■イカには自制心があるのか?・カズレーザーと学ぶを見て
8月6日放映の『カズレーザーと学ぶ』において、イカには自制心があるのだと紹介されていた。筆者的に、ちょっと引っかかりがあったので、それについて考察を少し。
検索すると、その実験は以下のようなものだった。(イカだけに・・)
1.透明の水槽の一画を間仕切りし、片方をブースA、もう片方をブースBとする。
2.Aに冷凍エビを解凍したモノを設置する。(解凍エビはイカにとってあまり好ましい餌ではない)
3.解凍エビに手をつけないでいたなら、ブースBに新鮮なエビを投入する。こちらは解凍エビと違ってイカにとっても好ましい餌。
4.すると、イカは最初の解凍エビに手を付けなければ、より好ましい新鮮なエビが出現すると学び、最初の解凍エビには手を出さなくなる。
筆者が疑問に思ったのは、“初回はどうしたのだろう?”という点だ。
基本的に、目の前に餌があったなら、すぐに手を付けるはずだ。
だとするならば、イカが食指を(触手を・・か)動かさなかったのは、この2つのいづれかという事になる。
α:解凍エビに気が付かなかった。
β:気が付いたが、満腹だったので、しばらく手を付けないでいた。
すると時間が経過し、Bブースに新鮮エビが現れ、それに手を付けた。
そしてこの偶然が何度か重なる内に、イカは“解凍エビにノータッチなら、新鮮エビが現れるらしい・・”と学び、以降、そうするようになった。
これにより、実験を施した研究者は「イカには自制心がある」と定義している。
しかし、本当にそうだろうか?
まず自制心以上に、『イカがその未来予測・推測を出来る』という方が驚きだが、まあ、それは一旦置いておこう。
もし新鮮エビに手を出さなかった理由がαであったなら、つまりはイカにとって、気が付いた時には、解凍エビと新鮮エビが同時に視界に入った事になり、新鮮エビの方に先に向かうのは当然と言える。
βであった場合も、時間経過と共に次第に食欲が湧いてきたので、そのタイミングで現れた新鮮エビに向かうのも当然と言える。
さて、この後者のパターンが何回か続いた結果、イカは“空腹の時でも、しばらく解凍エビに手を付けなければ、Bに新鮮エビが現れる”と学んだ、とも考えられる。研究者が主張しているのはこれだろう。(このイカが学習する知性も驚くべきものだが)
科学者・研究者は自説を世間に認めさせたいが為に、意識的に、または無意識に、実験にトリックを仕込む事がある。
また研究者の世界で生き延びる為にそれをするケースもある。
みなさんは『STAP細胞』を憶えているだろうか?
筆者は疑り深い人間なので、「予め満腹のイカを用意したのでは?」、或いは「解凍エビというモノ自体、普段からイカにとって積極的に食べたい餌ではなかったのでは?」という2つの可能性を考えている。
普段から新鮮エビだけを与えて飼育しているイカならば、冷凍エビを投入しても、それには目もくれない、という可能性もあるのではないだろうか?