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資金を増やすための決算活用術~その2~
会社の資金を増やすためには、次のような様々な方法があります。
・売上だけを追い求めない
・利益率を上げる
・売掛金や在庫を過剰に増やさない
・必要以上の投資は行わない
・融資の条件交渉を行う
・無駄な経費は使わない
しかし、方法を知っていてもそれを正しく実行できなければ資金は増えていきません。前回に引き続き、資金を増やすための方法を実際に行う方法について解説します。
スピード決算では資金の動きを掴むことが大切
資金改善のための決算では、回数を多くすることと、正確さより素早さが大切であると前回説明しました。では、素早く決算を作るためにはどうしたら良いのでしょうか?
この決算の目的は、資金が減少する理由を把握し、素早く対策を打つことにあります。となれば、決算も資金の動きを掴めるようなものにすれば良いことになります。
そうなると外してはならないポイントは、
・資金が増えたのか減ったのか?
・資金が増えた(減った)ために、減った(増えた)科目は何か?
・運転資金(売上債権、在庫、仕入債務)はどう動いたか?
・投資は行ったのか?
・借入の増減はどうであったのか?
という点になります。これくらいの内容を把握するための決算であれば、そんなに難しくはありません。細かな数字にこだわることなく、大きな流れだけを掴めれば、資金改善の決算としては合格なのです。
決算を把握した後にすること
では、素早く決算書を作ってもらい、それを見た後は何をすれば良いのでしょうか?ここではおおまかな手順を説明します。
まずは、資金が増えたのか、減ったのかを確認します。次に、資金の増減理由を、資金以外の勘定科目の増減から把握します。例えば、資金が増えているときに借入金が増えているのであれば、新規で借入を行ったために資金が増加したことがわかります。資金が減り、在庫が増えていれば、在庫の購入が多過ぎたということです。
このように、資金が増減する裏側では、必ず他の勘定科目が増減しています。その裏側の勘定科目を見ることで打つべき手がわかります。
先ほどの例だと、在庫が増えて資金が減っているのであれば、当面の目標は在庫の削減ということになります。したがって、従業員に対して、在庫の販売を促すこと、不要在庫を処分すること、しばらくは在庫の購入を控えることなどの指示を行うことになります。
資金の動きが把握できると資金を増やすことができる
このように、資金の増減理由が素早くわかれば、それに合わせた対策を取ることは比較的容易にできます。しかし、多くの企業でそれができていないのは、決算に時間がかかり過ぎているからです。決算さえ素早くできれば、それだけでも資金が増える体質の会社に変わることができるのです。