#2.「明日から、好きなコーヒーショップ開いていいよ」って言われたら?

どうしますか?
コーヒーショップ = 喫茶店/カフェです。

そこで前回の視点を使って、アイディアを出してみようというnoteです。
(最後は脱線します)

視点は二つ。
①生活を良くするために、どんな喫茶店/カフェが欲しいか
②生活を良くするために、どんなコトがあって欲しいか

生活を良くするため、は生活を楽しむため、でもいいし、生活をご機嫌なものにするため、でも良し。②は最終的には喫茶店/カフェに落ちるようなアイディアで。

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/// おしゃれカフェ /// Photo by Igor Starkov from Pexels

最初に
①生活を良くする/楽しくするために、どんな喫茶店/カフェが欲しいか
の視点から考えるとして、下準備としてちょうど手元にあったブルータスに目を通してみる。

ふむふむ、コーヒー豆の新しい可能性を引き出そうとしたサードウェーブの流れが、豆の個性を上手に引き出すロースターの存在を際立たせていると。さらに、豆の個性の点でいうとこれまで国名でざっくり分けられていた豆の種類が、農園レベルまで細分化されてきている、と。

また、コーヒーを単独で味わうのではなく、インド料理や和菓子とあわせるなど、今までなかったコーヒーとのマリアージュを楽しむようになってきている、と。

この
横:コーヒー豆から、コーヒーを作るまでのプロセス(時間)
縦:どこで、なにとコーヒーを楽しむかのシーン(場所)
の両方でコーヒーの楽しみ方が拡がっているのが今の状況といえるのかな。

中華料理に合わせるなら、コスタリカの××農園の豆を〇〇のロースターで浅煎りで仕上げてもらったのをネルドリップで淹れると相性よし、みたいな。

といった流れがあるとして、あなたならどんな喫茶店/カフェを出しますか?

プロセス軸のどこかで独自のこだわりを見せる。豆にこだわる、ローストにこだわる、淹れ方にこだわる。
あるいはシーン軸で、コーヒーと合わせるものに特色を出す、飲む場所にひねりを加えるか。

チーズケーキが好きなので(レアもベイクドも両方)、いろんなチーズケーキにあうコーヒーを出すお店、なんかあったら嬉しいですね。チーズケーキも一口、二口サイズでいくつか種類を楽しみたい!

ただ、抜けてはいけない視点として、

【人々がいまカフェ/喫茶店に望んでいるもの × 他にはない独自性】 

が必要だと思いますが、あなたならどんなカフェ/喫茶店だしますか?


/// 考え中 /// Photo by R. Mac Wheeler on Unsplash

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「アメリカーノ専門店ってどうでしょう?」

という提案をしたいと思います。

「アメリカーノ(エスプレッソをお湯で薄めたコーヒー)なんて邪道だ!」
「本格志向のトレンドに逆行してる!」

なんて思うかもしれませんが、これだけ豆の個性がいろいろあって、焙煎も多様化している中で、本当においしいアメリカーノを飲んでみたくないですか?今まで飲んでたアメリカーノはなんだったのか、と思わせるくらいの。

また、意識として、

①コンビニでもコーヒーが気軽に買えるようになって、一日何杯もコーヒーを飲む人が増えてきている。そういう人にとって、今の味がしっかりした個性の強いコーヒーはちょっとお腹/胃にきつい。

②サントリークラフトボスのようなペットボトルコーヒーのヒットにみられるように、コーヒーをライトにごくごく飲みたいニーズがある。

③今のコーヒーは主張やこだわりが強すぎて、もっと気軽に飲みたい。


みたいなところから、より気軽にごくごく飲めるあっさり後味のコーヒーというニーズがあると思うのです。

ワインのようにスノッブを利かしてうんちくを語るものもあっていいけど、ゴクゴクのんで、あーおいしい、みたいな何も考えずに手軽に飲めるコーヒーショップって、トレンドの逆張りのようで、意外とニーズがないでしょうかね。

あわせるデザートも、カフェで定番のケーキのようなのおなかに貯まるものではなく、ドライフルーツやナッツのような小腹満たしのようなもの。気軽でライトな、コーヒー初心者でも入りやすいコーヒーショップ。

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まあ、アイディア出しはここまでとして、

①生活を良くする/楽しくするために、どんな喫茶店/カフェが欲しいか

という視点でアイディア出しをしてみたけど、
喫茶店/カフェという既存のカテゴリーから出るのは難しい!
というのが感想。

アメリカーノ専門店といっても、細分化された一つのカテゴリー。自分がある程度運営のノウハウがあれば、コンセプト別のカフェのポートフォリオくんでそのうちの一つにいれてもいいかもしれない。でも、この思考法だとゲームチェンジを促すような軸は出てきづらい。この業界にそれがいるかって話もあるけど。

一方で、アイディア出しは楽しい。ある程度イメージがあるからね。素直にこんなお店あったら嬉しいなってのを、思い浮かべて、それってなんでだろうと探っていくと、アイディアが輪郭を帯びてくる。うむ。

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では次に、

②生活を良くするために、どんなコトがあって欲しいか

の視点からアイディアを考えてみましょう。

これはどう問いかけるかが重要だと思うけど、
そもそもコーヒーってあなたの生活においてどんなものですか?

