帰国子女
■フランス編
帰国子女というとなんともエレガンスな響きで、リッチな香りが漂うが、あいにく僕のフランス生活はセピア色の日々だった。
地元の男の子と公園で仲良くなったことで図に乗った若かりし日の僕(当時6歳)はそれまで通っていた日本人学校から現地校へ転向したいという浅はかな思いつきを両親に告げた。(ちなみにこの浅はかさは20年近く経った今も変わっていない。)現地校に日本人が隣のクラスに2人(女の子)しかおらず、その2人もほとんど日本語が喋れない。カラダもみんなひとまわりデカく、髪の色も肌の色も違う。僕の知ってるフランス語なんてボンジュール、ウィくらいであった。スーパーアウェイである。
授業中は先生が何を言ってるかチンプンカンプン。トイレに行きたいと言うのも伝えられずそこらへんで立ちション。周りからはミョーに気を遣われる。昼休みどうすればいいのかわかんなくてポーッと立っているとデッカイ男の子たちに囲まれて決闘。大外刈りとかで吹っ飛ばされる。ブラジル人の全員がサッカー上手いわけじゃないように、日本人がみんな柔道できるわけじゃないんだぞバカヤロー。
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