1キャラごとに違う道のりも歩める! 膨大な物語が詰め込まれた月額無料のMMO「ESO エルダー・スクロールズ・オンライン」
ESOはTESシリーズの舞台である「タムリエル」本土やオブリビオン領域などを舞台とした、膨大なクエスト数と多数のストーリーラインを内包するMMORPGです。基本的に遊ぶには「ベースゲーム」だけが必要で、より世界を広げていくには
・月額課金ならいつでもタムリエル全土やDLCダンジョンに行ける
・DLC購入で行ける土地、ダンジョンを増やしていく(セールあり)
この2通りの課金形態が選べます。ベースゲームは通常2,200円ほどですが、セール時には600円台で販売されることもあります。
実質買い切りでも遊べる歴代TESシリーズのテーマパークであり、それがこのMMORPGの一番の魅力なのですが、「TESって何?」という人には今一つ伝わりにくい魅力です。
この記事ではそういった人に向けて、「ESOって何がおすすめなの?」や「どういう遊びができるの?」といった点に焦点を当てて紹介していきます。
またソロで遊べるかどうかなどはこちらの記事でまとめているので、ご興味あれば合わせてお読みください。先に言ってしまうと「全部は無理だけれど大半はソロでやれる」です。
■独特な世界観を持つTESのファンタジー観とゲーム性
・独特の世界観に息づいた連綿とした歴史観
TESシリーズのファンタジー観は、いわゆる「線の細い美系の森の守護者のエルフ」「鉱山地帯に暮らす屈強な小人のドワーフ」「人間種族が最も数が多く平野を総ている」「人ベースで可愛い寄り・美形寄りのケモミミ獣人がいる」、といった国産ファンタジーのステレオイメージとは異なっており、かといってトールキンの「指輪物語」をベースとした純正ファンタジーともまた異なっています。
例えばTESシリーズにも「エルフ」は居ますが、
・エイドラ(良い神的な存在)の系譜であることを自称し、他種族よりも身体的にも魔術的にも恵体の傾向があり、そうした特性や長命種としての威厳・ノブレスオブリージュの観点で視野を広く行動している者も多いが、本国はガチガチの権威主義と古典主義と排他主義が重んじられ他種族は基本的に大上段から見下し同種族ですら生まれながらの能力や容姿で差別する社会を構築しているハイエルフ(アルトマー)
・元は輝く黄金の肌をしていたが悪しき神に種族ごと呪われて黒灰の肌色になり、それはそれとして元々気性の荒さと剣呑な賢さと支配性が強い種族傾向があって他国への侵攻どころか種族内の名家(貴族)間でもドンパチし続けており、さらに獣人種族を「泥の中の獣を文明の中に引き上げてやった」と堂々奴隷化していたしなんならその種族と同盟を結んだ今でも奴隷狩りしてる派閥があるダークエルフ(ダンマー)
・自然の神を崇拝し、森の守護者として森に棲み、狩猟が得意で森に根付いた魔法を使う、「森の植物の一切を傷つけない」誓いのために主食が肉、酒も肉、食用肉に範疇にはエルフ肉人肉も含み、その森で植物を採ったものは他種族であろうと腕を切り落とされかねない振り切った独自性の強さとブレなさを併せ持つウッドエルフ(ボズマー)
など、とにかく良い所も悪い所もあけすけで、全種族歴史の深さや文化のクセが強すぎるのが特徴です。
種族それぞれにルーツや文化があり、互いに侵略し、侵略された歴史があり。それぞれの種族の「故郷」に近いほど文化が色濃くなり、他地域では異常なことがその地域ではまかり通っている様が見られます。
またそれぞれの種族に信仰や神話があり、しかし完全に個々で独立している訳ではなく、他種族間で名前や役割が近しい神々も見られます。
ESOはそうした文化の違いを、プレイヤーが現代的な価値観をもって是正や改善をしていくのが目的となるゲームではありません。「来訪者」「旅人」「新参者」など呼ばれ、助けを求められれば助け、あるいは見捨てる選択肢すら選べる、完全に「外」の立ち位置から地域や人々に関わっていくスタンスが貫かれているように感じられます。
これは洋ゲーらしさというのか、「およそ手遅れ」な状況に放り込まれて-10を0に近づけるべく奮闘したり、「これさっき来たばかりの外部の人間がやらんとだめか!?」という選択を迫られる事もある、シビアなダークさを持ったクエストが多いです。
