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ハリー・スタイルズ、成功の秘訣はファン主義?
CINRA連載で紹介したハリー・スタイルズ。ここでも書いたように、彼は2020年を代表するミュージシャンというだけでなく「理想の男性」として人気を博すポップアイコンでもあります。
フェミニストで物腰やわらかでセクシーで……など色々「理想の男性」像たる理由はたくさんあるのですが、個人的に興味深いのは、ボーイバンド、つまりアイドル的だったOne Direction時代からつづくファン主義です。若い女性が多いアイドルグループのファンが見下されがちな中、メンバーたちはファンを大切にして称賛する……みたいな構図は一般的ですが、ハリーって若いファンを見下すような音楽業界に対してしっかり怒るんですよね。たとえば、グループ休止後レトロロック志向が強かったソロデビュー時、インタビューで「年配の聴衆に"真剣なアーティスト"だと証明することのプレッシャー」について問われた時。
「ポピュラー・ミュージックを好む若い女の子たちが(文化流行を追おうとする)ヒップスターな30歳より音楽の趣味が悪いって言うのか?」「あなたが決めることじゃない。音楽は変化しつづけるものだ。決まったゴールも無い。あなたはビートルズが好きな若い女の子は真剣じゃないと言うのか?若い女の子にはわからないと?」「10代の女の子たちは嘘をつかない。好きなら応援する。彼女たちはクールに振る舞おうとはしない。自分が好きなら、好きだと言うんだ。シックなことだよ」
「イケてる音楽(とイケてない音楽)」を決めがちなタイプの「音楽玄人」系リスナーと違い、ただ純粋に己の好意で楽しめるファンの姿勢を称賛しているのだと思われます。元々若い女性に人気だったあと「立派な音楽」認定されたビートルズを出すあたり示唆的でもあります。
1stアルバム『Harry Styles』を制作した頃のハリーは失敗しないよう意識して緊張していたそうですが、2nd『Fine Line』の場合、とにかくフィーリング主義、自然に楽しむことを重視して作られたそう。これがアメリカにおいても大ヒットしたわけですが、Varietyヒットメイカー・オブ・ジ・イヤーに選ばれた際、成功の秘訣として「ファン」視点を出しています。
「業界の人たちは(自分より)ハイレベルなリスニングでやっていってる気がする。僕が好きなのは、ファンの視点から音楽を作ること。ファンこそ最高のA&Rさ」
インタビュアーに怒ってまで自分たちのファンの「純粋に好意にもとづくファン活動」を称賛した彼が、自分も一音楽ファンとしてのフィーリングに従って大成功した、というのは腑に落ちるし美しい道筋だと思います。
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