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Photo by rawpixel on Unsplash

自分にとっては、コーヒーは飲むものではなく、淹れるものと言ったほうがしっくりくる。理想でいうと、自分で豆を挽いて、ペーパードリップで淹れたい。
お湯を入れているときは仕事や雑念から解放され、この行為のみに集中でき、軽くゾーンに入ったような状態。
やかんからドリッパーにそっーとお湯を注ぎ、粉がブクブクと有機体のように膨れ上がってくる様子を見ながら、最初の一滴が抽出されるのを待つのは至福の時間。
ポタッ、ポタッ、ポタタタタタ っと茶色の水滴が小川に、そして滝のように流れおち、コーヒーの匂いがばっ広がる瞬間は何度味わっても飽きない。
なにより重要なのは、自分で淹れたコーヒーは世界で一番うまい!、と(その場では)思えること。友達や彼女にコーヒー出して、おいしい!と言ってもらえたら、なおうれしい。

と自分のことを振り返ってみると、自分の生活においてコーヒーは自分で淹れることに価値があると思う。飲む時間も含めて、いったんリセットされる感じ。でも、実際にはコーヒーミルを毎回掃除したり、常に新鮮な豆をキープしておくのは難しい。

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だったら、そこにイノベーションのタネがあるんじゃない?


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自分でコーヒーを淹れる喫茶店 - Self-dripping cafe

ってあったらどうですか?

コーヒーミル、ドリッパーを自由に使っていいお店。お湯の温度管理も万全、やかんも先っちょが細いコーヒー専用。

完璧なコーヒーを淹れるためにすべての用具がそろった喫茶店。
ただしコーヒーを淹れるのはあなた。
コーヒーを淹れるという最高の体験をサポートします。

というコンセプト。

喫茶店をコーヒーを飲む場所からコーヒーを淹れる場所へとはジャンプしていると思う。という意味では競争軸を大きくずらしている。

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アイディア出しはここまでとして、これでビジネスとしていけるだろうか?という疑問が条件反射的にわいてくる。
(アイディア出しの時点ではあまり考えてはいけないけど)

コーヒー教室はスタバでもやってるし、自分で美味しいコーヒーを淹れたいニーズはある。けど、一回習っただけじゃ物足りないし、もう少しステップアップしたい人がいるんじゃないかという仮説もある。自分で淹れたいけど器材とかの後片付けはめんどくさくて、マグカップに乗せて淹れるタイプで満足している人もいそう。

単体のビジネスとしては難しいかもしれないけど、ミルやドリッパーを扱っている会社(ハリオ、カリタ)にとっては商品に触れてもらういい機会になるし、ドトールやUCCのような自社でお店をもってる会社にとっても、珈琲文化をより浸透させたいという想いにあう場所になると思う。
(逆に、個人経営の店としては難しそうですね)

ハリオは海外でも人気があるから、空港のような待ち時間がある場所でパイロットショップみたいな形でも出せば結構売り上げにもつながるんじゃないかな?

まあ、売上的な数値は詰めていくとしても、おそらく”これはいける!”って確信は最後まで持てなくて(持てたらすぐゴー!)、最終的な決断においては、なぜこれをやる必要があるのか?ってところにいくケースが多いんじゃないかと思う。

コーヒーを淹れる楽しみを通じて、
コーヒーのことをもっとよく知ってもらいたい。
生産者のことや、焙煎職人のこと。
いつも淹れてくれる喫茶店のマスターのこと。
そして、美味しいコーヒーを自分で淹れられるようになると、
毎日の生活がちょっと幸せになること。

コンビニで気軽に出来立てのコーヒーを飲めるようになってきたからこそ、次のステップとして、よりコーヒーに近づいてもらうことがコーヒーを扱う企業にとっては必要、みたいな話はあると思う。

つまり、イノベーティブなアイディアが活かされるかどうかは、企業がどういう社会を作っていきたいのか、という想いの強さとも深く関係しているのだと思う。

目指す姿と現実とのギャップ、それが大きければ大きいほど、想いは強くなり、イノベーションのアイディアはいたるところに見出せる。逆説的にいうと、どういう社会を目指すか?という想いがない限り、いくら調査しても、イノベーティブなアイディアは出てこない(実現されない)のではないか。

で、この想いの強さというのが「ブランド=宗教」という最近気になる部分とも関係してくるのかな。

と、わかったのが今回の収穫。

イノベーションは、”わたし”の強い想いから生まれる。by nanashi



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