【昭和歌謡名曲集56】バス通り 甲斐バンド
若い時の甲斐さんの声はいい。甘い。ボーカルで声がいいのは、やはりとてつもないアドバンテージである。サッチモ(ガマガエル)みたいに、声の悪いのを売りにする場合もあるが、無理して声を潰すことはないと思う。もんたさんとかバービーの杏姉さんとか、海で大声出して喉を潰したとか聞くと、気の毒に思う。声を悪くすることはできるが、よくすることはできない。若い時の甲斐さんの声は、誠に色っぽい。「裏切りの街角」は、ホステスさんによくウケた、とか自慢してたが、自慢していい声質である。長年、歌って、あの声は失われたが、私は覚えている。録音もある。文明とは偉大である。
甲斐バンドは、79年、「HERO」「安奈」と大ヒットを続け、ベースの長岡さんが脱退して、バンドはどうなる解散か、と気を揉ませて、出した新曲が「ビューティフル・エネルギー」だった。当時、なんだこれ? と強く思ったことだ。
デビュー前の音源である。
曲が悪いんじゃないのよ。あの流れで、これ出すかね、という。
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