2歳児トリリンガル記録①日伊英使い分けについて
現在、北イタリアに在住のTomokoです。イタリアに住みつく前はNY, London, 上海に住んだことがあり海外生活10年になります。
イタリアハーフの2歳になる娘のことばについて話をしてみたいと思います。
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2歳児の言語への柔軟さに関しては驚きの連続。新しい言葉を真新しいスポンジの如く吸収して、翌日にはもう使い始めている。
■日本語、イタリア語、英語が混在
娘は、母の私とは日本語、父や祖父母とはイタリア語で話す。イタリアに住んでいるから外に出ればみんなイタリア語を話すわけだし、一緒に遊ぶ子どもたちから学ぶのもイタリア語。なので当然イタリア語が優勢になる。
英語は教えるというよりもまずは身近に感じて欲しいので、数字や色は英語を使うようにしているが、それ以外はあまりフォースしない。
言語がルー大柴以上にミックスになるけれど、2歳児のいまはこれで良いと思っている。
いずれにせよ、彼女は、言語を〇語△語と分別収納し相互変換しているのではない、つまり母国語がまだ定まってはいない段階なので、最初に浮かぶ言語から別の言語への変換をしているわけではない。
とにかくたくさんの器に盛っていって、話す相手の言語によって取り出すお皿を変えている。
ドラえもんの無限ポッケみたいなところから、ひっぱりだしてきている。
少なくとも私にはそんなふうに見える。
■日本語ゼロのパパ
私は夫とはイタリア語か英語で話す。NYで出会った頃に、お互いの言語の本を買って勉強し始めたはいいが、最終的には私だけが真面目にこつこつイタリア語を身につけた。
潔いイタリア夫、当然娘と私の間で繰り出される日本語会話は理解していない。
牛乳飲みたい。
と言われて、ママはいま料理しているからパパに頼んで。と言えば彼女は
Mi dai il latte? 牛乳くださいな。
と言う。パパにはイタリア語で言わないと通じないと分かっているからだ。
■日本のジージバーバとは
スカイプやLINE通話で毎日のように日本の家族と話している。5歳になるいとことは、お互い絶妙な空気感で会話になっていないが、対面を楽しんでいる。
一方で祖父母とは、娘は日本語とイタリア語ミックスで話をする。2歳児の発音は日本語でさえまだはっきりしていないために、ミニバイリンガルとのすれ違いは簡単には穴埋めできないようだ。
パンたべた〜 はちみつヌリヌリ~
と画面越しに発声しても「はちみつ」の発音が不明瞭でうまくguessできないバーバとは、数分間にわたり
あちみちゅ
え?
あーちーみーちゅー
なにー?
が続くわけだ。バーバには、それが日本語なのか外国語なのかもわからない。そのために思考停止に陥ってしまう。
そのときは娘の言葉が理解できる母わたしが訳してサクッと次の話題に移行、で徒労を回避。
■言えない「かきくけこ」
娘の発音を注意深く観察すると、特に「か行」が言えていない。
か き く け こ は
た てぃ とぅ てぇ と になっている。ほぼ「た行」。
いか→いた
つき→とぅてぃ (つも発音できない)
あるく→あるとぅ
■ゆっくり発音してみるとトリックがみえる
舌が口のなかで浮いた状態の音が出せず
前歯の裏側に舌がくっついた状態で発音しているために
「か行」が「ほぼ た行」になるというからくり。
子どもの発音について調べてみると、か行は舌の奥を持ち上げて出す音で舌の筋肉が必要。うがいで舌の筋肉が鍛えられるらしいが、彼女はまだうがいができない。それで舌の先により力が入る「た行」になるとのこと。
4歳くらいまでに発音が定まってくるという話を聞いたので、いまは焦らず彼女の「ほぼ た行」にゆっくりにっこり耳を傾けていきたい。
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◆今日の使ってみたい英語フレーズ◆
オーストラリアの子育てサイトで興味深い記事を発見したので、そちらから。
Pronunciation in language development
By three, your child will use most of the speech sounds in his words, but he might still pronounce words differently from adults. Some difficult sounds like ‘z’, ‘sh’, ‘f’, ‘v’, ‘r’, and ‘th’ might still be hard for your child to say. By the time your child is three years old, unfamiliar people will be able to understand about three-quarters of what he’s saying.
言語発達における発音
3歳までに子どもはほとんどの音声を使うようになるが、まだ大人とは違った発音をするかもしれない。 z'、'sh'、'f'、'v'、'r'、'th'のような難しい音は子どもにとってはまだ発音しにくいだろう。3歳になる頃には、子どもにとって親しくない人でも言っていることの4分の3くらいは理解できるだろう。
英語で難しい発音があるように、日本語でも発音しにくい音があるのは当たり前のことだけれど、日本で日本語で育っているといつのまにか発音できている。
だから英語だっていつか発音できるようになる!と信じて。