クエストに決着がつけば身内として受け入れられることもありますが、プレイヤーキャラがそこに定住することはなく、つぎの冒険地へと旅立っていきます。
メインクエストは流石にマルチエンドでは無いもののクリア後の生存者の数が変化したり、サブクエストでは全く正反対の結末を迎えることもしばしばです。
さらに各々の種族に文化や特性があっても、それが「種族としてのステレオタイプ」という訳でもありません。種族的な傾向はあっても、個人として住む地域や本人の人柄によって社会性にグラデーションがあるのも、タムリエルの各地域に行けるESOならではの面白さにつながっています。
・エルフや人間、オーク、ネコ・トカゲの獣人から種族を選ぶ
プレイヤーキャラとして、次の種族が選べます。
書ききれないほどの種族文化や個性があるのは先述した通りですが、インペリアル以外の各種族は、ESOにおいては3種族ごとに同盟が結ばれており、過去の遺恨を抱きつつも同盟内で団結し、敵である2同盟と三つ巴の戦いを繰り広げている、という世界に飛び込むことになります。
次の3つのリンク先で、種族のより細かな解説が見られます。
「エボンハート・パクト」……アルゴニアン、ダークエルフ、ノルドの同盟
「アルドメリ・ドミニオン」……ハイエルフ、ウッドエルフ、カジートの同盟
「ダガーフォール・カバナント」……ブレトン、オーク、レッドガードの同盟
インペリアルはその3勢力がまさに玉座を争っている、タムリエル大陸の中央に位置する「帝国」シロディールを故郷とする人間種で、状況的にはどの同盟も故郷を混乱に乗じて奪おうとする敵です。
そしてシロディール自体は国同士の戦争以前に「デイドラ」という悪魔的な存在・悪しき神に帝都が征服されきっています。(一応、三国側も帝都をデイドラから奪還したいという目的もあるんだと思われます)
踏んだり蹴ったりですが、そんなインペリアルだからこそ故郷をまずはデイドラの意のままにさせまいとする首都内のクエストが沁みます。
この種族(陣営)ページでは各種族のパッシブスキルが紹介されており、何となくゲーム上のメタを含めて「ああこういう種族か」というのがより伝わるんじゃないでしょうか。記載されてるのが現行の能力と違う気がする。
個人的な推し種族はエボンハート・パクトのアルゴニアンです。キャラメイクの選択肢として非常に珍しいリザードマン系の種族で、泳ぐのが速いので広大な世界の中で出くわす水場もスイスイ快適に旅できます。
・スキルと装備セットで戦闘面でのキャラの個性が出せる
ESOは「キャラの設定に合ったスキルで戦いたい」「装備で特殊な効果が欲しい、長所を活かす能力が欲しい」、そんな需要にかなり高めに応えてくれます。
キャラメイク時にまずクラスを1つ選び、
さらに育てていく上で武器スキルを習得し、
フィールドやダンジョンごとにドロップする多彩な「セット装備」を、効果が発動する一定数を着ることで、「そのキャラクターだけ」の戦い方=ビルドを構築できます。炎職のドラゴンナイトだから炎系スキルの威力を高めるセット装備にしたい、パッシブで炎スキルが強くなるから炎攻撃が追加で出てくるセット装備にしたいなども可能です。中には戦闘を避ける隠密移動、移動速度UPに特化したセット装備もあります。
戦闘時に使えるスキルは習得後スキルバーに入れた2必殺技、10スキルまでです。そしてスキルラインはクラススキル、武器スキル以外にも存在するので、覚えるスキル数に対して圧倒的に枠が足りません。ビルドを組む=使うスキルを選別することになります。
「キャラクターの設定にあったビルドを考える、作る」、「現行で強いとされているビルドを真似して強くする」、どちらの遊び方もできます。もちろん「好きに組んだ趣味ビルド」と「現行の最適ビルド」であれば圧倒的に後者が強くなります。
しかしその強さが必要なのは基本的に高難易度コンテンツで、ソロでクエスト重視に遊ぶことをメインにしている人ならばまず必要ないゲームバランスになっています。
・その種族のまま吸血鬼やウェアウルフになれる
