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「おおいた起業体験プログラム2023」のその後|2023おおいた起業体験プログラム⑤

もう3月も終わろうとしています。2月末から3月にかけて香港、シンガポール、台北と各地を回ったことで考えたこともたくさんあるのですが、その記録はまた改めて。

ところで,2月中旬に開催した「おおいた起業体験プログラム」のコア・プログラム「dot.マルシェ」が終わってもう1ヶ月以上経過。時の流れはとても早いです…。豊後大野チームのみんなは高校を卒業し、新たな進路に向けて準備中、佐伯チームの2人は3/20にKIISAに150人の来場者、8人の仲間、高校生や大人を巻き込んだで「クリームソーダ」というイベントを開催。それぞれの街で学生と学んだ高校生が次の流れを作り始めています。

今回はプログラムを終えて1ヶ月を経過した高校生たちがどんなことを今感じているのか。大学生にはそれぞれの高校生がどんな街に暮らしているのかを知ってもらうことを目的として,3月22日から23日にかけて豊後大野→佐伯と伺った記録をしておきます。

1日目:豊後大野へ移動

昨日午後、終業式を終えたばかりの娘氏と学生3人を乗せて豊後大野へ。

福岡からは都市高速,大分道を乗り継いで湯布院インターで下り,そこから山あいの道を縫うように走って約3時間。途中,ラムネ温泉で有名な長湯温泉の近くを通りつつ,走り抜けた。

豊後大野ではcocomioに宿泊

今回の宿泊地であるcocomioに着くや否や見覚えのある車が止まっていたのでまさかと思ったら,浅利善然さんと再会。短い時間の立ち話ではあったが,再会を楽しんだ。遅れてきたゼミOBの2人(1人は日田在住で今回のプログラムに大きく貢献をしてくれた。もう1人は1年間のイギリス留学から帰国。時間があるので遊びに来てくれた。)と合流して軽くミーティングのあと夕食に。これがGoodな選択。食事うまし。特に蕎麦が。

夜は0時頃まで雑談。あれやこれやとプログラムのことについて話をしていた。学生の間はいろんなことがありますが、目線を高く、レベルアップを図って欲しいですね(笑)

2日目前半:cocomioで豊後大野の高校生との対談

起床後、美味しい朝食を頂いて、豊後大野の高校生たちと対談。1ヶ月ぶりの再会でふりかえりをしつつ、今考えていることを共有。

朝からプログラムその後について対談

残念ながら2月のマルシェ時にはインフルエンザで参加できなかった高校生も加わって3人の高校生と4人の大学生で対談。豊後大野の3人はいずれも3年生ということもあり,1人は短大,1人は専門学校,1人は就職と4月からはそれぞれの道を歩む。それを前にしての心境とプログラムを受講して変わったこと,今感じていることを語ってもらった。

2日目後半:佐伯にて

午後からは佐伯へ。豊後大野の高校生たちも同行。亀八寿司で海鮮丼を頂く。

ランチは佐伯で亀八寿司

さらに佐伯と言えば糀屋本店に。浅利妙峰さんに直々にご対応頂く。ありがたい時間。

糀屋本店で

そして、いざKIISAへ。KIISAでは見覚えのある顔が集まっていて、さっそく報告会。

佐伯での活動報告会の様子

イベント「クリームソーダ」の報告を佐伯チームからすれば、それに対してコメントをする豊後大野チーム。佐伯から参加してくれた高校生からは「プログラムで学んだこと、経験が生きていた」と言うし、メンターをお願いした富崎一真さんも「一皮剥けた」と。富崎さん渾身のブログはこちらから読めますので,大人目線からの「おおいた起業体験プログラム」をご一読頂きたい。

正直ネタバレになりますが,ブログの最後にはこんな事が書かれていたのでシェアしておく。

今回の取り組みを振り返って、学生の仕事に関する見え方、受け止め方が変わったのではないかと感じました。

商品販売に伴って顧客目線で考え、販売商品や販売数を検討する中で生産者や販売者側の立ち位置で考える必要があったので、世の中の企業がどのような考えで事業を行っているのか通常の企業見学では考えが及びづらい事業の深い部分まで考えをめぐらせるようになったと思います。

その証拠にその後に行った修学旅行では当初思ってた事と違う視点で色んなものを見たと参加学生から教えてもらいました。多分相当視座が高くなったんだと思います。

これまで興味のなかった知識の領域や学びを得たことで取り組んでみたいことや難しい課題に挑戦して乗り越えられる術を身につけることが出来るし、そのための仲間や協力者と出会うことも出来る。

