「生きる意味」をくれた人 番外編 苦い記憶がよみがえり告白
どうして、余計なことを思い出してしまうのだろう?
僕は一度記憶喪失になった。
でも、「彼女」きっかけで、思い出すことが苦労ではなくなり、急速に記憶を取り戻せた気がする。
未だに100%ではないけど、普通に生きている人だって忘れていることはあるだろう。
でも、僕は、大切な人には誠実でいたいと思っている。
というより、嘘をつき通す自信がない。
僕は目が大きい。
標準的な日本人よりも大きい。
だから、じっと目を見られると、嘘がばれるのではないかと思ってしまう。
だから嘘をつくのは苦手だ。
大切な人に対してはなおさらだ。
だけど、僕は以前、嘘をついたことを思い出してしまった。
極めて重大な場面で、嘘をついた。
謝らなければ・・・。
でも、嫌われるかも、とも思った。
でも、「生きていて」と言ってくれた人に、嘘をついたまま生き続けられるだろうか、と思ったら、窒息しそうになった。
やはり、思い出したからには正直に話そうと思った。
そして、だいぶ昔の話だが、経緯を正直に話した。
嘘をついてしまったことも謝った。
彼女は「動揺した」と言いながらも、過去のことだからと許してくれた。
伝えて良かったと思った。
また、「おやすみ」が言えた。
それだけでも収穫だった。
「どうしてそんなに正直に言うの?」と笑っていた。
いや、怖いから。
これは本心。
嫌われたら嫌でしょ。
だから怖かったし、大切な人の目は怖い。
そんなことがあった。
でも、僕よりもはるかに器の大きな人だと思った。
肩の荷が下りた気がした。