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『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』原作のポイント(S1E1-5)

 爆ヒットスタートの『ゲーム・オブ・スローンズ』スピンオフこと『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』(日本ではU-NEXT配信中)。少女時代編(S1E1-E5)が終わったので、鑑賞にやくだちそうな原案情報、設定をリストしました。

概要

 原案は、ジョージ・R・R・マーティン『炎と血 Ⅱ』。上下巻あり『HOTD』の物語は下巻。いきなり下から入っても読める感じです(ちょくちょく上巻の内容が昔話として入る程度)。
 この『炎と血』は、男性三人による歴史伝承、証言、調査をまとめたもの。三者の記述はバラけるため、真相の確証はありません。「なにがおこったか」を知れるのがTV版『HOTD』となっているわけです。原案のソースとなる語り手はみな男性のため、TV版とくらべると男尊女卑なバイアスがかかっていたことがうかがえたりもします。原作既読組も、こうしたギャップに驚いていくのが鑑賞の醍醐味。
 大きな設定変更も。大きいのは、レイニラ・ターゲリエンとアリセント・ハイタワーが同年代の幼なじみになったこと(原案ではアリセントが10歳くらい年上)。男性たちに記された「歴史」で悪女とされた二人が、家父長制な王朝で選択権すら与えられずにミソジニーを内面化してもいった女性たちでもあった……というのが『HOTD』のメインとなっているのです。

EP1-5 原作ネタ

  • ターガリエン家の伝統は、可能なかぎり兄弟姉妹、叔父姪、いとこ同士で結婚し、血統を濃くすること

  • エイマは11歳で従兄弟のヴィセーリスに嫁いだ。結婚&床入りが早すぎた為に死産がつづいたとも語られる

  • 原案の大評議会はヴィセーリスvsレーナー。ここで決まった鉄の議会の方針は ①女子は継承されない ②継承順位は男系>女系

  • つまりヴィセーリスのレイニラ継承宣言は先例破り。貴族たちにも影響を及ぼす決定であったのに、政治的な調整もされなかった (TV版ではこのせいでレイニスに復讐心が芽生えてしまう)

  • ヴィセーリスの治世はターガリエン王朝最盛期。貴族庶民から愛された平和で文化的な時代。しかし、原案の第一文はこう始まる「戦争のたねはしばしば平時に撒かれる。ウェスタロスではずっとどうだった。」

  • ヴィセーリスはデイモンを気に入っていたため問題行動を許し、いっときは弟の戴冠のため動いた。幼いころの愛らしい弟の思い出が強かったため、不肖を知っても踏み切れずにいた

  • デイモンは処女を散らすのが好き

  • 兄弟の不和&玉座争いが決定的になったのは両パートナーの死産および流産

  • レイニラはアリセントの結婚初夜の着つけを行った (TV版では、ウエディングドレスの着つけシーンがあったもののカットされた。キャラの心境ふくめてエピソード1の継承式の着つけとシンメトリーになっている)

上段がep1、下段がep3削除シーン
  • 伝承では、レイニラが恋していたのはデイモンではなくサー・クリストンとされた

  • デイモンが姪との性的行為を認めた際、王の手ストロング公は処刑を提言したが、王が「血族殺しは疎まれる」として止めさせた

  • ヴィセーリスにレイニラとエイゴンの婚姻を持ちかけたのはアリセントとされた (TV版で実際にもちかけたのはep3のオットー。その時点でアリセントは積極的なレイニラ継承派)

  • サー・クリストンは、騎士道によりレイニラの告白、誘いを拒否したと言い伝えられている。流れた噂は複数。「縁談成立後、クリストンはレイニラに駆け落ちプロポーズをしたが、身分の差を理由にはねつけられた」「彼のために処女を守ってデイモンに性技の特訓を受けたレイニラは、クリストンの前で全裸になったにも関わらず断られ、帰り際に会ったハーウィンと初体験した」。どちらの説でも結果的にレイニラはクリストンを憎んだ (TV版では、クリストンが初体験の相手)

  • 原案において、ジョフリー事件が起こったのは、七日間におよぶ結婚祝いの馬上槍戦大会。新郎新婦はそれぞれの愛人、ジョフリーとハーウィンに靴下留めを投げた。アリセント側として出場したクリストンがハーウィンの骨を砕き、ジョフリーを死に至らしめた (TV版では結婚式の前の宴)

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#PopLifeThPpodcast 『ゲーム・オブ・スローンズ』回に参加させていただいています。『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』の話も。 


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