こういう気づきは学生自身の自信や肯定感、意欲となって進路選択の可能性が大きく広がることにつながったようですし、大学生や大学の先生と関われたことで可能性実現のために必要なアクションが明確になるなど大きな変化と成長の機会となりました。

富崎さんによるKIISAブログより抜粋

最後にこんな事も書かれていました。

「福岡はやはり遠いので佐伯の学生が参加するのはかなりハードルが高いですし、宿泊を伴うのでそういう点でも難しい面はあると思います。ただ、佐伯だけでは得られない大きな学びと経験が得られると確信を持って言えるのでもし来年も同様のプログラムを実施出来るなら是非勇気を持って参加に手をあげてくれたら嬉しいですし全力でサポートします。」

私がスプラウトを通じて行いたいことの1つがここに凝縮されている。

まず,地方の高校生にとって福岡で物販をするということのリアリティの低さ。わざわざなぜそんなことをするのか,これを伝えるのは難しいものがある。今はオンラインがあるからといっても,普段見えている景色が異なれば,共通言語で話すことすら難しい。これに加えて宿泊してまでも行く価値をどのように高校生に理解してもらえるようにするか。このあたりは最近いろいろと議論をさせてもらって気づいたこともあるので,最後のまとめで少し触れたい。

報告会で豊後大野と佐伯,そして大学生が久しぶりに集う。

次に,「佐伯だけでは得られない大きな学びと経験が得られる」という点。大学生と高校生,大都市と地方都市の「立場の違い」を乗り越えつつ,互いの環境で何ができるか,そのための議論のベースをどう作るか(アントレプレナーシップ,コレクティブ・ジーニアス。そして,講義で提供しているさまざまな理論の話)を大学生と高校生の共創的な学びの中で構築されていることを期待している。「越境」をすることで自分の立ち位置を確認して,自分では気付けなかったスイッチをONにすることもできるかもしれない。

何はともあれ,高校生たちのプレゼンテーションを聞いてこのプログラムが持つ可能性に1つ気づけた。大きな収穫を得た。

終了後、私たちもクリームソーダを頂いて撤収。

美味しいクリームソーダ。
いろんな人がKIISAを場に混じり合うようにという意味を込めているのだそう。


ちゃんと刺さるようにやれば大きな効果を生み出すかもしれない「スプラウト」。やってみよう、やってみた、うまくいかなかった、ふりかえりして修正、うまくいったをどれだけ繰り返せるか。そして学んだ高校生が別の人を連れてきて新たなチャレンジを始める。最高の展開。

豊後大野と佐伯チーム、みんなで記念写真。

こうした経験を持つ彼・彼女たちが次のステップを歩める場所をどこに定めるか。それを提供できるようになるまでを作り込むことが次の5年の目標でもある。

まとめ

こうして2日間の弾丸ツアーは終了。本当は日田の高校生たちにも話を聞きたかったが,今回はスケジュールの都合上,難しかった。また2024年度も実施する予定なので,その際に彼女たちに話を聞いてみたい。

さて,まとめというか,雑感になるが,ここでこの春に気づいたことをまとめておく。それは,授業の目的を「満足度」に置くのか,「理解度」に置くのか,それとも「未来につながるかもしれないわけのわからないこと」に置くのかということである。

満足度は理解度とつながっているかどうかと言われればわからない。むしろ,好き嫌いと強いリンクをしているかもしれない。なので,満足度という主観的な指標を取り上げて,このプログラムの評価をしてはならないと考える。

また,このプログラムを通じて豊後大野の高校生のように,進路に対して目標を見出し,教えてもらったことを実践することで世の中の見え方が変わってしまった(原価や利益を考えるようになってしまい,素直にお祭りを楽しめなくなった?)ような場合,これは「確変的」に起きるもので全てに当てはまるものでもない。

要するに,教育効果なんてものをどう測るかなんてのはそもそも難しいこと。

しかし,他のアントレプレナーシップ教育プログラムでどこまで取り組まれているかは不明だが,「スプラウト」の大きな特徴は受講生に対して調査を実施していることにある。すなわち,プログラムを受講して何が大きく変わるのかということ。もちろん,学校で彼・彼女たちが受ける教育は私たちだけのものではなく,ごく一部であることも承知している。

果たして私はどこに向かおうとしているのか。正直,わからなくなってきた(笑)

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