。そして、好きな科目は数学で嫌いな科目は化学だった。得意不得意、好き嫌いが完全に逆転していたのである。実際、化学と数学の偏差値は10近く離れていた。しかし、数学の方が勉強していて楽しいので勉強時間は数学の方が多かったかもしれない。

しかし、このようなことは日常では意外と起こりえる。例えば単調な仕事の方が得意な人がいたとして、その人は同じ作業を繰り返す能力に長けている。しかし、内心では同じ作業の繰り返しに飽き飽きしていて、やりたくないと思っている。

このように、得意不得意、好き嫌いが食い違うジレンマの狭間にハマってしまう人も少なくないだろう。

「好きこそ物の上手なれ」とはよく言ったものだ。好き嫌いの前に、人には向き不向きがあるのだ。そして残酷なことに、そこに好き嫌いは関わってこないのだ。

おそらく「好きこそ物の上手なれ」はそのこと自体を楽しんでやれることが、習得までのいわば鍛錬期の苦痛を和らげてくれる。そういった意味だったのかもしれない。鍛錬期の長さ、習得にかかるまでの時間は人によってまちまちなのだ。

しかし、自分に向いていることが好きであるに越したことはないとは思う。受験期にどれだけ化学が好きであったら、と思ったことか。得意である以上は得点源であり、テストでも緊張感が走る。しかし、嫌いなのだ。何でこんなことしなくてはならないのかと考えながら、テストを受けるのである。

もし化学が好きならもっと得意になっていたかもしれない。

このようなジレンマはこれから先の人生でも付き合っていく必要があるのかもしれない。

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