【ホテルマンより皆さまへ】ホテルはあなたのお母さんではありません
わたくし、タンタカタンはホテル業界で働いている23歳です。
少し愚痴のようになってしまいますが、ホテルマンの本音をここで発信したいと思っています。
アルバイト経験のある方もこういったことを思っている方いると思います。もうタイトルの通りですし、全ての事に通じますが「ホテルはあなたのお母さんではありません」。
1. ホテルの立ち位置と役割
ここでホテルの立ち位置について見解を述べていきます。まずはホテルの企業理念から見ていきます。
「気さくなサービスを提供し、顧客を来客としてもてなす」
マリオット J・ウィラード・マリオット
もちろん、お客様がベースで動いていることは間違いありません。来客としてもてなすことが私たちの使命でもあることは変わりません。
しかし、これを勘違いして捉えないでいただきたいのです。
1-1. ホテルはあくまでホテルの滞在と旅のサポート
顧客を来客としてもてなすこと=サポートすることに繋がると捉えています。旅のサポートは、おすすめのレストランや観光地、交通のアクセス情報などをご提案する、といったことに当たります。
滞在のサポートとしては、モーニングコールや食事の提供や客室の清掃ですね。
ただ、残念ながらこれを「なんでもすべてやってくれる」と捉えてしまっているホテルのお客様が多いです。
もちろん、できる限りのことはこちらで提案していきますが、ホテルによっては限界というものがあります。
**1-2. 自分がもし滞在をサポートするホテルのような
立場なら...?**
マリオットの基本理念に戻ります。「来客としてもてなす」に注目して自分が来客する立場に置き換えてみましょう。
あなたが身の回りの人来客する立場になって考えてみましょう。「できる限りのことはもてなしたい」と思いますよね。
ただ、来客者に「お金を払うから、広いベッドで寝かせてくれ」といわれた場合あなたはどう対応しますか。(広いベッドを持っていない場合)
「申し訳ないけど、持っていない。」と言うしかほかなりません。それに対して「もう今回の滞在は台無しだ」と言われるがホテルです。
「リクエストに答えられる限りのことはする。ただできないこともある。誠意をもってサポートするが限界がある。」ということ知ってほしいです。
**1-3. 外出自粛期間でも仕事に行かねばならない
お客様をホテルが支えるけど...**
ビジネスホテルに多い役割ですね。コロナの影響でも、出勤せざるを得ない方々の拠点になれるようにサポートをするのが私たちの使命でもあります。
観光のみならず、こういった企業様を支える役割もホテルが担っているんです。各ビジネスホテルのサイトを見ると、「事業支援プラン」「テレワーク応援プラン」などが多いです。
こういったお客様も支えることとしては、安い料金で長く滞在していただく、代わりに清掃は4日1度のみといった条件で案内できます。
それでも無理に「毎日清掃してくれ」とリクエストを多く受けたりします。
2. ホテルにいるズレているお客様
接客業だから仕方がないってところもありますが、いろんなお客様がいます。正直言って本当にすごいです。
そんな方たちを少し紹介しようと思います。私はこういった人を反面教師にしようと思っています。(そもそも出会わなければ反面にすることもないんですけどね)
2-1. 求める要求が非常にクレイジーなお客様
「リニューアルした部屋にしてくれ(古いタイプで予約を入れたけど)」
「Uber Eats頼んだ。後で払うから代わりに支払って。」
「オレ37.5度以上の熱あるかもしれないからいい部屋に入れて」
これは全部私が受けた要望です。クレイジーですね。
ホテルの規模にもよりますが、できないことは必ずあります。
ホテルはあなたのお母さんではないです。何でもやってくれると思わないで欲しいですね。
2-2. なんでコレもできないの?と押し付けるお客様
このリクエストに答えられないことに対して、怒る方がいます。「他のホテルならできるよ?」といった感じの怒り方ですね。
力になれないことに申し訳なさを感じますが、できないことに対して怒るのは正直きついですね。私たちで改善できるところはすぐにマネージャーにお願いをしています。
2-3. 1つの出来事やミスを全体として捉えてしまうお客様
例えば、要望が通らなかったことに対して「滞在が台無しだ」という方がいます。というよりそういう方が多いです。
ちょっとの出来事でも全体的にとらわれてしまいがちなのがホテルです。原点方式な部分があります。
しかし、ある例に置き換えるとかなり幼稚です。
「冷蔵庫にビールが冷えていない」という出来事があっただけで、
「今夜の晩餐が最悪なものになった」と捉える。
これと全く同じです。子供じゃあるまいし、それだけで全体が台無しになった捉え方をするのは幼すぎます。
**2-3-1. もちろんこれはホテル側がミスをして
良い理由にはなりません**
私たちはあくまでサービスをしてお金をいただく立場なので、ミスをして良い理由にはならないです。
減点されない+もっと加点されるようにサービスをするのが私たちです。しかし、小さなことで騒ぎ立ててもあなたの健康にもよくないですし、誰も得をしません。
2-3-2. 高圧的な態度をとって良い理由にもなりません
私たちも一企業の社員であることを忘れないでいただきたいです。普段の仕事だけ「お世話になっております」と頭を下げまくった分、プライベートは高圧的になって良いわけありません。
「お金を払っているから何でもしてもらって当然だ」と思わないでください。できることの限界はどの企業にもあります。
**3. 何度も言います。
「ホテルはあなたのお母さんではありません」**
正直、やたらと因縁をつけられても困ります。とくにおじさん世代と言われる方々ですね。
意地でも私たちの世代からはそういった人を出さないと強く決めています。かなり強めに書きましたが、これが本音です。
もちろん、滞在をサポートするのは私たちの義務です。真剣です。その分、余計なことをされてツラい思いをしている人いることを分かっていただきたいと思います。
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