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チャットAI 「Claude」名前の意味・由来とは?

AIチャットボットサービスのトップとしてChatGPTがその地位を揺るぎないものにしている一方で、それに匹敵する存在として注目されているのが「Claude.ai」です。

最近では、ユーザーがClaudeとやり取りしながらコンテンツを作成できる「Artifacts」や、プロジェクトごとに資料やプロンプトを集約できる「Project」などの機能が追加され、今後さらに活用されることが期待されます。

ところで、皆さんはこの「Claude」という名前の由来をご存知でしょうか?

ChatGPTであれば、その名前の由来は何となく想像できるかもしれませんが、「Claude」という名前は、多くの人にとって馴染みがないかもしれません。

実を言うと、私もサービスの名前について特に気に留めることなく使っていました。しかし、最近興味を持って読み始めたレヴィ=ストロース(Claude Lévi-Strauss)の名前が「クロード」であることに気づきました。さらに、印象派の画家クロード・モネ(Claude Monet)の名前も「クロード」であることから、どうやらフランス人の名前に多いのではないかと考え、調べてみることにしました。日本語ではあまり情報が見つからなかったため、Perplexityを用いた英語での検索を基にわかったことをシェアする(スレッドは以下のURLから参照できる)。
https://www.perplexity.ai/search/what-does-the-origin-of-the-na-3AKPidKlTM2S2i31Ihc9fg

名前の由来:ラテン語の男性名「Claudus」

主な説明をくれたのはこちらのサイト。

「Claude」という名前は、ラテン語の「claudus」に由来する男性名「Claudius」に起源があります。
もともとは肉体的な限界を示すもので、その意味は英語で「lame(足が不自由な)」や「crippled(手足の不自由な)」と表現されます。

これらの元の意味は、やや暗くネガティブな印象を与えるように思えるため、名前に使われることは避けられそうです。

転換点:ローマ皇帝の名前に用いられたことに由来

しかし、転機となったのは、紀元41年から54年までローマ皇帝を務めたティベリウス・クラウディウス・カエサル・アウグストゥス・ゲルマニクスの存在です。彼の名前「Tiberius Claudius Caesar Augustus Germanicus」が長い歴史を経てフランスに伝わり、「Claudius」から「Claude」へと変化していきました。

ローマ皇帝の風格を持つ「Claude」という名前は、貴族や宗教団体の間での区別を表すものとして、上流階級で広く受け入れられていったようです。

現代の「Claude」の名前の意味

参照したサイトによれば、「Claude」という名前は次のような意味合いを持つものとして定着しています。

  • 知恵と知性:その名を持つ者は、しばしば複雑な考えを容易に操る聡明で直感的な人物として認識されます。

  • 芸術的表現:絵画、音楽、文学など、創造的な追求と結びつけられることが多く、芸術的才能の深い源泉を持つことを示唆しています。

  • スピリチュアリティと哲学:瞑想的、哲学的なニュアンスを含み、存在の形而上学的、精神的な側面に調和する人物を暗示しています。

  • リーダーシップ能力:クロードという名前は、自信と信念を持ち、影響力と権威のあるポジションにふさわしい特性を備えた人物を表します。

このように、「Claude」という名前には重厚感や深みを感じさせる要素が含まれています。

一方で、この名前の人気(名前に用いられる頻度)は、歴史的に変動してきました。参照サイトによれば、少なくともアメリカ国内では、「Claude」という名前は数十年の間に浮き沈みしてきたとのことです。

「命名データによると、クロードは1880年から1949年まで、最も人気のある男性の名前トップ200の中でかなりの存在感を示し、1920年代前半にはトップ100に入ることさえあった。 しかし、20世紀後半には、この名前の使用率は着実に低下した。 1970年代までにその人気は著しく衰え、1990年代にはトップ1000から完全に脱落した。 2018年、米国でクロードという名前を授かった男児はわずか204人で、全盛期とは対照的だ。 米国ではこのように人気が低下しているにもかかわらず、近年、国際的にはクロードという名前への関心が再燃している。」

AIサービスが「Claude」と冠された理由

私が調べた限りでは、AIサービス「Claude」の名前の由来について公式な説明は見当たりませんでした。

試しにClaude本人に聞いてみたところ

「私の名前の由来は開発者であるAnthropicから与えられていません。彼らに直接聞いて下さい」

とのこと。

ただし、Claudeサービスを提供するAnthropicのミッションや設立の背景を鑑みると、この名前の選定にある程度の意図が感じられます。

Anthropicの創業メンバーは、AI開発において倫理と責任に対する強いコミットメントを共通のビジョンとして掲げています。サービス名やUIの雰囲気が反映されていることが伺えます。

公式サイトによると、Anthropicのミッションは

reliable, interpretable, and steerable AI systems” (信頼性が高く、解釈可能で、操縦可能なAIシステム)の開発

https://www.anthropic.com/company

とされています。

彼らはAI開発において、倫理と責任へのコミットメントを旗印に技術者集団を結成しました。この信念を基に開発された「Claude」のUIは、どこかヴィンテージ感があり、古文書を収めた図書館のような重厚感を感じさせます。多くのAIサービスが近未来的なデザインを採用する中で、ClaudeのUIは出色です。

このように、地に足のついたAI利用を念頭に置くAnthropicが「Claude」と名付けた意図が浮かび上がってきます。クラシカルで重厚感のあるこの名前は、フューチャリスティックな技術革新に歓喜する人々とは一線を画そうとする、彼らの意思の具現化であると言えるでしょう

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