TESシリーズでは「吸血鬼」「ウェアウルフ」は伝染病として罹患し変異するもので、ESOでもそのシステムが採用されています。吸血鬼やウェアウルフになったものしか使えないスキルや特性もあります。この2つの疾病は共有できません。
新月の期間に現れる狂った吸血鬼に自ら血を吸わせる、あるいは満月の期間に現れるウェアウルフに自ら噛ませる、中々倒錯的な罹患方法が必要です。
でも課金とかプレイヤーキャラの誰かに吸わせる・噛んでもらうことでも解決できます。
元々のキャラクターに加わったそれらの個性をどう活かすか、セット装備は何を組み合わせるかなど、この2種への変異でしか味わえない、より楽しく悩ましい時間が生まれます。
・モラルを捨てられる
TESシリーズの魅力でもある「盗みや殺人ができる」のもESOでは健在です。その世界で出来ることが当然に出来る、そして当然に目撃された違法行為には懸賞金などのペナルティが課されます。つまり見つからなければ……😉ネッ
単に物品を盗めるだけでなく、ほぼ盗みでしか取得できないフレーバーアイテムが無数にあります。その地域や種族のロア理解が深められ、また盗品は当然売ることが出来ます。私は「このキャラならこれは持ってるな」と持たせ続けている品もあります。
※↓センシティブ食らってますが特にセンシティブは含まれていません。
これはややセンシティブ。(闇の一党固有スキル「悲痛の短剣」による暗殺フィニッシュムーブ動画)
■「1人の主人公が世界全てを救う」とは限らない物語体験
・「この国の物語はあの種族のキャラでやりたい」が出来る
キャラクターを作成できるタイプのオフゲー、あるいは長く続いているMMOをやっている中で、「こういう話・この国がメインだったら、あの種族を選んでたらより没入できたかな」という考えが浮かんだことはありませんか?
ESOはそれができます。
タムリエルが3同盟に分かれて戦っていることは前述しましたが、その3同盟の国は5地域に分かれており、都合15地域ごとの続き物クエスト(ゾーンクエスト)、更にDLCで増えた地域のクエスト、それら全てに散りばめられているサブクエストの全てを1キャラの「主人公」で完遂する必要がありません。
作りたてのキャラでさえメインクエストを無視し、海路などを駆使して好きな地域・好きなゾーンクエストから開始できます。「あの国は関わりが深いこの種族のキャラで」「あのキャラが出てくるなら前に関わりあったこのキャラで」と、キャラ作成数が許す限り物語の味わい方を変えられるんです。
単にプレイヤーの気分的な問題だけではなく、ESOは種族やクエストクリア分岐での台詞分岐も非常に多くなっています。その種族でしか聞けない会話があったり、特定のNPCとクエストクリア後に別のクエストで再会すると、その後の折々で一段階親しい台詞を聞くことが出来ます。
ゾーンに合ったキャラで遊んで種族的な会話を聞けることもできれば、1キャラで全てを網羅することでクエストクリア分岐の会話を聞けるチャンスがより増えていく、楽しめる違いが用意されている世界です。
・村人の1人に至るまで、台詞があるNPCはフルローカライズに違わぬ豪華声優の総吹替
クエストで聞ける台詞が選択肢や種族、歩んできた道のりで違う、その楽しさをより相乗させるのが「ESOはNPCが話す全ての台詞が日本語吹き替えされている」という点です。
それも、多くのNPCに用意されている台詞は1通りではなく、2~以上の台詞が内蔵されているんです。
例えば上記画像の彼は重要NPCでもクエストNPCでもない、どの町にも居る商人系のNPCなのですが、
もう一度話しかけると台詞が変わります。町には他にも武器商人、雑貨商人、宿屋、シェフ、醸造家などの商人が居ますが、ほぼ全員が2~以上のパターンで話します。そしてストア系ではない、その町に住んでるだけの一般住人もまた数パターンの台詞があります。そして全て声優陣によって吹き替えられています。
さらに、クエストの途中に種族フラグ、クエストクリアフラグが仕込まれてたら、条件を満たしていないキャラはフラグを踏んだ台詞が聞けません。
逆にそれぞれのフラグを踏んだらフラグを踏んでない時の台詞は聞けません。
更にクエストクリアフラグは複数クエストに対応していることもあり、それぞれクリアしているものに応じて台詞が増減します。
それ全部録ってるんですよ!!
