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資金を増やすための決算活用術~その1~
会社の資金を増やすためには、次のような様々な方法があります。
・売上だけを追い求めない
・利益率を上げる
・売掛金や在庫を過剰に増やさない
・必要以上の投資は行わない
・融資の条件交渉を行う
・無駄な経費は使わない
しかし、方法を知っていてもそれを正しく実行できなければ資金は増えていきません。今回は、資金を増やすための方法を実際に行う方法について解説します。
まずは現状を把握を行う
資金を増やすといっても、いきなり上記のことを行うわけではありません。まずは、会社の現状を分析し、どの部分で資金が減っているのかを把握しなければ適切な対策は打てません。
では、現状把握はどのように行うかというと、決算を分析することになります。決算書には、会社の資金がどこから入ってきて、どこへ出ていったのかがすべて載っています。そのため、決算書を分析することで、資金の流出源を見つけ、そこに対して重点的に対策をしていくのです。
資金改善には素早い決算が必要
決算書というと、期末にだけ作るというイメージを持たれる経営者の方もいらっしゃると思いますが、ここでいう決算は年度の決算だけを指しているのではありません。資金を改善し、増やしていくためには年に1度の決算だけでは足りません。会社の状況は日々変わるものです。年初に決めた方針が、1年の間ずっと有効であるということなどありえません。
そうすると1年の間に何回も決算を行うことになります。この回数は多ければ多いほど細やかな対策がとれるようになります。少なくとも月次単位で決算を行い、さらに上を目指すのであれば、週次決算や日次決算を行っていくことになります。
また、決算書をまとめる時間は早くなければ意味がありません。例えば月次決算が翌々月にならないとまとまらない会社がありますが、これでは、その1ヶ月の間は何も対策がとれないし、状況が変わってしまうことすらあります。資金を本気で改善したいなら、決算は素早く作成することが重要となります。
正確性よりも早さを重視する
資金改善のための決算はスピード勝負です。理想は決算日の翌日には資料が作成できている状態です。しかし、これを税理士や経理の方にお願いすると確実に「無理です」と言われます。これは、決算をまとめるための資料が1日で集まらないのが最大の理由です。
ただし、これには1つだけ盲点があります。それは、税理士や経理の方は正確な決算を1日で行うのは無理だと言っているということです。確かに、年度の決算書は税金計算であったり、銀行や株主に提出するものですので、正確でなければなりません。ところが、資金改善をするための決算は正確でなくても良いのです。イメージとしては、年度の決算を100点としたら、60点くらいで十分です。
なぜ60点の決算でも良いかというと、社長が意思決定をするための情報として使えれば足りるからです。そして60点の決算書であれば1日で作ることは不可能ではないのです。