US政局を変えるインターネット献金withファンアクティビズム
(via How Hatred Came To Dominate American Politics | FiveThirtyEight)
アメリカの共和党員と民主党員が憎しみ合う「ネガティブ党派主義」って主要因は何だったの?みたいなFiveThirtyEight記事なんですが。それと被るところもある二大政党の二極化について、ローレンス・レッシグ本。
そしてそれに、アメリカの変な選挙制が拍車をかけた。アメリカの選挙は、予備選があって本選があるんだけれど、その予備選は投票率が低い。そこにわざわざ足を運ぶのは、どちらの党内でも本当に政治マニアか極端な特定イデオロギーキチガイばかりとなる。そこで勝とうとすれば、議員としても主張を極端にする必要が出てきてしまう。これはインターネット献金の比率が増えてきた最近はなおさらだ。
というわけで、政局に影響を与えているインターネット個人献金について。各政党のプラットフォームは共和党「WinRed」、民主党「ActBlue」っていうそれっぽすぎる名前です。とくに成功しているのが後者。2018年中間選挙では、テキサス州選出上院選挙の民主党指名候補ベト・オルークが同サービスから4,500万ドルを調達、そのうち48%が州外からもたらされています(「ネガティブ党派主義」の一因とされる「地方政治から国政重視シフト」説を思い出したりもしますが……)。この「ActBlue」の元祖王者こそ、民主党左派旋風の象徴であるバーニー・サンダースです。今現在、民主党は打倒トランプで一旦協力してる感じですが、もしトリプルブルー政権になった場合、どこかしらで中道派と左派の党内バトル勃発、というのはまぁ王道の予想と思われます。
民主党候補と左派団体ご用達の「ActBlue」、ポップカルチャー界隈にも登場します。文春オンラインで紹介したBTSファン団体によるBlack Lives Matter寄附はここで行われていたのです。
余談ですが、最近ホットなオンライン草の根運動の場がCarrd。これは簡単にWebページがつくれるサービスで、匿名性もあるため、寄附リストに有効活用されているよう。2016年にローンチされたときは中小企業ターゲティングだったようですが、K-POPや『ハリー・ポッター』のファン、そしてクィアコミュニティで広まっていき、2020年、キム・カーダシアンがBLM寄附ページをシェアしたことで大ヒットしたそう。キムのインフルエンスは相変わらず流石ですが…… K-POPと『ハリー・ポッター』って、前述のファン・アクティビズム記事でも挙がったメンツなんですよねぇ。他国、他領域は別として、米国(とくに主要メディア)だとリベラルな社会正義っぽいイメージ持たれやすいグループかもしれません。