終わり良ければ総て良し その17 「介護サービス」を「成長分野」扱いするな!
出来ては潰れ、出来ては潰れる介護サービス。
2006年頃からは建物は完成したけど働く人が集まらなくて開所できない、なんて話が当たり前になってきた。
2007年だったかな。
地方のある」大手有料老人ホーム会社が、関東に進出。数棟建設したが働き手が集まらない。
担当役員から僕に、「社長が来るから、関東で介護士が集まらない理由を説明してもらえないか」と依頼があった。
そのくらいひどい時代を通ってきている。
公的な施設サービスでもある特別養護老人ホームは、各自治体による「公募」によって事業者が決められることがほとんどだが、最初は埼玉県だったかな?
公募しても「応募なし」という前代未聞の現象が起きた。
応募しても、人員確保の見通しが立たないからだ。
しかし、政府は介護サービスを「成長分野」に指定し、低金利で起業資金の貸し出しなどを行うなどのバックアップを行ってきている。
特に、リーマンショック以降は、失業者の吸収先としても様々な補助金を設け、受け皿として活用した。
でも違うだろうと思うんだよ。
「介護サービス」って、単純な「産業」という側面だけではかれないものがある。
そこを政治家はわかっていない。
だから、介護サービスの大手企業は上場して、株主に配当を出すために、吸収合併を繰り返し、元々のコンセプトが違うサービスが歪に結合してしまって無理が生じている。
余計に崩壊を速めている気がする。
ベネッセなんかいい例だと思うな。
いつの間にか、保育とか教育企業だと思っていたのがバカでかい介護サービス企業に変わっているけど、中身を見れば昔聞いたことがある介護サービスが合体しまくった集合体。
上手くいくんでしょうか?
行かないでしょ?
元々は「社会福祉」という分野だったはず。
それを社会保障から切り離すべく、介護保険に絡めて民間企業の参入を大々的に認めて「産業化」しただけの話。
国の都合」だからね。
良い結果は生まないよ。