なんだこのこだわりよう!?
誰もかれもが喋る、街を歩いていてもNPCたちの噂話が聞えてくる、これが相当没入感を高めてくれます。当然それだけの吹き替えがある=声優陣も大変豪華です。
大塚芳忠さんや石塚運昇さん、本田貴子さん、藤原啓治さんや立木文彦さん、飛田展男さんなどそうそうたる名前が並んでいます。
岩崎ひろしさん(TES5・シセロ)や宮下栄治さん(TES5・ベレソア)、白熊寛嗣さん(TES5・シェオゴラス)など、スカイリム勢には耳馴染みある声にハッと瞳を輝かせてしまう瞬間も度々あります。
フルボイスのゲームではよく目で追うとそのまま台詞を飛ばしてしまうこともありますが、ESOでは「表示されている台詞と聞こえる台詞が違う(アドリブが入ってる?)」、「台詞回し自体が独特で面白い」「種族、地域によって文字からはわからない訛りがある」「ただただ純粋に声優さんの熱演ぶりが凄い」といった理由で聞き浸れます。
■PvPもハウジングも力が入っている
ESOは4VS4vS4の小規模PvPと、攻城兵器を用いた砦攻め・砦防衛が出来る大規模PvP、デイドラに支配された帝都内でゲリラ的にPKを狙っていくPvP、この3種類のPvPが遊べます。
特にシロディールで行われる、各同盟寄りの陣地に位置するシロディールの砦を三国それぞれが取りあいしていく陣取り合戦は、「砦に近づく」→「衝車や投石機で外壁や外壁の扉をぶち破る」→「砦の庭に入って砦本丸の扉も同様にぶち破る」、まさに攻城戦そのものの手法で戦っていきます。
対する相手側も、油壺や同じく投石器、バリスタなどで応戦・防衛していきます。時には防衛しきったと思ったら、スキルや薬で透明になっている敵プレイヤーに全滅させられてしまう、油断ならない緊張感やどんでん返しがあります。
これ自体が単体のゲームとして発売されてもおかしくないほど、ハマる人はハマってしまうPvPです。ソロ参加でしっかりとした意思疎通や動きをするには、海外勢が主流なこのゲームでは難しいものの、地名が飛び交うチャットを見て「次はあそこの砦に行くんだな」くらいの判断は可能です。広大なオープンワールドを散歩するだけでも風景の清々しさが味わえます。
続いてハウジングは所持金で買える限り限り何件でも所持できる+家具配置の自由度がとても高いシステムです。規模の大きい宮殿のような家を買うにはそれなりにまとまった金策が必要ですが、庭つき一軒家なら~30万程度で買える立地もあり、5~6万台の庭無し・庭が小さい一軒家ならその額で数軒買える計算になります。
家具数も「桁違い」という言葉が浮かぶほど多く、最初はどこの町でどういった家具を買えるのか、と把握するにも一苦労でした。最初からすぐに万端なハウジングが遊べるわけではないので、ハウジング目的だけで始めてしまうと最初が辛いかもしれません。
しかし冒険を進める中でコツコツ自作できる家具レシピを増やしたり、家具素材を集めたりして、ふと気が向いたときにのんびりやるハウジングにはこの上なく向いています。
参考:ESOの必要スペック